2018年4月19日

NC750Sがカラーチェンジと全タイプにABSを標準装備

 NC750S/NC750S Dual Clutch Transmission 740,880円~806,760円(4月20日発売)

並列2気筒のシリンダー前傾角を62度と深くすることでエンジン全高を下げ、車体のレイアウトに自由度が得られる軽量コンパクトな新型700ccエンジンをゼロから開発。それに合わせて、低い位置にメインパイプ配置することが可能となったローフレームの組み合わせにより誕生した“ニューミッドコンセプト”シリーズ。

2012年2月のNC700X、4月のNC700S、インテグラ発売以降多くのファンを獲得してきたが、わずか2年足らずの2014年1月に早くもモデルチェンジが行われ、現在の750版となった。好調な販売をバックに排気量アップが行われたといえるのだが、そればかりでなく、未だに残る日本独自の規格といえる“ナナハン”を試験車両とする大型自動二輪免許の存在も見逃せない。NCシリーズの登場時は、排気量669cm3でのスタートであり、実質650クラスだった。そのモデルが教習車両、試験車両に使われるかどうかは、潜在ユーザー層である教習生へのアピールの面からも重要なことだろう。ただ排気量アップの要因はもちろんそれだけではなく、生み出された余裕を排出ガス規制や騒音規制対策、はたまた好燃費化にも貢献させる排気量アップだったことは言うまでもないだろう。

750となっても、共通のプラットフォームを使い回すことでより多様なニーズに合わせたモデル群を展開する、というNCシリーズの基本戦略は変わらず、“オン・オフ”モデルとして開発されたNC750Xと、“ネイキッド・スポーツ”のNC750Sを一足早く1月24日に発売。700シリーズでは、海外でトップバッターデビューを飾った“スクーティング・モーターサイクル”のインテグラのみ若干遅れて2月7日発売となった。NC750X、NC750Sに用意される“デュアル・クラッチ・トランスミッション”仕様、NC750Xのローシート“TypeLD”仕様(NC750X)、そして“ABS”仕様の各仕様も、すべて発売開始日に合わせてラインナップされた。

750のエンジンは、700シリーズのボアを4mm拡大し、ボア77mm×ストローク80mmとなり、総排気量745cm3から低中回転域での力強い走りを実現。ピストンに樹脂コーティングを施すとともに、摩擦を低減するローラー式ロッカーアームにアルミ材を採用するなどの特徴的なメカニズムは踏襲されたが、従来の一軸バランサーは、さらなる低振動化の実現を図るため二軸式へと変更された。トランスミッションのハイレシオ化も行われ、デュアル・クラッチ・トランスミッションも新エンジンに合わせて変速特性が見直されている。

車体面では基本構造に変化はないのでほぼ同一といえるが、インテグラではリアのスイングアームがアルミ化されたほか、フロントカウルとシート形状も変更。また、スポーティなストライプの採用やゴールドカラーの前後ホイールを装着したインテグラSタイプも追加されるなど新型NCシリーズでは一番変更点の多いモデルとなった。

NC750Sでは、タイヤの変更が行われていないことを除けばNC750Xと同様の変更で、ニューCBシリーズなどで採用されている瞬間燃費、および平均燃費などが表示できる機能を持つ燃費計が新たに装備された。また、シート表皮の変更、アジャストタイプのブレーキレバーも採用された。

2014年4月には、このNC750シリーズに新たに“E Package”というモデルがタイプ設定されている。“E Package”というのは、CB400SF/SBやCB1300SF/SBシリーズなどで導入が始まった、ETC、グリップヒーターなどを標準装備するアップグレード仕様で、NC750Sでは、DCT搭載車のみに設定された。ETC車載器と、5段階に温度調節が可能で装着の目立たない“スポーツグリップヒーター”、そして足でもギアチェンジ操作を可能とする“DTCチェンジペダル”を装備するモデルだった。

2015年2月には、ロードスポーツタイプのNC750Sに、上質感のあるパールグレアホワイトを採用、鮮烈なレッドの表皮を採用したピリオンシート、レッドのウイングマークをラゲッジシェルターに、そしてリッドカバーにはストライプを配した“特別カラー”モデルも200台の限定で発売された。

2017年4月にはモデルチェンジが行われた。兄弟車のNC750Xのスタイリング一新に合わせたもので、エンジンとトランスミッションはNC750Xに準じた変更が行われている。DCT車では従来の3モードにさらに3段階のレベルが選択できるようになったほか、ATモードでは坂道の斜度に応じて適正なタイミングの変速を実現、スロットル開閉時の車体挙動を安定させる制御の追加、異形断面形状の2室構造新マフラーの採用など。その他メーターパネルの変更など、NC750Xと異なりデザイン上の変更こそないが、メカニズム的にはNC750Xに準じた各部の熟成が行われた。またNS750Sでは、全車にETCとグリップヒーターが標準装備となった。

今回は、カラーリングの変更と共に、全タイプにABSが標準装備された。

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NC750S Dual Clutch Transmission。「グラファイトブラック(ツートーン)」822,960円。「キャンディクロモスファイアレッド」は806,760円。

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NC750S。「キャンディークロモスフィアレッド」740,880円。「グラファイトブラック(ツートーン)」は757,080円。


 

★HONDA ニュースリリースより (2018年4月19日)

⼤型スポーツモデル「NC750S」のカラーリングを変更し
全タイプにABS を標準装備し発売

Hondaは、力強いトルク特性で扱いやすく燃費性能に優れた直列2気筒750ccエンジンを搭載した、ネイキッドスタイルの大型スポーツモデル「NC750S」のカラーリングを変更するとともに、全タイプにABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を標準装備し、新販売網のHonda Dreamより4月20日(金)に発売します。

カラーリングには、スポーティーかつ洗練された印象のグラファイトブラック(ツートーン)と、高質で鮮やかなキャンディークロモスフィアレッドの全2色を新たに採用。グラファイトブラックは、サイドカバーおよびラゲッジリッドをブルーに塗装したほか、フロントフェンダーの中央部にブルーのストライプを、メインシート側面とピリオンシートにはブルーのシート表皮を採用したツートーンカラーとしました。また、従来タイプ設定であったABSを全タイプに標準装備しました。

NC750Sは、大容量のラゲッジスペース、スポーツグリップヒーターおよびETC車載器を標準装備。またHonda独自の二輪車用「デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)」をタイプ設定するなど、通勤やツーリングなど幅広い走行状況で利便性と快適性を追求し、発売以来多くのお客様からご支持をいただいています。

●販売計画台数(国内・年間)
シリーズ合計 360台
 
●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
NC750S
グラファイトブラック(ツートーン) 757,080円(消費税抜き本体価格 701,000円)
NC750S
キャンディークロモスファイアレッド 748,880円(消費税抜き本体価格 686,000円)
NC750S Dual Clutch Transmission
グラファイトブラック(ツートーン) 822,960円(消費税抜き本体価格 762,000円)
NC750S Dual Clutch Transmission
キャンディークロモスファイアレッド 806,760円(消費税抜き本体価格 747,000円)
※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません

★主要諸元

車名型式 EBL-RC88
NC750S〈NC750S Dual Clutch Transmission〉
発売日 2018年4月20日
全長×全幅×全高(m) 2.215×0.775×1.130
軸距(m) 1.520
最低地上高(m)★ 0.140
シート高(m)★ 0.790
車両重量(kg) 218〈228〉
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※1 42.5(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時※2)
28.3(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時※3)★
登坂能力(tanθ)
最小回転小半径(m) 3.0
エンジン型式 RC88E
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ
総排気量(cm3) 745
内径×行程(mm) 77.0×80.0
圧縮比★ 10.7
最高出力(kW[PS]/rpm) 40[54]/6,250
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 68[6.9]/4,750
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI]
始動方式★ セルフ式
点火方式★ フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑油方式★ 圧送飛沫併用式
潤滑油容量(L)
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式★ 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン〈電子式6段変速(DCT)〉
変速比 1速 2.812〈2.666〉
2速 1.894〈1.904〉
3速 1.454
4速 1.200
5速 1.033
6速 0.837〈0.864〉
減速比1次/2次 1.731×2.529〈1.921×2.294〉
キャスター(度)★ 27°00′
トレール(mm)★ 110
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
160/60ZR17M/C 69W
ブレーキ形式 油圧式シングルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 ダイヤモンド

■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)■製造事業者/本田技研工業株式会社
 ※1 燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
 ※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
 ※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます