CRF1000L Africa Twin/<DCT> 1,350,000円~/1,458,000円~(2月14日発売)

★ホンダ CRF1000L Africa Twin/<DCT> 車両解説

アドベンチャーマシン“アフリカツイン”をマイナーチェンジし新色を追加

1989年のXRV650Rでヒストリーが始まった、ホンダのアドベンチャーモデル“Africa Twin”シリーズ。その“Africa Twin”の名を冠して颯爽と復活したCRF1000L Africa Twin。2016年の2月発売以来、このジャンルのリッターモデルとしては驚異的な人気ぶりを発揮してきた。

ただ意外にも、その知名度の高さからはあまり想像できないのだが、この稀代の名車“Africa Twin”シリーズの歴史自体はわずか10年足らずしか無い。初代XRV650Rの登場から、2代目XRV750Rを経て、3代目のXRV750R、2000年の最終モデルの製造中止までのわずかな期間に超新星のごとく耀き、そして消えていった。まだ“パリ・ダカールラリー”と呼ばれていた当時の壮大なアドベンチャー・ラリーでの活躍を背景に、その存在を強烈に印象付けたということだろう。

また、ホンダは大排気量アドベンチャーカテゴリーマシンとして、XL500Sを始め、XLV750R、XL600Rファラオ、XLV600Rトランザルプ、と連綿とその歴史を積み上げてきていたからこそ、Africa Twinのヒストリーも光るのだともいえる。

それはともかく、新時代のAfrica Twin、CRF1000L Africa Twinは、2014年11月のEICMA2014(ミラノショー)に出展された「True Adventure プロトタイプ」で示した方向性を実際に製品化したモデルといえ、ホンダの英国現地法人であるホンダモーターヨーロッパ・リミテッドが、2015年5月に「2015年中に発売する」と発表したのが正式デビューとなっている。国内登場は、さきにふれたとおり、翌2016年の2月となった。

スタイルは、現代の“ダカール・マシン”CRF450 RALLYのイメージも取り入れてはいるが、LEDヘッドライトを備えたフェアリングを始め、18リットル入りの大型燃料タンク(初代のAfrica Twinは何と23リットル入り)などにより、まぎれもないAfrica Twin一族のDNAを受け継ぐデザインで、新世代ながらも紛れもないアドベンチャーマシンであることを強烈に主張している。

搭載されるエンジンは、“ユニカムバルブトレイン”や“軽量キャストカムシャフト”などの最新テクノロジーを取り入れた新開発の直列2気筒で、270度位相クランクによる不等間隔爆発及び、ツインプラグの位相点火制御システムなどを採用することで、優れたトラクション性能を発揮するとともに、小気味よい鼓動感も実現している。

また、エンジンの背面にバッテリーなど重量物を集中配置することで、マスの集中化も実現。さらに、軽量でありながら十分な剛性を確保する「セミダブルクレードルフレーム」の採用によってオフロードでの優れた走行性能とオンロードでの安定感のあるハンドリングを両立。荒れた路面でも効率よく動力を伝達する“Honda セレクタブル トルク コントロール”を全車に搭載。Honda独自の“Dual Clutch Transmission”採用モデルでは、オンロードからオフロードまでライダーの感覚に沿ったコントロール性能を発揮するよう3段階のシフトパターンを選択できるようさらに進化している。

今回は、このCRF1000L Africa Twinを国内の排出ガス規制に適合させるとともに各部の適正化により、従来モデルから2kWのエンジン出力向上、3N・mのトルクアップが図られる初のマイナーチェンジが行われた。また、同時に「キャンディープロミネンスレッド」の新色が追加され、全4色のカラーラインナップとなった。

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CRF1000L Africa Twin<DCT>。新色「キャンディープロミネンスレッド」。

★HONDA ニュースリースより (2017年2月13日)

次世代アドベンチャーモデル「CRF1000L Africa Twin」に新色を追加し発売

Hondaは、アドベンチャーモデル「CRF1000L Africa Twin」を国内の排出ガス規制に適合させるとともに、新色を追加し2月14日(火)に発売します。

CRF1000L Africa Twinは、市街地から高速道路、さらには郊外のワインディングロードから未舗装路まで、さまざまな道を走破できるアドベンチャーモデルとして「日常のコミューティングから広大な夢の大地を走破できる真の本格アドベンチャーモデル」「True Adventure」を開発コンセプトに、新開発の直列2気筒998ccエンジンを搭載し次世代アドベンチャーモデルにふさわしい装備やHonda独自の二輪車用「デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)」をタイプ設定するなど、先進技術を搭載したモデルとして昨年2月に発売して以来、多くのお客様に支持されてきました。

今回、好評のパールグレアホワイト、ヴィクトリーレッド、デジタルシルバーメタリックに加え、力強く端正なスタイリングをより強調するキャンディープロミネンスレッドを、各タイプに新たに採用し、全4色のカラーバリエーションとしました。また、国内の排出ガス規制に適合させるとともに各部の適正化により、エンジン出力性能を向上※1させました。

※1 従来モデルから2kW向上

●販売計画台数(国内・年間)
 1,300台
 
●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
 CRF1000L Africa Twin キャンディプロミネンスレッド(新色)/デジタルシルバーメタリック 1,350,000円(消費税抜き本体価格 1,250,000円)
 CRF1000L Africa Twin ヴィクトリーレッド/パールグレアホワイト 1,382,400円(消費税抜き本体価格 1,280,000円)
 CRF1000L Africa Twin<DCT> キャンディプロミネンスレッド(新色)/デジタルシルバーメタリック 1,458,000円(消費税抜き本体価格 1,350,000円)
 CRF1000L Africa Twin<DCT> ヴィクトリーレッド/パールグレアホワイト 1,490,400円(消費税抜き本体価格 1,380,000円)
 
※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません

★主要諸元

車名型式 2BL-SD04
CRF1000L Africa Twin〈CRF1000L Africa Twin<DCT>〉
発売日 2017年2月14日
全長×全幅×全高(m) 2.335×0.930×1.475
軸距(m) 1.575
最低地上高(m) 0.250
シート高(m) 0.870/0.850
車両重量(kg) 232〈242〉
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※2 32.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)
21.6(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3
登坂能力(tanθ) -
最小回転小半径(m) 2.6
エンジン型式 SD04E
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ
総排気量(cm3) 998
内径×行程(mm) 92.0×75.1
圧縮比 10.0
最高出力(kW[PS]/rpm) 70[95]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 98[10.0]/6,000
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI]
始動方式 セルフ式
点火方式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑油方式 圧送飛沫併用式
潤滑油容量(L) -
燃料タンク容量(L) 18
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン〈電子式6段変速(DCT)〉
変速比 1速 2.866〈2.561〉
2速 1.888〈1.761〉
3速 1.480〈1.375〉
4速 1.230〈1.133〉
5速 1.100〈0.972〉
6速 0.968〈0.882〉
減速比1次/2次 1.733×2.625〈1.883×2.625〉
キャスター(度) 27°30′
トレール(mm) 113
タイヤサイズ 90/90-21M/C 54H
150/70R18M/C 70H
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 セミダブルクレードルフレーム

〈 〉内はデュアル・クラッチ・トランスミッション仕様
 ※2 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
 ※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます