FJR1300AS/FJR1300A 1,732,500円/1,417,500円(12月10日発売)

★ヤマハ FJR1300AS/FJR1300A 車両解説

ヤマハの“ダイナミックツーリング”シリーズFJR1300AS/Aを国内発売

FJ1100、1200シリーズの後継機として2001年に海外向けモデルとしてデビューしたFJR1300。ただ、車名にRが加わっていることからも分かるとおり、フレームからエンジンまで全面的に新設計されたニューモデルだった。メッキシリンダーや軽量ピストン、2軸バランサーなどを採用するエンジンはついに水冷となり、これまた新開発のアルミダイキャスト製フレームに搭載と、新世代のマシン作りが行われて登場した。

その後、2003年モデルでABSを装備。前輪ディスクブレーキの大径化、イモビライザーの装備、シールド形状変更、小物入れの追加などのマイナーチェンジも同時に行われた。

YCC-S(Yamaha Chip Controlled Shift)という自動クラッチ装着モデルがデビューしたのは2005年10月のパリショーだった。ツーリング機能を向上させるため、クラッチ操作なしでシフトチェンジを可能としたメカニズムで、2006年モデルとして発売開始されている。同時にABSを標準装備したノーマルクラッチのFJR1300Aがベーシック仕様となった。

今回、国内でも販売されることになったモデルはフェアリング周りを中心に新しくなった新型で、走行風を吸い込みながら流れを制御して快適な居住空間を作り出すエアインテークを始め、マシンが前方に飛び出すような“ジャンピングムーブメント”のアンダーカウルが特徴とされている。

FJR1300AS。2色設定。ベリーダークオレンジメタリック1(ブラウン)。
FJR1300AS。イエローイッシュグレーメタリック5(グレー)。
FJR1300A。2色設定。ベリーダークオレンジメタリック1(ブラウン)。
FJR1300A。イエローイッシュグレーメタリック5(グレー)。

★YAMAHA プレスリリースより (2013年11月14日)

“クルーズコントロール”など最新の電子制御を搭載
「FJR1300AS」及び「FJR1300A」新発売
<ダイナミックツーリング>を提唱

ヤマハ発動機株式会社は、1,300ccの水冷4ストロークDOHC・直列4気筒FIエンジンを搭載し、長距離ツアラー性能とスポーツ性を兼ね備えた新製品、「FJR1300AS」及び「FJR1300A」を2013年12月10日より発売します。

新製品「FJR1300AS」「FJR1300A」は、“ダイナミックツーリング”をコンセプトに、長距離ツアラー性能とスポーツ性を高次元で両立させたモデルです。主な特徴は、1)ツアラー性能とスポーツ性を支えるYCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)搭載エンジン、2)当社製国内向けモデル初となる“クルーズコントロール”、3)クラッチ操作が不要なYCC-S(ヤマハ電子制御シフト)※、4)電動調整サスペンションなどです。

※「FJR1300AS」のみ

<名称>
「FJR1300AS」、「FJR1300A」
<発売日>
「FJR1300AS」、「FJR1300A」 2013年12月10日
<メーカー希望小売価格>
「FJR1300AS」1,732,500円(本体価格1,650,000円、消費税82,500円)
「FJR1300A」1,417,500円(本体価格1,350,000円、消費税67,500円)

※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれない。
<カラーリング>
「FJR1300AS」
■ベリーダークオレンジメタリック1(ブラウン)
■イエローイッシュグレーメタリック5(グレー)
「FJR1300A」
■ベリーダークオレンジメタリック1(ブラウン)
■イエローイッシュグレーメタリック5(グレー)
<販売計画>
200台(シリーズ合計/年間/国内)
※お問い合わせは、「ヤマハ発動機お客様相談室(フリーダイヤル0120-090-819)」。
《開発の狙い》
 年間5万台強の需要で推移する国内小型二輪市場では、リターンライダーや新規層も含め中高年齢層が主流傾向にあります。高速道路の2人乗り解禁や二輪車 ETC システム導入も近年は後押しとなり、ツーリング志向がトレンドのひとつとなり、これに呼応するモデルの国内販売を希望する声が強く聞かれており、今回の「FJR1300AS」「FJR1300A」はこの声に応えたモデルです。
 初代の「FJR1300」は、欧州向けに2001年導入。<欧州横断ツアラー>として2人乗りで10日間のべ3,000kmのツーリングを支える性能と、俊敏な運動性能を併せ持つキャラクターが高く支持され、<スポーツツアラーのパイオニア>として人気を集めています。今回の国内向け「FJR1300AS」「FJR1300A」は、ヤマハ電子制御の最先端技術をフル投入するなど、スポーツツアラー旗艦モデルに相応しい熟成を果たしています。
 
《主な特徴》
1) 長距離ツアラー性能とスポーツ性を支える4気筒エンジン
 快適な長距離走行性を支える1,300ccエンジンを搭載しました。軽量鍛造ピストン、放熱性に優れた直メッキシリンダー、低張力ピストンリング、2軸バランサーなどを採用しています。スロットルバルブ駆動はYCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)とし、吸気・燃料供給から排気系まで総合的な調和を図り、滑らかかつ力強い出力特性を引き出しています。
 また好みや走行環境に応じエンジン特性を2つのモードから選べるD-MODEを採用したほか、滑らかな発進性を支えるTCS(トラクション・コントロール・システム)を採用しました。
 
2) クルーズコントロール、ユニファイドブレーキシステムの採用
 高速ツーリングの快適性向上を図る“クルーズコントロール”を搭載しました。3~5速で約50km/h以上での走行時にセットすると、アクセル操作なしで一定速度を維持した走行が可能です。設定後の速度調整は、スイッチのワンプッシュで約2km/h単位、押し続けると継続して昇降調整することができます。
 またライダーのブレーキ操作をサポート、優れたブレーキフィーリングを提供するユニファイドブレーキシステム※を採用しています。
 ※リアブレーキ操作でフロントブレーキに一定の効力を与えるシステム
 
3) 各機能を簡単に操作できる多機能ハンドルスイッチ
 多機能ハンドルスイッチを採用しました。電動スクリーン調整、グリップウォーマー調整、メーター表示内容切り替え、電動調整サスペンション※の調整など各種操作や調整が容易にできます。
 ※「FJR1300AS」のみ
 
4) ツーリング機能を支えるYCC-S、及び電動調整サスペンション(FJR1300ASのみ)
 YCC-S(ヤマハ電子制御シフト)を採用しました。クラッチレバー装備はなく、シフトチェンジは、左足のシフトペダルか左ハンドルスイッチ(ボタン)で行います。停止際に自動的に1速となる“STOP MODE”機能の選択もできます。
 また電動調整サスペンションを採用し、走行環境変化や好みに応じた調整の手間を低減しました。前後を統合的にバランスさせて調整するシステムで、荷重設定は「1名乗車」「1名乗車+荷物」「2名乗車」「2名乗車+荷物」の4種です。この中でそれぞれ「ソフト」「スタンダード」「ハード」と減衰力が選択できます。さらに減衰力は各7段階の微調整が可能です。
 
5) “ダイナミックツーリング”を具現化するボディデザイン
 走行風を吸い込みながら流れを制御して快適な居住空間を作り出すフロントのエアインテーク、マシンが前方向に飛び出すような“ジャンピングムーブメント”のアンダーカウルなどがボディ外観の特徴です。
 また2眼ヘッドライトの下側にはLEDポジションランプを配し、点灯時はアイライン状に輝きスポーツツアラーに相応しい演出としています。
 
6) その他の特徴
・リニア制御 ABS
・3ポジションの調整が可能なハンドルポジション、2ポジションの調整が可能なメインシート
・電磁ロックアクセサリーボックス(12VDC電源内蔵、容量1ℓ)
・グリップウォーマー、可動パネル採用アンダーカウル
・ECOインジケーター、盗難を抑止するイモビライザー
・電動により高さ調整ができるフロントスクリーン
「FJR1300AS」「FJR1300A」フィーチャーマップ
・電動調整フロントスクリーン
・2眼ヘッドライト
・アイラインデザインのLEDポジションライト
・LEDフラッシャー
・※倒立式フロントサスペンション
・ユニファイドブレーキシステム
・リニア制御ABS
・可動パネル
・空力特性に優れたアンダーカウル
・アルミ製ダイヤモンドフレーム
・12V電源ソケット
・「多機能ドットマトリックス表示」を備えた3連独立メーター
・多機能ハンドルスイッチ
・3ポジションハンドル
・グリップウォーマー
・2ポジションメインシート
・スェード調シート側面表皮
・※電動調整サスペンション(フロント、リア)
・シャフトドライブ
・鍛造ピストン、ライナーレス直メッキシリンダー
・YCC-T
・D-MODE
・トラクション・コントロール・システム
・クルーズコントロール
・※YCC-S(ヤマハ電子制御シフト)

★主要諸元

車名型式 EBL-RP27J
FJR1300AS〈FJR1300A〉
発売日 2013年12月10日
全長×全幅×全高(m) 2.230×0.750×1.325
軸距(m) 1.545
最低地上高(m) 0.125〈0.130〉
シート高(m) 0.805
車両重量(kg) 296〈289〉
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L) 24.6(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)
16.3(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) -
エンジン型式 P518E
水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 1,297
内径×行程(mm) 79.0×66.2
圧縮比 10.8
最高出力(kW[PS]/rpm) 108[147]/8,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 138[14.1]/7,000
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 T.C.I.(トランジスタ式)式
潤滑油方式 強制圧送ウェットサンプ
潤滑油容量(L) 4.9
燃料タンク容量(L) 25
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式5段リターン
変速比 1速 2.529
2速 1.772
3速 1.347
4速 1.076
5速 0.928
減速比1次/2次 1.562/2.697
キャスター(度) 26°00′
トレール(mm) 109
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
180/55ZR17M/C 73W
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム(リンク式)
フレーム形式 ダイヤモンド

※〈 〉内はFJR1300Aのデータです。
※燃費消費率は、定められた試験条件のもとでの値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率。
※WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果からの計算値。