Dio110 228,960円(3月6日発売)

★ホンダ Dio110 車両解説

“ディオの兄貴分”Dio110が初のフルモデルチェンジ

1988年1月に発売開始された“メットインスクーター Dio”以来の由緒正しき「Dio」の名称が与えられた原付二種スクーター。

四半世紀にもわたるDioの歴史だが、実はそのヒストリーの中に、2011年7月のDio110の登場まで原付二種モデルは存在しなかった。というのも原付二種としての役割を担ったのは、それぞれの時代に、リードであったり、スペイシーだったりと“アップグレード”のモデルにラインナップされてきた経緯があった。若者向けのスポーティ・スクーターとしての存在だった時代もあるが、要するにDioは、あくまで一貫して廉価版の原付スクーター、という存在に徹してきたのだった。

初めてDioの名称を持つ原付二種スクーター、Dio110が発売開始された当時、すでにリード・EX(107cm3)が存在していた。にもかかわらず、あえてDioの名称を採用したのは、原付二種スクーター需要の急増からユーザー層の嗜好も拡大、それに応えるべく複数の選択肢を提供するためだった。アップグレード・スクーターを望むユーザーにはリード・EXを、手軽な廉価版の原付二種スクーターを求めるユーザーにはこちらのDioを、という棲み分けが図られたといえる。

ちなみにリード・EXは249,900円、対するDio110は20万円を切る199,500円(発売開始当時価格)という価格設定だった。またホンダには、さらなる上級モデルといえるPCXも存在している(発売開始当時の価格は299,250円)。Dio110の登場により、廉価版からアップグレードモデル、さらにはトップモデルまで3タイプで、原付二種スクーター・ユーザーに応えるラインナップが完成した。

今回は、その廉価版原付二種スクーターであるDio110のフルモデルチェンジが行われたのだが、現行Dio110のオーナー、いや少なくとも原付二種スクーターのユーザーレベルでないと新型となったのに気付かないほどデザイン的には“キープコンセプト”が徹底されたモデルチェンジと言っていいかも知れない。

それもそのはずで今回のフルモデルチェンジの最大のハイライトは“eSP”(enhanced Smart Power:下のプレスリリース参照)の採用だったからだ。

この新しい空冷4ストローク単気筒エンジンの採用により、燃費はこれまでのモデルの52.0km/L(60km/h定地走行テスト値)から57.9km/L(60km/h定地走行テスト値)へとさらに向上している。また車体面でもフレームなどを再設計したことにより、これまでのモデルより3kgの軽量化が図られて燃費向上などに寄与しているという。
 

Dio110。カラーは4色。「エグザルテッドブルーメタリック」。
Dio110。「フォースシルバーメタリック」。
Dio110。「ポセイドンブラックメタリック」。
Dio110。「パールジャスミンホワイト」。

★HONDA プレスリリースより (2015年2月27日)

原付二種スクーター「Dio110」をフルモデルチェンジし発売

Hondaは、軽快な走りとスタイリッシュな外観などで好評を得ている原付二種スクーター「Dio110」をフルモデルチェンジし、3月6日(金)に発売します。

今回のフルモデルチェンジにあたっては、使い勝手と燃費性能のさらなる向上と、より上質感のあるスタイリングを追求しました。

エンジンは、オフセットシリンダーの採用や、各部に低フリクション技術を採り入れた、空冷・4ストローク・OHC単気筒の「eSP(イーエスピー)」※1を搭載することで、57.9km/L※2(60km/h定地走行テスト値)という優れた燃費性能を実現。また、燃焼効率の向上により、最高出力値は従来モデルに対し約6%向上させた6.6kWを実現するなど、優れた燃費性能と力強い走りを両立しています。なお、停車時の燃料消費、騒音、排出ガスを抑止するアイドリングストップシステムを新たに採用しています。

車体・足回りは、フレームを新開発し、従来モデルに対して車両重量を3kg軽量化しています。また、ゆとりある走行に寄与する、大径14インチタイヤを継承しています。

スタイリングは、「スタンダードでありながら上質を兼ね備えた洗練のカタチ」をデザインテーマに掲げ、流麗かつ立体的な面構成としています。街で映える4種類のカラーバリエーションにより、スクーターのある楽しい生活を演出します。

※1 enhanced(強化された、価値を高める) Smart(洗練された、精密で高感度な) Power(動力、エンジン)の略で、低燃費技術やACGスターターなどの先進技術を採用し、環境性能と動力性能を高めたスクーター用エンジンの総称です
 ※2 国土交通省届出値

●販売計画台数(国内・年間)
7,000台
 
●メーカー希望小売価格
228,960円(消費税抜き本体価格 212,000円)
※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
 
=主な特長=
 
●原付二種スクータークラストップ※3の燃費性能を発揮する新開発エンジンeSP
さらなる燃費性能の向上を目指し、エンジンの低フリクション化を徹底的に追求しました。オフセットシリンダーの採用に加え、ロッカーアームのローラー部を小径化し、ミッション内部の軸受けに低フリクションベアリングを採用しています。さらに、燃焼効率の向上を目指して、吸気ポートの形状変更や高い着火性能のニッケルスパークプラグの採用なども行い、57.9km/L(60km/h定地走行テスト値)という優れた燃費性能を実現しています。また、最高出力値、最大トルク値の向上も図っています。最高出力値は、従来モデルの6.2kWから6.6kWに向上させながら、発生回転数を、8,250rpmから7,500rpmへと低く設定することで、低・中速を多用する市街地走行においてきびきびした走りを実現しています。
エンジンを始動させるスターターモーターと発電のためのACG(交流発電機)を一体化させた「ACGスターター」を新たに採用することで、静かなエンジン始動音にするとともに、アイドリングストップシステムによるエンジンの停止と始動を繰り返す際にも、スムーズな発進を可能としました。また、アイドリングストップシステムには、エンジン始動時のバッテリー電圧を検知するシステムを採用し、バッテリー電圧が低下している場合は、アイドリングストップ機能を停止して、バッテリー上がりの抑止に貢献します。
※3 Honda調べ。2015年2月27日現在
 
●軽量化を図った車体と足回り
フレームは、剛性を確保しながらパイプ構成を全面的に見直しました。車両重量は、従来モデルに対して3kgの軽量化を実現することで、燃費性能の向上と軽快なハンドリングに寄与しています。前・後タイヤは、大径の14インチサイズを継承。足元のフロアは、前端の幅を広くすることで自由度を高めるとともに、シート高を5mm低く設定することでゆったりとしたライディングポジションと、取り回しやすさに配慮しています。なお、Honda独自のコンビブレーキ(前・後輪連動ブレーキ)も引き続き装備しています。
 
●流麗で張りのあるスタイリング
スタイリングは、流麗で張りのあるボディーに一新しました。フロントウインカーは、シャープで大胆なデザインで、個性的なフロントビューを演出。フロントからサイド、リアに沿って流麗なボディー形状とすることで、スタンダードスクーターでありながら、上質で存在感のあるスタイリングとしています。
車体色は、エグザルテッドブルーメタリック、パールジャスミンホワイト、フォースシルバーメタリック、ポセイドンブラックメタリックの4種類のバリエーションとしています。
 
●使い勝手を考慮した充実の装備
・メインスイッチとハンドルロック機構を集約したシャッター付キーシリンダー
・ワンタッチでシートが開けられるシートオープンスイッチ
・シート下には18L※4容量のユーティリティースペースを確保
・フロントパネル左側のインナーポケットには、500mlのペットボトルが収納可能
・駐車時に便利なサイドスタンド
・Honda純正アクセサリーのトップボックスが容易に取り付けられるアルミ製リアキャリア
※4 Honda調べ

★主要諸元

車名型式 EBJ-JF58
Dio110
発売日 2015年3月6日
全長×全幅×全高(m) 1.870×0.690×1.085
軸距(m) 1.255
最低地上高(m) 0.130
シート高(m) 0.750
車両重量(kg) 100
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※5 57.9(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)
55.6(WMTCモード値 クラス1※6 1名乗車時)
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) 2.0
エンジン型式 JF58E
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
総排気量(cm3) 108
内径×行程(mm) 50.0×55.1
圧縮比 9.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 6.6[9]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 9.3[0.95]/5,500
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)
始動方式 セルフ式(キック式併設)
点火方式 フルトランジスター式バッテリー点火
潤滑油方式 圧送飛沫併用式
潤滑油容量(L) -
燃料タンク容量(L) 5.2
クラッチ形式 乾式多板シュー式
変速機形式 無段変速式(Vマチック)
変速比 2.520~0.820
キャスター(度) 26°30′
トレール(mm) 83
タイヤサイズ 80/90-14M/C 40P
90/90-14M/C 46P
ブレーキ形式 油圧式シングルディスク
機械式リーディングトレーリング
懸架方式 テレスコピック式
ユニットスイング式
フレーム形式 アンダーボーン

※5 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
 ※6 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果に基づいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます
 ※製造事業者/Honda Vietnam Co., Ltd. 製造国/ベトナム 輸入事業者/本田技研工業株式会社