11月は、持ち込み用マンガの取材を兼ね、今年最後のキャンプツーリングとして、鹿児島へ行き、ついでに福岡の実家に里帰りしてこよーかな……。なぁんて予定を立てていたのですが、色々と問題が起こってしまい、今回は残念ながらキャンセルすることにしました。
いや〜前から行きたかったんですよね、鹿児島県の「知覧」。ご存知の方も多いと思いますが、特攻隊の兵隊さんが飛び立って行かれた場所のひとつです。
現在のように腐りきった日本を見ていると、あの当時、御国を守るために亡くされた「命」とはいったい何だったんだろう……なんて、ワタシにはどうしても考えさせられてしまうのです。これが命を掛けて守った国なのか……と。
じゃあワタシ以外の、今の日本の人達はそれをどんな風に思っているのだろう……。なんてことをマンガで描いてみたくて取材したかったのですが……。
また来年にでも行くことにしますが、ちょっとだけ時間が空いたので、とりあえず伊豆へ行くことにしました(風水で南西が吉方と出てたので……)。
早朝から国道246号を飛ばし、沼津から伊豆半島に入ります。
伊豆は何回も来たことがあるし、そもそもワタシはただバイクでとろとろ走るだけで満足なので、観光地には一切立ち寄らずに国道136号を流します。
そして下田で安い干物定食のお昼を食べ、その後国道135号へ。
そのまま走っていたら、伊豆稲取の近くに、一度入ったことがある露天風呂が見えたので、寄っていくことにしました。
ここは海のすぐそばに建てられているんで、潮の香りをかぎながら温まることができるんです。
海岸へ降りていったら、5〜6人くらいのダイバーがいて焚き火を囲んで談笑していました。それ以外に何人かは前の海に潜っているみたいです。
軽く会釈をしてそこを通り過ぎ、風呂に入ると、客はワタシ一人。
ややぬるめのお湯でしたが、久しぶりに入る手足を伸ばせるお風呂。かなり長湯をし、気持ちよくしっかりと温まることが出来ました。
ところが風呂から出たら、さっきのダイバー達がなにやら騒いでいるんです。
どうやら誰かが溺れたらしく、海の中から人が引き上げられていました。見ると、それは中年の男性で、身動きもしていません。
リーダーらしき男の人が、あわてて心臓マッサージや人工呼吸をしているのですが、全く反応がないんです。
そのうち救急車が来たのですが、救急救命士の方が「心肺停止!!瞳孔反応無し!!」なんて叫んでいます。
ワタシは怖くなってその場を離れたのですが、あの方はその後どうなったのでしょうか? 救急措置によって助かっていればいいのですが……。
後日、ダイビングをやっている知人に聞いたら、ダイブ中に心臓麻痺なんかで亡くなる中年の方は結構多いそうです。
別にワタシ、変な宗教なんてやっているワケじゃないけど、なんか最近やたらと「死」のことについて考えちゃうんですよね(秋のせい? 歳のせい?)。
毎日繰り返される凶悪事件、相変わらず減らない飲酒運転による殺人、そして世界でもまれな、毎年3万人以上の自殺者がいる日本という国……。 「命」って何なんだろう? 青臭いガキのようなことを最近よく考えています。
命を捨てざる得なかった先人達のことを未来永劫和絶対忘れることなく、ワタシに与えられたこの命をしっかりと守って生きていかなければ……。
なんてことを考えさせられた、ちょっぴりブルーな旅になりました。
- ルリカミドリ
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