Hi-Compression Column

HERO`S Meeting Report

HERO‘S 大神 龍
HERO`S Meeting Report
年齢不詳
職業フリーライター
見た目と異なり性格は温厚で性質はその名の通りオオカミ気質。群れるのは嫌いだが集うのが大好きなバイク乗り。
時折、かかってこい!と人を挑発するも本当にかかってこられたら非常に困るといった矛盾した一面を持つ。おまけに自分の評価は自分がするものではないなどとえらそうな事を言いながら他人からの評価にまったく興味を示さないひねくれ者。
愛車はエイプ100、エイプ250、エイプ900。


雪中行軍!! 積雪1メートル、マイナス9度、禁断の雪中宴会”
(2011.2.21更新)※写真をクリックすると大きくなります。

オレ達はそれぞれに荷物を担いで膝辺りまで雪に埋もれながらキャンプサイトへの坂を登った。

ほんの数十メートルの坂なのに頂上がえらく遠く感じる。

まさしくリアル雪中行軍だ。全員が荷物を運び終わると一旦、おさまっていた天候が再び荒れ始めた。

そんな中、参加者達は1メートル近く降り積もった雪を踏み固めてテント設営を始める。

オレはと言うと休憩小屋に荷物を放り込み缶ビールをプシュッと。完全に電池切れである。

この時点ですでに氷点下であるにもかかわらずビールが超ウメェ。

これですっかりテントを立てる気が失せてしまいオレの小屋寝は決定した。

キャンプ組がテントを立て終える頃、さらにもう一人の勇者が(正確には愚者という)辿り着いた。

昨年、車の先発隊としてヨーイチくんとともにオレ達のサポートをしてくれたニシウくんだ。

今年ははるばる名古屋からバイクで自走しての参加だ。


公園の入り口からキャンプサイトまでは数十メートルのプチ雪山登山。これがなかなかにしんどい
公園の入り口からキャンプサイトまでは数十メートルのプチ雪山登山。これがなかなかにしんどい。
山の天気は変わりやすい。途中、一度はおさまったものの再び吹雪きに襲われる中、参加者はテント設営に精を出す。冬山登山で遭難する光景ってこんな感じなんだろうな
山の天気は変わりやすい。途中、一度はおさまったものの再び吹雪きに襲われる中、参加者はテント設営に精を出す。冬山登山で遭難する光景ってこんな感じなんだろうな。

それぞれが寝床を確保できた所でオレ達は乾杯した。

毎年の事だが焚き火台に炭を山盛り焚いて暖をとる。

昨年同様、炭の山はどんどん沈んでいく。

オレ達はお互いの労を労って食べまくり呑みまくった。

タカジンさんが持ち込んだ温度計はマイナス9度を指している。

後は凍死者が出ない事を祈りながら眠りにつくだけだ。


こんな所で冷やす必要があるのかって?一度、これと同じ事をやってみるといい。マジで喉がカラカラになりますから。
こんな所で冷やす必要があるのかって? 一度、これと同じ事をやってみるといい。マジで喉がカラカラになりますから。
テント設営も終わり、全員揃ったところで宴会スタート。ちなみにこれ、ウィンタースポーツのバカンスでも登山でもありませんから。キャンプツーリングです
テント設営も終わり、全員揃ったところで宴会スタート。ちなみにこれ、ウィンタースポーツのバカンスでも登山でもありませんから。キャンプツーリングです。

この状況にありながら妙に嬉しそうなタカジンさんと野中君。しかし腰を落ち着けて一息つくとさっきまで全く感じなかった寒さが猛烈に襲ってきた
この状況にありながら妙に嬉しそうなタカジンさんと野中君。しかし腰を落ち着けて一息つくとさっきまで全く感じなかった寒さが猛烈に襲ってきた。
昨年同様に焚き火台の炭はどんどん沈んでいき最後は掘り炬燵状態に。何もかもが凍りつく氷点下の世界での宴。面白いけど・・・ツライ!!
昨年同様に焚き火台の炭はどんどん沈んでいき最後は掘り炬燵状態に。何もかもが凍りつく氷点下の世界での宴。面白いけど・・・ツライ!!。

翌朝、オレ達は簡単な食事をしたのち撤収作業を始めた。

とりあえず全員、無事に目覚めたようだ。しかしここで問題が発生した。

タカジンさんのセローのバッテリーが上がってしまいエンジンを掛けることができなくなってしまったのだ。

押し掛けができるような路面はここにはない。

だが幸いな事に今回の参加車両のうちセローが4台。

色々と試行錯誤した結果、キックペダルのついているイシイちゃんのセローとバッテリーを交換してなんとかエンジンを掛けることができた。

そしていよいよ帰り道である。

来た道をそのまま戻るわけだが昨日、夕方から降った雪で来たときよりも路面はヒドイ状態になっている。

それでも帰りは下りが多いためスタックする心配は少ない。

注意すべきはそのスピード。コーナーなど時速30キロオーバーで命がけとなる。

慎重に足元の感触を探るようにギヤを選択し、アクセルを調節する。

なんとか国道まで出るとやはりその国道もすっかり様相が変わっていた。

車の轍でなんとか顔を覗かせていたアスファルトはほとんどが雪に覆われ、さらに悪い事には中途半端に踏み荒らされた雪がバリバリに凍っている

雪中行軍はまだまだ終わらない。

オレ達はひとまず温泉街に立ち寄り足湯に浸かって体を温めた。

帰り道、無事に温泉街まで辿り着いて足湯で身体を温める。この日の湯原は観光客の姿さえも見ることはなかった
帰り道、無事に温泉街まで辿り着いて足湯で身体を温める。この日の湯原は観光客の姿さえも見ることはなかった。

そしてすっかり息を吹き返し、調子付いたオレは駐車場から出る手前でコケた。

毎回、この時点でオレは本気で“もうやりたくねぇ”と思っちまう。なのに毎年懲りずに来てしまう。

潜在的な部分でオレはこの妙な達成感にハマッてしまっているんだろうか。

まぁ来年の事はわからないがとりあえず・・・今年はもう雪はエエわ。

そんな独り言をブツブツと呟きながらオレは残りの帰路を走った。

だが・・・そんなオレのささやかな願いはこの10日後、あっけなく無視される事となる。それも最悪の形で。


今年も色んなドラマがあった雪中行軍。来年もやるのか!?きっとやるんだろうなぁ。コイツらバカだし
今年も色んなドラマがあった雪中行軍。来年もやるのか!?きっとやるんだろうなぁ。コイツらバカだし

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