いよいよ開幕です!
2011年も折り返し地点が近くなってきました。恐ろしいことです。
3月11日の震災により、開幕間近だった国内のレースは2輪も4輪も延期になりました。
宮城県にあるスポーツランドSUGOのコースや周辺、栃木県のツインリンクもてぎにも震災の影響があり、なにより被災されたスタッフの方々の生活のほうが大切ですから仕方ないことです。
全日本ロードレース、全日本モトクロスはともに開幕から中止や延期の流れに。
レースが延期になり、暇になってしまったライダー達ですが、被災地の仲間の応援で物資を運んだり、義援金の呼びかけをしたりと、震災直後から活発に活動していました。
チームのトラックで、救援物資やガソリンの運搬をしたり、それぞれ声を掛け合って被災地に向かっていきました。
被災地には、レースでこれまでお世話になった人たち、レース仲間、その家族や友人がいます。仲間同士の助け合いの、絆の深さを感じました。
全日本ロードレースの選手会で義援金の募金活動も行われました。
「地震の報道をみて、何かすこしでも自分達に出来ることを」
と、ひとりでやるより、2輪レース界のみんなで協力すれば力になると、選手会長の辻本聡さんを筆頭に、加賀山就臣、亀谷長純、武田雄一、山口辰也、手島雄介、小林龍太、岩田悟、高橋巧、大久保光、浦本修充、(敬称略)ら、国内ロードレース界のそうそうたる面々がツナギを着て、3月25日はナップス幸浦店、26日は府中2りんかんにて呼びかけをしました。
「レースの関係者、ファン、被災された方、みんなどこかで繋がっている。同じ方向に向かってともに頑張っていかなければ」
レースが出来ない今、何かしたくて悩んで、ライダーが団結してひとつに向かって動き出し、土日で集まった義援金の総額は534,940円!
この活動は今後も各地で行われるそうです。
4輪ドライバーの脇阪寿一選手が立ち上げたSAVE JAPANには、多くの4輪2輪の選手や関係者が名乗りを上げています。
選手ゆかりの品のオークションでも多数の義援金が集まりました。
個人的には、脇阪選手はあまり知らない方なのですが、いち早い行動や呼びかけの上手さはすばらしかった。
4月28日の時点で義援金総額は45,797,283円。
また、モータースポーツにこだわる必要はなく、それぞれの地域ごとの活動グループに属したり、個々の人間として、自らの考えで行動して、結果的に日本がひとつになって同じ方向を向いていけばいいと思います。
復旧活動は長期にわたることだし、復興までの道のりはまだ遠く、以前のようにレース活動ができるのはしばらく先かもしれません。
FANの人たちも、少しの間足が遠のくかもしれません。
ですが、ライダー達プロスポーツ選手は、レース活動を通じて人々に感動や元気を与えるのが仕事です。
救援活動や募金活動を行ってる今も、いつでもレースが出来るようにトレーニングを続けています。
本当はレースがしたいけど、今は熱い気持ちをぐっと我慢しています。
そして、やっと今週、全日本ロードレースと全日本モトクロスが開幕を迎えることになりました。
全日本ロードレースは鈴鹿サーキットにてJSBクラスが開幕、海外レースから帰国した加賀山就臣の参戦に、昨年シリーズ戦を引退した伊藤真一選手のスポット参戦があります。
4輪のフォーミュラニッポンと併催です。
全日本モトクロスは広島の世羅町グリーンパーク弘楽園にて開催。
オフシーズンに海外トレーニングで鍛えた選手たちが勢ぞろいします!
みんな、はるばる時間と財布を割いてレース場に来てくれたFANの人たちを、感謝と最高のパフォーマンスで迎えられる日を楽しみにしています。
「見にきてよかった」と、なにか暖かい気持ちになってくれることを願って、サーキットでお待ちしてます!
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レースカメラマン
楠堂亜希
20代初期にてミスター・バイクに拾われ、好きなことをしているうちにレースカメラマンのポジションを与えられました。 モトクロス、ロードレースをこよなく愛し、愛溢れる写真で楽しさを伝えてまいります。
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