CB1100

原点回帰、ゆえの空冷4気筒


2007TMS CB1100F
2007年東京モーターショー参考出品車 CB1100F
2007TMS CB1100R
2007年東京モーターショー参考出品車 CB1100R
2009TMS CB1100
2009年東京モーターショー参考出品車 CB1100
2009TMSCB1100 custom
2009年東京モーターショー参考出品車 CB1100カスタマイジングコンセプト

 2007年の東京モーターショーに参考出品され、大きな話題を集めたCB1100FとR。当時は市販化前提ではなく(無論社内では検討されていたはず)あくまで参考出品というスタンスであったが、その完成度の高さから市販化への期待もまた大きかった。

 2009年のショーではレーシーなCB1100Rは登場しなかったが、市販予定車としてさらにブラッシュアップされた姿で登場した。

 その名はFが付かないシンプルな「CB1100」。ホンダがこのマシンに込めたCBへの原点回帰を端的に表している。

 東京モーターショーの会場で多くの関係者が口にした「バイク作りの原点に戻らなければ」という思いに行き着く。それこそが新型CBの全てと言っても過言ではない。

 メカニズム的には手の内にある技術をより洗練化させただけ、と言えないこともない。ボア×ストローク比やクランクの慣性マス、5速ミッションのギアレシオなどを「力強くゆったりとした走り」に合わせてセッティング。派手ばでしい項目はほとんど無い。

 とはいえ開発された今という時代を表す環境規制対応のフューエルインジェクション、PGM‐FI採用や、シリンダーヘッドのスパークプラグの取付部周りにオイルを循環させて燃焼室周りを積極的に冷却するシステムの採用など、裏方的ながらも最新技術は積極的に盛り込んでいることが分かる。

 オイルクーラーの採用、各シリンダーが独立するようにボア間に通風孔を設けるなど、空冷の弱点である冷却性能には相当気を遣っている。

 車体面もオーソドックスなダブルクレードルフレームにフロントテレスコピック、リアはスイングアームに2本サスと、徹底したレガシー・スペックだ。

 特徴というより新型CBの性格を表すのはホイールベースの数値だろう。CB1300よりも遙かに小さいのはもちろんだが、CB750よりもさらに5㎜も短いのだ。「取り回しやすい車体サイズ」を裏付ける数値だろう。

 2010年3月11日、アップハンドルのTypeⅠを先行発売。続いて6月4日からはセミアップのTypeⅡが追加設定された。共にABS仕様もラインナップされ、車体色はパールミルキーホワイト、ダークネスブラックメタリック、キャンディーグローリーレッドの3色をラインナップし、2タイプ、2仕様が現在も好評発売中だ。

 ちなみに2009年東京モーターショーに展示されていたカスタマイズコンセプトマシンは、後にHMJからキットパーツとして限定発売された。すでに売売しているが、再販を望む声も高い。


CB1100<TypeⅠ>ABS Special Edition

 Special Edition

アップハンドルのTypeⅠ ABSをベースにパールセインブルーの専用カラー、専用ストライプ、専用ロゴ、同色サイドカバーとシルバーのエンジン、前後ホイールとした2011年6月21日から8月10日までの受注期間限定モデルを7月21日に発売。1092,000円。


TypeⅠ

TypeⅠ
TypeⅠ
TypeⅠ
TypeⅠ
TypeⅠ

TypeⅡ

TypeⅡ
TypeⅡ
TypeⅡ
TypeⅡ
TypeⅡ

上の写真右側、キャンディーグローリーレッドがアップハンドルのTypeI。左側パールミルキーホワイトがセミアップハンドルのTypeⅡ(ABS仕様)。こうして並べてみるとハンドルの高さと、ライディングポジションの違いがわかりやすい。ライディングポジションの違いは、左の図版を見れば一目瞭然。セミアップハンドルのTypeIIの方がやや前傾気味になる。

ライポジ比較

空冷4気筒CBを新車で手に入れることができる喜び

TypeⅠは「アップライトでゆったりとしたライディングポジション」、セミアップハンドルを装着するTypeⅡは「スポーティーなライディングポジション」で、ハンドルグリップ部が30㎜低く、23㎜前方に、また幅も40㎜狭く設定。いわゆる握りこぶしひとつ分幅が狭く、低く、そして前に移動している。

TypeII、TypeI共にパールミルキーホワイト、ダークネスブラックメタリック、キャンディーグローリーレッドの各色と、ABS仕様車も設定されており、ハンドル以外の変更はないので、一見ではそれほど違いが解らない。あなたは果たしてどちらを選ぶのか。ホンダドリーム店で実際に跨って、大いに悩んでみてほしい。


CB1100 TypeⅠ<ABS>


CB1100 TypeⅠ


CB1100 TypeⅡ<ABS>


CB1100 TypeⅡ


■CB1100<Type I>(EBL-SC65)主要諸元●エンジン:空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ●ボア×ストローク:73.5㎜×67.2㎜●総排気量:1,140cm3●圧縮比:9.5●最高出力:65kW(88PS)/7,500rpm●最大トルク:92N・m(9.4㎏-m)/5,000rpm●燃料供給装置:PGM-FI●変速機:常時噛合式5段リターン●全長×全幅×全高:2,205×835<795>×1,130 <1,100>㎜●軸距離:1,490㎜●最低地上高:125㎜●シート高:765㎜●車両重量:243[247]㎏●燃費:27.0km/L(60㎞/h)●燃料タンク容量:14ℓ●キャスター/トレール:27°00′/114㎜●タイヤサイズ(前・後):110/80R18M/C 58V 140/70R18M/C 67V●車体色:パールミルキーホワイト、キャンディーグローリーレッド、ダークネスブラックメタリック●価格:997,500円[1,071,000円] ※ < >内はType II、[ ]内はABS仕様

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