W帯上


1968年3月 650-W1スペシャル(W1S)

ツインキャブモデルが国内にも

1968W1S
W1スペシャル(後期型)
1968W1S
W1スペシャル(前期型)

●エンジン型式:空冷4ストローク2気筒OHV2バルブ●総排気量(内径×行程):624cc(74×72.6mm)●最高出力:47ps/7000rpm●最大トルク:5.4kg-m/5500rpm●圧縮比:9.0●変速機:4速リターン●全長×全幅×全高:2135×865×1100mm●軸距離:1420mm●車両重量:220kg●燃料タンク容量:15L●タイヤ前・後:3.25-19・4.00-18●車体色:赤、青●発売当時価格:338,000円


 3月から国内向けに発売されたW1スペシャルはW1と同じ外装ながらフロント19インチ、キャブトンマフラー(当時のカワサキではこの呼び方をしていなかったようで取扱説明書には「ユニークな形状のマフラー」「単純な共鳴型マフラー」と書かれた。

 キャブトンとは「Come And Buy To Osaka Nakagawa」の略で、キャブトン・オートバイの発売元であった大阪の中川商店にちなむ)を装着した文字通りにスペシャルモデル。

 メーターはラバーマウントされたセパレート型に変更され、輸出専用のW1SSよりもエキパイが延長されて中低速域でのトルク感をアップしている。

 写真右はシート側面がホワイト、上面がブラックのツートーンタイプの初期型で、10月には写真左のようにブラックのタックロールシートに変更されよりW2SSに近くなった。

 販売期間が短かったホワイトシートの初期型は、少ないといわれている。

1967 W1P
W1の先祖であるK2は白バイとして採用され警視庁を初めとして全国に納車されていた。後継車のW1の白バイ仕様も製作され362台が生産されている。ツインキャブのW2SSベースのW2Pは約2000台と大量に生産され、国内ではあまり馴染みがないが、返還前の沖縄やフィリピンなど東南アジア諸国へ輸出された。また、黒塗りで風防を装備した公官庁仕様も少数生産された記録がある。

1968年 650-W2TT

大流行のスクランブラーもラインアップ

1968W2TT
W2TT(前期型)●撮影─楠堂亜希
1968W2TT
W2TT(後期型)●撮影─楠堂亜希

 当時大流行したのがアップマフラーを装着したスクランブラーと呼ばれた仕様。現代の視点で見るとモタードの元祖と言えるかもしれない。

 カワサキもSS(ストリートスクランブラー)シリーズとしてA1SS(250cc)、A7SS(350cc)、C2SS(116cc)、90SS(90cc)の2スト車がラインアップされていた。

 そのSSシリーズのトップモデルとしてW2SSをベースにブレスバー付ハンドル、左2本出しのアップマフラーを装着したモデルがW2TT。

 1969年の後期型(写真左)はタンク、ハンドル、サイレンサーなどが変更されている。

 W2TTは前期、後期型を合わせても約680台と少数が生産されたのみで、輸出専用で国内では発売されなかった。

 アップマフラーはオプションとして少数が日本でも販売された。逆に北米でオプションとしてダウンマフラー仕様が少数発売された。  


●エンジン型式:空冷4ストローク2気筒OHV2バルブ●総排気量(内径×行程):624cc(74×72.6mm)●最高出力:53ps/6500rpm●最大トルク:5.4kg-m/5500rpm●圧縮比:9.0●変速機:4速リターン●全長×全幅×全高:2115×880×1070mm●軸距離:1415mm●車両重量:220kg●燃料タンク容量:15L●タイヤ前・後:3.25-19・3.50-18●発売当時価格:輸出車



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