Yサーキットを涌かせた両雄が静かに語り合う
Yサーキットを涌かせた両雄が静かに語り合う

さて、今回の展示でもう一つ見逃せないのがホンダの協力によって実現したライバル展示だ。

「切磋琢磨~挑戦者たちの再開~」と題された特別展示には、1960年代から2000年代までの各年代におけるヤマハとホンダのライバルマシン、計10台が肩を並べて展示されている。

4ストロークと2ストロークが争った'60年代。ケニー・ロバーツとフレディ・スペンサーが争った'80年代。ウエイン・レイニーとミック・ドゥーハンが競った'90年代。そして、2002年から始まったモトGPのYZR-M1とRC211V、そして’90年代の250㏄クラスのライバルマシン、YZR250とNSR250も。

それぞれのマシンが並んだ姿からは当時の熱いバトルもよみがえってくるというものだ。

メーカーの枠を超えたこうした展示もそれぞれのアプローチの違いなどが見比べられて楽しい。

60年代
'60年代中盤から後半にかけ4スト6気筒、60ps/18000rpmの超高回転高出力で圧倒的な強さを誇ったホンダRC166(手前)に対抗すべく、軽量コンパクトな2ストV型4気筒のヤマハRD05Aが開発された。'67年ホンダ7勝、ヤマハ6勝の大接戦を繰り広げた。
80年代
1982年、ホンダは4ストNR500に見切りをつけ2ストV型3気筒のNS500(写真右は1984年のV3エンジン車NSのスペンサー用最終モデル)を投入。対するヤマハの’83年YZR500(OW70)は熟成されたV4エンジンにデルタボックスフレームで迎え撃つ。新興勢力vsベテランの真っ向勝負となった。
90年代
1994年のNSR500(写真右)はトラクションコントロールや電子制御サスペンションなど電子化を推進。1993年のYZR500(OWF2)は170psにまで高められていた。絶対王者のレイニーに若武者ドゥーハンが挑んだ'92年は最終戦までタイトル争い続いた。
00年代
主役が4ストに移行しMotoGPクラスとなった2002年、ヤマハは並列4気筒5バルブの初代YZR-M1(OWM1)を、ホンダはV型5気筒のRC211V投入した。4スト元年はRC211V+ロッシが11勝と圧倒的な強さを見せる中、YZR-M1が粘りを見せ2勝を挙げた。

パート3の展示はいよいよ12月28日まで。レースフォトグラファー、木引繁雄氏のレース写真展、そして、イラストレーター、柴田賢二氏のイラスト展示も内容を変えながら引き続き行なわれている。

嬉しいことにヤマハコミュニケーションプラザ入場は無料だし、まだまだ時間があるので是非、立ち寄られてみてはいかがだろう。

なお、ヤマハコミュニケーションプラザの開館日は下記ホームページで確認することを忘れずに。

http://www.yamaha-motor.co.jp/profile/cp/index.html


展示車両


クラス年式メーカー型式備考
GP250 1966-1967 HONDA RC166
GP250 1967-1968 YAMAHA RD05A
GP500 1983 YAMAHA YZR500(OW70)
GP500 1984 HONDA NS500
GP250 1990 YAMAHA YZR250(OWB9)
GP250 1991 HONDA NSR250
GP500 1993 YAMAHA YZR500(OWF2)
GP500 1994 HONDA NSR500
MotoGP 2002 YAMAHA YZR-M1(OWM1)
MotoGP 2002 HONDA RC211V
MotoGP 2003 YAMAHA YZR-M1(OWN3)
MotoGP 2005 YAMAHA YZR-M1(OWP4)
MotoGP 2006 YAMAHA YZR-M1(OWR3)
MotoGP 2007 YAMAHA YZR-M1(OWS4)
MotoGP 2008 YAMAHA YZR-M1(OWS5)
MotoGP 2009 YAMAHA YZR-M1(OWS8)
MotoGP 2010 YAMAHA YZR-M1(OWS9)
MotoGP 2011 YAMAHA YZR-M1(OWT1)
GP500 1980 YAMAHA 001Aエンジン 特別展示
MotoGP 2000 YAMAHA OW-M1テスト車 特別展示
MotoGP 2004 YAMAHA YZR-M1(OWP3) 特別展示
MotoGP 2010 YAMAHA YZR-M1(OWS9)エンジン 特別展示

おまけ

[前のページへ][世界グランプリへの挑戦 パート2へ ][目次へ ]