2019年3月5日

YZF-R25がよりYZR-M1イメージのスタイリングに変身して登場

YZF-R25/YZF-R25 ABS 599,400円/642,600円(3月28日発売)

多くのヤマハファン待望のニューモデルとしてYZF-R25が国内発売開始されたのは2014年12月。新設計のダイヤモンドタイプフレームに、249ccの排気量を持つ水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブエンジンを搭載しての登場だった。最高出力は、27kW(36PS)/12,000rpm、最大トルク23N・m(2.3kgf-m)/10,000rpmを発揮。蘇った250フルカウルスポーツクラスの最後発モデルとしてトップレベルの性能を誇っていた。

足回りでも600ccクラスに匹敵するφ41mmのインナーチューブを持つ剛性の高いフロントサスに、リアにはモノクロサスが組み合わされていた。それらはスペックを誇るための余分なクオリティとしてではなく、「必要にして十分な路面追従性と乗り心地を両立させるための採用」と説明されていた。

なによりも、YZF-Rシリーズ一族の血統を色濃く感じさせるスタイリングが秀逸で、“マスフォワードシルエット”を構成する逆スラントの2眼ヘッドランプや切れ上がったテールなど、YZF-RシリーズのDNAを色濃く持って開発されたニューモデルだった。

YZF-R25に兄貴分、YZF-R3 ABSが登場したのは2015年4月。車体は、YZF-R25とほぼ同一で、エンジンの基本構成も変わらず。YZF-R25のボア66.0mmに対して68.0mmへ拡大し(ストロークは44.1mmと変わらず)、余裕のパワーを生み出す排気量320ccとしている。最高出力は31kW(42PS)/10,750rpm、最大トルクは30N・m(3.0kgf・m)/9,000rpmにそれぞれアップ。メカニズム面での変更は、その他に6速ミッションの各ギア比を最適化したことと、足回り面でも、タイヤを同一サイズながら、対応スピードレンジを「S」からミシュラン製の「H」レンジタイヤへとグレードアップした程度。またYZF-R3では、ABSを標準装備するモデルのみのラインナップとなっていた。

このYZF-R3 ABSと弟分のYZF-R25/R25 ABSだが、車両本体価格で3万円しか違わない(ABSモデル比較)ので、リターンライダーの足慣らしや、初心者の入門スポーツモデルとしてメリットの多い軽二輪版のYZF-R25を取るか、それとも車検のある400クラスとなっても、より本気の走りを目指せるYZF-R3 ABSを取るか、ヤマハファンにとっては、“嬉しい悩み”だったことだろう。

2017年3月には、YZF-R3/YZF-R25シリーズ初のモデルチェンジを受け、3色のニューグラフィック&カラー設定が行われている。2018年1月発売の2018年モデルもカラー&グラフィックの変更のみでイヤーモデルとして登場していた。カラーは3モデルとも「ディープパープリッシュブルーメタリック C」、「ブラックメタリック X」、「ホワイトメタリック 6」の3色をラインナップ。

今回、2019年モデルとして登場したのは、よりYZR-M1のイメージを取り入れたデザインに変身したYZF-R25だった。LEDヘッドランプが組み合わされた新型のフロントカウルとスクリーン、乗りやすさとサーキットでの扱いやすさを両立させた新デザインのタンク周り、倒立式フロントサスの採用による快適でスポーティな走りにフィットするよう変更されたライディングポジションなどを特徴としている。メーター周りも視認性の高いフル液晶メーターが採用された。
 

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YZF-R25 ABS。「ディープパープリッシュブルーメタリック C」。カラー・バリエーションはYZF-R25と共通の3色。

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YZF-R25 ABS。「マットディープレッドメタリック 3」。

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YZF-R25 ABS。「マットブラック 2」。


 

★YAMAHA ニュースリリースより (2019年3月5日)

「YZF-R25/ABS」をマイナーチェンジ
若年層に人気のスーパースポーツ、レースマシンイメージの新デザインを採用

ヤマハ発動機株式会社は、水冷・4ストローク・DOHC・直列2気筒・4バルブ・249cm3エンジン搭載の「YZF-R25」およびABS装備の「YZF-R25 ABS」をマイナーチェンジし、3月28日より発売します。

「YZF-R25」「YZF-R25 ABS」は、スポーティーかつスタイリッシュなスタイリングと高い走行性能、日常での扱いやすさを調和させ、“毎日乗れるスーパーバイク”を具現化したモデルです。2014年の発売以来、20代を中心とした若年層のお客様に支持されています。

2019年モデルは、MotoGPマシン「YZR-M1」をシンボルとする新しいデザインを採用するとともに、定評ある走行性能に磨きをかけました。主な特徴は、1)エアロダイナミクスを追求したフロントカウルとスクリーン、2)乗りやすさとサーキットでの扱いやすさを両立した新デザインのタンク&タンクカバー、3)旋回時など良好な接地感に寄与する倒立式フロントサスペンション、4)快適でスポーティな走りにフィットするライディングポジション、5)視認性の高いフル液晶メーター、6)LEDヘッドランプ採用のフロントフェイスなどです。

なお、製造はグループ会社PT. Yamaha Indonesia Motor Manufacturing (YIMM)が行います。
 

<名称>
「YZF-R25」
「YZF-R25 ABS」
 
<発売日>
2019年3月28日
 
<メーカー希望小売価格>
599,400円(本体価格555,000円、消費税44,400円)
642,600円(本体価格595,000円、消費税47,600円)
※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録に伴う諸費用は含まれていません。
 
<カラーリング>
・ディープパープリッシュブルーメタリック C(ブルー)
・マットブラック 2(マットブラック)
・マットディープレッドメタリック(マットレッド)
 
<販売計画>
シリーズ合計 6,000台(年間、国内)
 
【主な特徴】
1)エアロダイナミクスを追求したフロントカウルとスクリーン
フロントカウルとスクリーンは、空力特性の向上を重点に置き開発しました。フロントカウルは、“クロスレイヤード・ウイング”と呼ぶ立体的な構造を持ち、走行風を後方に逃がすことで空気抵抗を低減しつつ効果的にエンジンを冷却する機能的なデザインを採用。さらにスクリーン形状は周りの空気を整流する効果があり、それぞれの優れた空力特性が空気抵抗によるライダーの負担を減らします。
 
2)乗りやすさとサーキットでの扱いやすさを両立した新デザインのタンク&タンクカバー
ハンドル位置を22mmタンクトップ位置を20mm下げ(従来比)、サーキットの直線で前傾姿勢を取りやすく、旋回時には高いニーグリップ性を発揮します。さらにタンクの左右最大幅は31.4mm広げており燃料の容量は従来同様14Lを確保しています。
 
3)旋回時など良好な接地感に寄与する倒立式フロントサスペンション
37mm径インナーチューブの倒立式フロントサスペンションを採用。倒立式のメリットである優れた剛性バランスを活かすために減衰力とバネレートの最適化を図り、旋回や制動時などでの良好なフロント接地感に繋げました。また減衰力発生機構は新たにカートリッジ式とし、伸側・圧側それぞれの最適化が可能となり、快適性とスポーツ性の良好なバランスを図っています。
 
4)快適でスポーティな走りにフィットするライディングポジション
ハンドルクラウン下にマウントしたセパレートハンドルは、スポーティなスタイリングでありながら日常の扱い易さと快適性に配慮しました。前モデルと同様にシートの高さを低く抑えたことで無理のないライディングポジションを実現し、ツーリング時のライダーの疲労感を緩和します。
 
5)視認性の高いフル液晶メーター
メーターは、新開発の視認性の高いフル液晶のディスプレイを採用。高精細なバーグラフタイプのタコメーターによりアクセルワークを視覚的にも楽しむことができます。また、スピードメーターや燃料計だけでなくシフトタイミングインジケーターなどの情報をマルチに表示し、視認性の高さとレーシングイメージを両立しています。
 
6)精悍なフロントフェイスを演出するLEDヘッドランプ
歴代Rシリーズと同様の二眼ヘッドランプにLEDを採用しました。フロントフェイスはLED二眼ヘッドランプと新造形をバランスさせて低い位置から睨みつける表情をもたせ、サーキットでの緊張感や走りへの闘志を表現しました。 さらに左右ヘッドランプの中央には「YZR-M1」のアイデンティティであるセンターダクトを採用しMotoGPマシン「YZR-M1」イメージを強調しています。

 

「YZF-R25/ABS」のフィーチャー(★新フィーチャー)
★視認性の高いLCDメーター
★クロスレイヤード・ウイング構造カウル
★エアロダイナミクスに基づくスクリーン
★LEDヘッドランプ、ポジションランプ
★冷却性に貢献するセンターエアダクト
★37mm径インナーチューブの倒立式フロントサスペンション
★ブラックアルマイト処理のトップキャップ
・アルミ鋳造10本スポークホイール
・前輪フローティングディスクブレーキ
・軽量鋼管製ダイヤモンドフレーム
・水冷4ストロークDOHC直列2気筒4バルブFIエンジン
・ショートマフラー
・冷却水配管のシンプル設計
★新デザインアルミ鋳造ハンドルクラウン
★ハザードランプ
★従来比22mmダウンのハンドル位置
★新デザインタンク&タンクカバー
・LEDテールランプ
・780mmのシート高
・モノクロスサスペンション
・ロングスイングアーム
 

 

★主要諸元

車名型式 2BK-RG43J
YZF-R25〈YZF-R25 ABS〉
発売日 2019年3月28日
全長×全幅×全高(m) 2.090×0.730×1.140
軸距(m) 1.380
最低地上高(m) 0.160
シート高(m) 0.780
車両重量(kg) 167〈170〉
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※1 37.7(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2
27.2(WMTCモード値 クラス3、サブクラス3-2 1名乗車時)※3
登坂能力(tanθ)
最小回転半径(m)
エンジン型式 G420E
水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 249
内径×行程(mm) 60.0×44.1
圧縮比 11.6
最高出力(kW[PS]/rpm) 26[35]/12,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 23[2.3]/10,000
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 T.C.I.(トランジスタ式)
潤滑油方式 ウェットサンプ
潤滑油容量(L) 2.4
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.666
2速 1.882
3速 1.454
4速 1.200
5速 1.037
6速 0.920
変速比 3.043/3.071
キャスター(度) 25°00′
トレール(mm) 95
タイヤサイズ 110/70-17M/C 54S
140/70-17M/C 66S
ブレーキ形式 油圧式シングルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム
フレーム形式 ダイヤモンド

※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
 ※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
 ※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※〈 〉内はYZF-R25 ABSの諸元です。