2017年6月5日

歴代カブ報道体験試乗会

「カブシリーズ間もなく生産累計1億台・その2 1960年スーパーカブC100」

●試乗・文:髙橋二朗
●撮影:富樫秀明

●取材協力:Honda・ホンダモーターサイクルジャパン http://www.honda.co.jp/motor/
      ホンダコレクションホール http://www.honda.co.jp/collection-hall/

その2 1960年スーパーカブC100「時代を風靡した初代モデル」

1960年 カブC100

1960年 カブC100

1960年 カブC100



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1960年 カブC100

1960年 カブC100

1960年 カブC100

1960年 カブC100

 4.5psを発揮する4ストロークエンジンに自動クラッチ、女性でも扱いやすいサイズにオートバイともスクーターとも違うデザインなど、当時としてはエポックメイキングなモデルとして登場、その後のホンダを世界のブランドにしたスーパーカブ第1号となったC100が生まれたのは1958年。そう、スーパーカブは来年、生誕60周年を迎えるのだ。現在のスーパーカブも基本はこのC100から継承されているのは言うまでもない。それだけ、C100の開発コンセプトは優れていたということに他ならない。

 試乗車は1960年生産モデル。C100も試乗は今回が初めて。“スーパーカブ”だけに、操作方法は今のモデルと基本的には同じなので特に身構えるようなことはない。跨り、走り始めてまず最初に、本田宗一郎さんがこだわった“手の内に入るもの”の意味が理解できた。確かに現在のモデルと比べると“華奢”な印象は否めず、動きや操作感に渋さのようなものを感じるが、コンパクトで軽く、60年前の乗り物にもかかわらず乗り味が優しい。OHVのエンジン&排気音も独特のものだった。

 他の人が試乗しているC100を見ていると、マフラーから煙りが。コレクションホールの技師の方に伺うと、あの煙りはオイルが燃えているもので、OHV時代のカブの“味”とのこと。ちなみに、この後に試乗するC50同様、ガソリンは現在のレギュラー、エンジンオイルはホンダ純正G1を使っているそうだ。

1960年 カブC100

50ccと言えば構造がシンプルな2ストロークが主流だった時代、コストはかかるが静粛性や経済性に優れる4ストローク・エンジンを採用。さらに自動遠心クラッチを採用するなど、誰にでもすぐに乗ることができるメカニズムを採用。


1960年 カブC100

当時の日本の劣悪な道路事情を考慮して採用された17インチというタイヤサイズはカブ登場以前に存在しなかった。


1960年 カブC100

テールエンドがすぼまったマフラーの形状もスーパーカブのアイデンティティ。1970年代後半まで継承された。


1960年 カブC100

機能美が満ちたハンドルまわり。右に配置され、縦操作となる独自のフラッシャースイッチは今もリトルカブに継承されている。


1960年 カブC100

OHV時代のスーパーカブのフロントマスクにはどこか柔らかみ、暖かみがある。ヘッドランプ上にはまだ当時は赤かったニュートラルランプが備わる。


1960年 カブC100

フラッシャーを標準装備するなど装備類が充実。今に比べるとリアキャリアのサイズは控えめで、自転車用のそれのよう。

●エンジン型式︰空冷4ストローク単気筒OHV2バルブ ●総排気量︰49cc ●内径×行程︰40×39mm ●最高出力︰4.5PS/9500rpm ●最大トルク︰0.33kg-m/8000rpm ●圧縮比:8.5 ●変速機︰自動遠心3速リターン ●全長×全幅×全高︰1780×575×945mm ●軸距離︰1180mm ●燃料タンク容量︰3L ●車両重量︰55kg(乾燥) ●タイヤ前・後︰2.25-17・2.25-17 ●車体色:マルエムブルー●発売当時価格︰55000円


[その1 1952年カブF型|その2 1960年C100|その3 1960年スポーツカブC110]
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