2017年10月5日

MBHCC D2 バソ 幻立喰・ソ 

第86回「ハチハチ・ソ」

幻立喰・ソ

 1988年、覚えていますか?
 平成キッズたちに、「まだ生まれてないんですけど〜」と言われてしまう、実質上昭和最後の年です。青函トンネル、瀬戸大橋が開通して四島の線路がつながり、東京ドーム開業、地方博覧会が花盛り。日本経済も絶好調で、バブルに向かってまっしぐら。2ストレプリカが頂点に達し、後に最強世代と言われました。今をときめくガッキーに浅田舞ちゃん、明日花キララさんなど私の好きな美しい女性たちが誕生した年でもあります。
 ポークチャップでおなじみ、北海道は砂川のていお〜の娘さんが大好きなトウカイテイオーも同期でしたね。

スーパーカブの30周年記念車

TDR250

1988年のバイクと言えば、みなさん何を思い浮かべるでしょうか? やはりNSRでしょうか。わたしは、スーパーカブの30周年記念車とTDR250です。どちらも甘酸っぱい思い出は……ありませんし、意味も特にありません。

 1988年に一冊の本が発刊されました。「セイシュンのB級グルメ」(文藝春秋刊)です。

 先日、古本屋の店頭で山積みされている1冊100円の文庫本をちらっと見たときに、ぱっと目が合ったのがこの本でした。
 相手は本です。本には目は付いていません。ですから、目が合うわけがありません。こちらが目線を合わせただけです。しかし、無造作に積まれている本を一瞬見ただけで気づいたのですから、なにかしら運命めいたものを感じたのです(大袈裟)。
 手に取ると表紙に記憶があり、なつかしさを観じつつ購入しました。100円ですから。ぱらぱらと中を見たのですが、表紙とは異なり記憶がない。読み進んでも思い出すどころか新着記事ばかりです。

 野球場特集から始まります。1発目が東京ドームなのは当たり前。今はどうかわかりませんが、開業当時は、日ハム戦でもチケット入手はたいへんだったとか。対照的にがらがらな、なつかしの川崎球場も出ています。
 次に現れたのは、なんと立喰・ソ特集!(と、大げさに驚くのは構成の都合上) 目をどんぶりにして読んだのですが、これもまったく読んだ記憶がございません。すべて新鮮です(とはいえ30年前の記事ですが)。でもだいじょうぶ(吉高由里子風)。先月の物忘れネタもう一回ではありませんから、ご安心ください。

セイシュンのB級グルメ

セイシュンのB級グルメ

表紙のタイトル部分のBはケチャップで、級グルメはデミグラスソースで書いたそうです。凝ってますね。裏表紙には、鳴り物入りでプロ入りしたカズシゲの姿も。ある意味B級を予言か??

 「立喰そば興奮感激大図鑑」は30ページにわたる大特集でした。主に山手線周辺の立喰・ソ30店をそこそこ詳細にレポート。しかもカラー写真の見開きが7つに、地図まで付いており、今や貴重な資料です。
 かつて、調子こいてえらそうに、第28回において、2000年に刊行された「旨い!立ち食いそば・うどん 東京・駅別大調査」が立喰・ソ本の原点みたいに、調子こいて書いていますが、12年も前にすでにこれは出ていたんですね……ごめんなさい。まあ一冊丸ごとじゃないし……そこらへんは解釈次第と言うことで、許してちょんまげ〜。

 懺悔終了。ですが、懺悔はさらに続きます。穴場的な立喰・ソ紹介ならともかく、山手線沿線なのに名前すら知らない立喰・ソが掲載されているではないですか。1988年、私はすでに社会人2年生。立喰・ソ帖は、まだ付けていないのですが立喰・ソ巡りをしていたはず。なのになぜ? いかにも知ったような顔で第28回に書いたように、立喰・ソのまとまった情報なんぞない時代でしたから、知らない立喰・ソがあっても不思議ではないのですが……にしてもねぇ。おか田の山椒を丸呑みしてしまったような、しかめ面の師匠が思い浮かびます。

さぬきや

あずみ

掲載店で幻立喰・ソになってしまったうち、何軒かは写真が残っていました。

 

 と、私のびっくりぎょうてんぶりをお伝えしただけで、終わる訳にもいきません。本題はこれからです。
 掲載された30店のうち、現在も盛業中の立喰・ソは、何軒あると思いますか? 
 これこそほんとにびっくりぎょうてん、なんと8軒です(※知らなかった立喰・ソが約半分もあったくらいですから、どこかに移転して盛業中の立喰・ソがあるかもしれませんが)。そのうち掲載当時の場所で、今も昔とかわらず(建て替えは除く)盛業中はたった5軒だけ(前記同様に〜のはず)。
 すでに30年近く経過しているのですから、変わらずに5軒も残っていること自体が、奇跡と考えるべきなのでしょうか。

グランドキッチンみかど

IKE麺KITCHEN

池袋駅にあったストマックのワンダーランド、伝説のすなっくらんどは1997年に閉店。後にちょっと移動して、面影を残したグランドキッチンみかどになりました(左 2006年撮影)。これも残念ながら2012年頃なくなってしまいました。しかし、池袋の三つ子の魂百まで。最近屋台集合型のIKE麺KITCHEN(右 2016年撮影)というお店になって復活していました。かつてのすてきな雰囲気は一掃されていますが。

 

 さらにびっくりぎょうてんしたのは、現在も盛業中の5軒のうち、今のいままで私が知らない立喰・ソが1軒あったことです。ほんとびっくりぎょうてん×3。情報化時代の昨今なのに……この30年間、私はいったいなにをやっていたんでしょうか? ああ、師匠に合わせる顔がない……
 ちなみに掲載されていたのは、以下の30店です。奇跡の1軒? どこだかわかりますか。
 
さぬきや(神田)、古市庵(秋葉原)、かめや(神田)、陣太鼓(飯田橋)、歌舞伎そば(東銀座)、あずみ(新橋)、そば柳(新橋)、むさしや(新橋)、おかめ(有楽町)、大和屋(浜松町)、大門(大門)、天成(赤坂)、いしい(西麻布)、常磐軒(品川)、コマそば(新宿)、一茶(新宿)、長寿庵(高田馬場)、利根(高田馬場)、宝そば(大久保)、二八そば(五反田)、道中そば(五反田)、与一(目黒)、二葉(渋谷)、信州屋(渋谷)、道中そば(代々木)、すなっくらんど(池袋)、君塚(池袋)、車(目白)、和作(中里)、奥多摩そば(立川)。

●立喰・ソNEWS 2017 
最後の地下鉄そばが

地下鉄そば。ストレートですてきな名前です。東京メトロの大手町、錦糸町、新木場、西船橋、池袋駅にある、めとろ庵とは違います。めとろ庵は、東京メトロ系列のメトロプロパティーズという会社の直営です。地下鉄そばは東京メトロ系列のメトロフーズサービスがやっていました。ちなみにめとろ庵も、かつてはメトロフーズサービスでしたが、現在は新会社のメトロプロパティーズに移管されました。という大人の事情はどうでもいいのですが、かつて門前仲町、東陽町にあった地下鉄そばが2017年に幻立喰・ソになり、最後まで残っていた方南町の地下鉄そばも2017年6月30日、残念ながら幻立喰・ソになってしまいました。前記2店とは雰囲気が全く違っていた方南町の地下鉄そば。系列店だったのか不明です。先日行ったら、すでに更地になっていました。小さなお店でしたが、更地になるとまさに猫の額。こんなでっかい猫はいねーよ、というツッコミもむなしい強者どもが夢の跡。東京メトロの社員さんと建築業者みたいな人がなにかやっていましたから、なにかしら出来るのでしょう。地下鉄そばが復活? は、ないでしょうか。またひとつ、個性的なお店が幻立喰・ソになってしまいました。どこかに移転して復活しているかもしれませんが、とりあえずお疲れさまでございました。

before

after

before(2005年)、after(2017年)。

 


[第85回|第86回|第87回]
[幻立喰・ソバックナンバー目次へ](※PC版に移動します)
[バックナンバー目次へ](※PC版に移動します)