2018年4月5日

MBHCC B-1 ブースカ 湯巡りみしゅら〜ん 

第58湯:静岡東部・中部湯巡りツーリング

第58湯:静岡東部・中部湯巡りツーリング

 2018年に入り、お正月にツーリング仲間と一緒に茨城方面に1泊2日のツーリングに出かけて以来、アームズマガジンの仕事が立て込んでいたのと、大雪が降るなど天候不順もあり、なかなかツーリングに出かけられなかった。そして気が付けば季節は春。外は桜が咲き始め、気温が上昇し、一気にツーリングシーズンに突入した。年度末の仕事も一段落したこともあり、日頃の疲れを癒すべく(温泉に入れないストレスを解消すべく?)、今年初の湯巡りツーリングに出かけることにした。

 行き先をどこにするかだが、気温が暖かくなったといえ山間部には雪が残り、朝晩は気温が下がり、日中との寒暖差がまだまだある。そうなると必然的に海沿いの暖かい地域を選ばざるをえない。山陰・山陽地方までちょっと足を延ばそうかと思ったが、行事が重なったため、週末を利用して出かけるしかなかった。考えた挙句、以前から行く機会を伺っていた静岡東部・中部方面に1泊2日で行ってみることにした。実はこの地域は2006年に2度訪れており、その際に入湯していない温泉がいくつかあり、さらに新しく出来た温泉もあったので訪れてみたかったのだ。東京から楽勝で日帰りできる範囲なのだが、せっかくなので御前崎で1泊してから帰ることにした。

 出発日が春休みの土曜日ということもあり、できるだけ渋滞を避けるべく午前7時30分に自宅を出発。中央自動道から圏央道を通り、途中給油で東名高速道路厚木ICで下車するというハプニングはあったものの、10分弱でリカバーし、東名高速道路を西に向けて走る。思っていたよりも車は少なくスムーズに進む。富士川SAに寄りたかったので、あえて東名高速道路を選び、富士川SAで一服。最初の目的地である静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」に向かうために、清水ICと新東名高速道路の清水いはらICのどちらで下車するか迷ったが、スマホのナビを信じて清水いはらICで下車することにした。

富士川食堂

往きの東名高速道路富士川SA内の「富士川食堂」の桜えび天そば(740円)を食べて腹ごしらえ。結局、この日は昼食抜きだった。

 清水いはらICに到着したのは10時ちょうど。ここからスマホのナビの導きに従って進もうとしたのだがいきなり迷ってしまい、勘を頼りに進もうとしたが、あたりは新道の建設ラッシュで、まったく方向感覚が掴めない。辺りをグルグル走っているうちに、何とか温泉に向かう県道75号線がわかり、10分ほどで静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」に到着した。駐車場にバイクを止めて、そそくさと建物に向かって入口を見たところ「3月22日(木)から3月31日(土)まで機械整備点検のため休館させていただきます!!」という張り紙が目に入ってきた。せっさくここまで来たのに…。休みが今日(31日)までと書いてあるので、それを信じて明日リベンジすることにした。

やませみの湯

最初に訪れた静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」には休業の張り紙が張られていた。幸いだったのは休みが今日(31日)までだったことだ。

 気を取り直して次の目的地である湯ノ島温泉「湯ノ島温泉浴場」に向かう。川沿いに咲く桜並木を見つつ、明日迷わないために県道75号線を戻りながらチェックポイントを確認し、国道1号線(バイパス)を静岡市方面に進む。静岡市に差し掛かったところで国道362号線に入って川根本町方面に進み、県道60号線沿いにある目的地に到着。静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」から約1時間30分ほどかかった。

吊り橋と桜並木

静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」から国道1号線に戻る県道75号線沿いにあった吊り橋と桜並木。この吊り橋が意外と揺れて怖かった…。

 湯ノ島温泉「湯ノ島温泉浴場」は静岡市葵区湯ノ島にある日帰り入浴施設である。辺りは山に囲まれており、のどかな場所だ。入湯料は500円。建物はそれほど大きくないが、天井は高く、落ち着いた雰囲気。内湯のみで、ややぬるめの源泉湯と、源泉を加温した湯の2種類の湯船がある。お湯はちょっと濁った硬めの味がするが、ぬるすべ系でのんびりできる。朝から走りっぱなしの身体がほぐれていく。静岡市清水西里温泉浴場 「やませみの湯」から真横に行ける道があれば時間の短縮になったが、こればかりは仕方ない。

湯ノ島温泉浴場

この日の第1湯となった湯ノ島温泉「湯ノ島温泉浴場」。鄙びた場所にあり、のんびりするには最適。源泉が楽しめるのもいい。

 とりあえず1湯目を終えたところで、時間は午後1時近くになっていた。2湯目の瀬戸谷温泉「ゆらく」は地図上ではそれほど離れていないが、県道なのでどうなるかわからない。県道60号線を戻っていったん国道362号線を川根本町方面に向かい、県道32号線に入る。ここからは舗装されているものの、車どうしではすれ違えないほどの道幅しかない荒れた路面が連続する林道となる。轍や大き目の落石に注意しながら進むこと1時間ほどで目的地である瀬戸谷温泉「ゆらく」に到着した。

 瀬戸谷温泉「ゆらく」は静岡県藤枝市本郷にある日帰り入浴施設だ。入湯料は510円。建物、浴室ともに広くて大きく、地元の方が大勢訪れていた。大きめの内風呂は無色透明の熱めのお湯と、人工炭酸泉のお湯が楽しめる湯船の2種類。無色透明のキシキシ系のさっぱりしたお湯だ。露天風呂は広く、お湯がまとわりつくようなやさしい肌触り。こちらも人工炭酸泉かもしれないが、内風呂とは異なる肌触りだった。館内は広々としており、ゆっくりくつろげる。

瀬戸谷温泉

湯ノ島温泉「湯ノ島温泉浴場」から林道を抜けた先にあった瀬戸谷温泉「ゆらく」。人工炭酸泉のお湯が楽しめる湯船が用意されている。

 ようやく2湯目を終えたところで時間は午後2時30分を過ぎていた。今日は現地に1泊するので、あと2湯は入っておきたい。目指す3湯目は田代の郷温泉「伊太和里の湯」。県道32号線を藤枝市方面に走り、県道81号線に入って島田市方面に向かったところに目的地があった。

 田代の郷温泉「伊太和里の湯」は静岡県島田市伊太にある日帰り入浴施設だ。先ほどの瀬戸谷温泉「ゆらく」もそうだったが、ここも建物が新しくてキレイ。広々としていて木材がふんだんに使われている。入湯料は510円。建物同様に浴室も天井が高くて広い。森林の湯と満天の湯があり、この日の男性は森林の湯だった。内風呂は熱めのお湯の湯船と、ぬるめのお湯が注がれている湯船の2種類。お湯はちょっと濁っており、ぬるすべ感があって気持ちいい。露天風呂は浴槽水に空気を混ぜて発泡し、白濁させたシルク風呂や人口炭酸泉などのお湯が注がれている。内風呂をメインに入ったが、ぬるめのお湯が気持ちよかった。

伊太和里の湯

最近開館したと思われるキレイな田代の郷温泉「伊太和里の湯」。ユニークな露天風呂が特徴。ここも入湯料が510円だった。

 田代の郷温泉「伊太和里の湯」に入ったところで時間は午後4時を回っていた。まだまだ外は明るいが、あと1湯入ってから御前崎にあるビジネスホテルに向かうことにした。4湯目に選んだのは、田代の郷温泉「伊太和里の湯」から宿に向かう途中にあるさがら天然温泉「子生れ温泉」。ここからはスマホのナビを頼りに進んでいったので、実はどの国道、県道を通ったのかわからないのだが(複雑なルートだったので覚えられなかった…)、牧之原台地に広がる茶畑の中を進んでいった。

 さがら天然温泉「子生れ温泉」は静岡県牧之原市西萩間にある日帰り入浴施設だ。入湯料は550円。ここも最近出来たのか館内は新しく、広くてキレイ。夕方ということもあり地元の方で賑わっていた。浴室も天井が高く、開放感がある。内風呂は源泉かけ流しの湯船と、源泉を加温した湯船がある。お湯はやや緑がかっていて、ちょっと塩気がある、優しい肌触りだ。露天風呂はそれほど広くはないが、熱めの源泉が注がれている。今日入湯した4湯すべて500円台となっており、施設内容や温泉の成分からするとリーズナブルな感じがした。なかなかこの地域の温泉も侮れない。

子生れ温泉

近接にある大興寺の初代住職を祀った墓石(子生れ石)がその名の由来となっているさがら天然温泉「子生れ温泉」。ここも源泉が楽しめる湯船が用意されている。

 さがら天然温泉「子生れ温泉」に入湯したところで時間は午後5時30分を過ぎていた。今日の湯巡りはこれにて終了。以前なら日帰りだったが、今回は身体を休めたかったので、御前崎にあるビジネスホテルに宿泊した。今朝訪れた静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」が翌日から再開ということを考えると正解だったかもしれない。この夜はホテル近くで夕食を摂り、ホテル内にある大浴場に入って早々に寝た。

茶畑

宿に向かう途中にあった牧之原台地に広がる茶畑。どこも見事に植栽されており、美味しいお茶であることが想像できる。

五味八珍

昼食抜きだったので、夕食は「五味八珍」という中華ファミリーレストランで浜松餃子とらーめんのセット(993円)をいただく。浜松餃子は初めて食べたが美味しかった。

 翌朝、天気は快晴。朝風呂に入り、バイキング形式の朝食で胃を満たして午前8時30分にホテルを出発。本日の第1湯目に決めた森の都温泉「ならここの湯」までは御前崎から1時間ほどかかるので、浜岡砂丘と御前崎灯台を見学。浜岡砂丘は鳥取砂丘に比べると広くはないが、その様相はまさに砂丘だった。御前崎灯台は12年前にも訪れており、灯台の上からの眺めは最高だが風が強く、外に出るとちょっと怖かった。

御前崎ルートイン

宿泊先は御前崎ルートイン。ルートインは大浴場が併設されているのが嬉しい(ただし場所によっては大浴場が併設されていないところもある)。

 浜岡砂丘と御前崎灯台を見学した後、国道150号線から国道1号線をしばらく進み、県道39号線を通って1時間30分ほどかけて目的地である森の都温泉 「ならここの湯」に到着した。森の都温泉「ならここの湯」は静岡県掛川市居尻にあるキャンプ場「ならここの里」に併設されている日帰り入浴施設だ。辺りは山桜がたくさん咲いており、多くの花見客が訪れていた。入湯料は510円。内風呂はそれほど広くないが、浴室の天井は高いので開放感はある。適温のお湯は無色透明、ぬるすべ系で優しい肌触りで気持ちいい。周囲の山を見渡せる露天風呂に入っていると、つい長湯したくなってしまう。

浜岡砂丘

御前崎にある浜岡砂丘。これはホンの一部で、左右に砂丘が広がっている。それにしても砂の上は実に歩きにくい…。

御前崎灯台

2006年にも訪れた御前崎灯台。灯台の上からは周囲が一望できる。なかなかの絶景だが、風が強いと外に出るのが怖い。

ならここの

キャンプ場に併設されている森の都温泉「ならここの湯」。ここも山に囲まれており、長閑な場所で、のんびりするには最高の環境。

 森の都温泉「ならここの湯」を出た後、近くで桜並木を撮影してから、いよいよ昨日のリベンジのために静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」に向かった。県道39号線を戻り、国道1号線(バイパス)を清水市方面に向けて走る。第1チェックポイントである県道75号線に入り、昨日の記憶を頼りに進み、迷うことなく静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」に到着。森の都温泉「ならここの湯」からここまで1時間40分ほどかかった。もし静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」に向かわれる方は、途中から県道の表示がなくなり、また工事により道路が複雑に変わっている可能性があるので、スマホのナビを活用することをお薦めする。

桜並木

森の都温泉「ならここの湯」の近くには見事な桜並木があった。山桜のなんとも言えない淡い色合いにしばし見とれてしまった。

 静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」は静岡県静岡市清水区西里にある日帰り入浴施設だ。入湯料は700円。山に囲まれた閑静な場所にある。入口を見ると張り紙はなく、営業しているようだ。無事リベンジ成功。ここまで来てやってなかったらどうしようかと思ったが、営業していてホッとした。内風呂は1種類のみ。適温のお湯は無色透明でちょっとキシキシ系。露天風呂は3つあり、いちばん奥が竹炭入りのお湯だった。地元の方が多く、昨日も閉館中ということを知らない方が多く訪れていた。

やませみの湯

リベンジに成功した静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」。もし張り紙がしてあったらどうしようかと思ったが、そんなことはなかった。

 これで1泊2日の湯巡りツーリングは終了。合計で6湯入った。両日とも天気が良く、今年初の湯巡りとしては満足だった。実は今回、スマホのナビを初めて実戦投入したのだが、なかなか使い勝手が良かった。いくつかの課題も浮き彫りになったが、今後も活用していくことになるだろう。
 次はいよいよバイクで行ったことのない山陰・山陽地方に大遠征したいところだが、久しぶりに東北地方にも行きたい。う〜ん、悩ましいところだ…。


静岡市清水西里温泉浴場「やませみの湯」

★★★★★

長閑な山あいにある良質な温泉。


湯ノ島温泉「湯ノ島温泉浴場」

★★★★★

ややぬるめの源泉湯は時間が経つのを忘れる。


瀬戸谷温泉「ゆらく」

★★★★★

源泉と人工の炭酸泉も楽しめる広々とした温泉。


田代の郷温泉「伊太和里の湯」

★★★★★

つい長湯したくなるぬるすべ感のあるお湯。


さがら天然温泉「子生れ温泉」

★★★★★

リーズナブルな価格で良質なお湯が楽しめる。


森の都温泉「ならここの湯」

★★★★★

静かな山あいにある地元の方に愛される温泉。

毛野ブースカ

月刊アームズマガジン』の編集ライター。バイクに乗り始めてから温泉が好きになり、現在までの温泉踏破数は767湯。湯巡りツーリングの相棒はホンダ・400X。ちなみにマイカーはスズキのエスクードだ。

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