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- 全長2,525mm×全幅930mm×全高1,455mm、ホイールベース1,630mm、最低地上高125mm、加重時シート高699mm、車両重量413kg、Twin Cam103エンジン、ボア98.4mm×ストローク111.1mm、圧縮比9.7:1、1,689cm3、最大トルク126Nm/3,500rpm、6速リターン、燃料タンク容量22.7L、タイヤF 130/80B17M/C65H、R 180/65B16M/C81H。
すべてにおいて「余裕」
どこ吹く風の安定感
ツーリングファミリーの2011年、新型モデル、FLTRU103 ROAD GLIDE ULTRA。ウルトラだよウルトラ。M78星雲でも、ニューヨークを目指すわけではないウルトラ。ハーレーの中で最高峰のモデルってことでしょ。ハーレー初心者のボクでも判る。4スピーカーのオーディオなどとにかく装備の豪華なこと豪華なこと。エンジンは、ツインカム103(1689cc)を積んでいる。
自分のバイク人生(仕事も含む)においてほとんど乗ったことがないハーレーである。乗る前の気分は、サガルマータを目の前にしたエドモンド・ヒラリーのよう。大きさに圧倒されながらも征服してやるという決意。
意を決して跨って、エンジンをかけようとするが、キーはどこ? 右みて、左みて、キョロキョロ。あれぇ? トップブリッジの真ん中上にある、お風呂のカランのようなものを回すなんて気づくまで数分。どうもベースキャンプを出たところで石につまずいたエドモンドであった……。
征服できるのか。それが、それが、動き出すと、なんと従順なバイクだろうか。エドモンドは立ち直った。エンジンは、スロットルを開けていけば、この車重を軽々と加速させる。トルクの出方が穏やかで力強いので気兼ねなくスロットルを絞れた。極低速からのスロットルワークでも神経質になることはなく、扱いは容易。全てにおいて「余裕」という言葉が似合うエンジンだ。
だから乗る前は恐れていたUターンもお茶の子さいさい。ハンドル切れ角は充分で、極低速でも舵が重く入っていくことはない。バンク角もあるから、2車線分の幅もあれば楽々に転回できてしまった。タンデムでもやってみたが問題ない。倒してしまう恐れを感じさせない。
少々飛ばして走ってみても、前後のブレーキはとても考慮されたもので、この大きな体躯を軽々と減速させ、タッチもいい。
バンク角があるから、スピードを乗せたままコーナーに入って、ステップボードを地面と接地させてしまっても、どこ吹く風の安定感。楽しく走れた。ハンドリングにネガティブなクセはほとんどなかった。
今回、試乗したモデルの中で、個人的にはこのFLTRU103がいちばん気に入った。バイクとしての完成度が高い。立派なシートということもあって、乗り心地はソフトで快適。これならず~っと遠くまで快適に走れそう。なるほど、ツーリングファミリーというのは伊達じゃない。
ただ、下っているところに前向きに止めたら、後側へ押し出すのは大変だろうなぁ。
初心者から誰でも乗れるとは言わないが、ある程度経験を積んだライダーだったら、だだっ広い大陸的な道だけでなく、日本のせせこましい道でも自由自在に使えるだろう。
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