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第74回『図柄入りナンバープレート』

 原付ではすでにおなじみの“ご当地ナンバープレート”。このようにナンバープレートにデザインを加えた新しいタイプのナンバープレートが自動車にも採用されることになったという話題を。
 国土交通省が、昨年の暮れも押し詰まった12月28日に、『自動車のナンバープレートや検査標章が変わります。~道路運送車両法施行規則等の一部改正について~』というリリースを発表した(同日付で図柄入りナンバープレートの導入、検査標章のデザイン変更等を行うための省令が交付されている)。
 
 それによれば、自動車のナンバープレートでもデザインされた図柄が取り入れられた新しいナンバープレートが選択できるようにする、という発表でした。それもなんと、今年の4月から交付が開始されるという内容でした。
 
 リリースによれば「ラグビーワールドカップ2019や東京オリンピック・パラリンピック開催にちなんだデザインのプレートなどを用意し、大会の機運醸成、地域振興を推進します」とこのと。
 ただし、原付のように市区町村ごとに“ご当地デサイン”が取り入れられるわけではなく、また、形状も楕円形とか、雲形などとユニークなプレート形状も登場している原付用のように独自形状が許されているわけでもない。あくまで形状は現在の四角いプレートのままで、白地の部分に“官製”のデザイン図柄(公募されるらしい)が入るのみと、ちょっと物足りないプレートになってしまうのは致し方ないか。名称も“図柄入りナンバープレート”と呼ばれることに。
 
 それとはまた別に、“希望ナンバー制度”の導入以降、人気の数字が並ぶプレートなど、一部でナンバーが足りなくなってきていることに対処するため、現在三桁で表示されている車両の種類を表す“分類番号”部分にローマ字が併用されるようになるという。
 数字は1~0の10種しかないが、ローマ字ならA~Zと26種と一気に増えることになる(一部「I」や「O」といった数字と紛らわしいものは使用されないらしいが)。
 
 また、クルマのフロントガラスに貼り付ける“検査標章”が、見やすさを向上させるため、従来の3×3cmから4×4cmに拡大され、また背景の色を薄くすることにより、数字を見やすくした新検査標章にデザインも変更されるという。ナンバープレートに貼り付けることになっている自動二輪はスペースがちょっと厳しいかも。早くも出回り始めたので実物を見る機会があったが、けっこうギリギリの感じだった。
 
「自動車保有関係手続の合理化」というのも発表されたが、日頃の生活関連としてはこちらの方が重要かもしれない。
 というのも、自動車関連手続きの申請者負担を軽減するために、オンライン申請の対象手続を拡大するワンストップサービス(OSS)を推進するということで、現行の新車の新規手続以外に、継続検査、変更・移転登録等へ対象手続を拡大する、というのが盛り込まれている。登録や検査手続の際に必要な申請書も、窓口まで行っての購入ではなく、自らパソコンでダウンロード、印刷して使用が可能になるよう様式を明確化するという。
 
 ちなみにこれらの道路運送車両法施行規則等の一部改正は、分類番号へのローマ字の導入、検査標章のデザイン変更、申請書様式等の明確化は、平成29年1月1日から、図柄入りナンバープレートの導入、ワンストップサービス(OSS)の推進は、平成29年4月1日から施行されることになっている。

***********以下国交省のリリース**************
 
     自動車のナンバープレートや検査標章が変わります。
     ~道路運送車両法施行規則等の一部改正について~
 
                           平成28年12月28日
 
図柄入りナンバープレートの導入、検査標章のデザイン変更等を行うための省令が本日公布されました。
これにより、今後、ナンバープレートの多角的な活用や、検査標章の見やすさ向上による無車検運行の防止等を推進していきます。
 
1.ナンバープレートの多角的活用等
 
(1)図柄入りナンバープレートの導入
 
20161228_01.jpg
 
自動車のナンバープレートについて、背景に図柄を入れたものも交付できるようにします。
 
これにより今後、ラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様のもの等を交付し、大会の機運醸成、地域振興を推進します。
 
(2)分類番号へのローマ字の導入
 
20161228_03.jpg
 
希望番号の普及に伴いナンバープレートの番号が枯渇しつつあることから、自動車の種別及び用途による分類を表示する分類番号にローマ字を追加することとします。
 
2.検査標章のデザイン変更
 
20161228_02.jpg
 
フロントガラスの中央上部に貼り付けている検査標章の見やすさを向上させるため、シールサイズ、文字の配置等を見直します。
 
3.自動車保有関係手続の合理化
 
(1)ワンストップサービス(OSS)の推進
 
20161228_04.jpg
 
自動車関係手続の申請者負担を軽減するため、オンライン申請の対象手続を拡大します。
 
(2)申請書様式等の明確化
自動車の登録・検査手続の際に必要となる申請書について、窓口での購入ではなく、申請者が自らパソコン等により印刷して使用できるよう、様式等を定めます。
 
4.施行日
 
平成29年1月1日
○分類番号へのローマ字の導入
○検査標章のデザイン変更
○申請書様式等の明確化
 
平成29年4月1日
○図柄入りナンバープレートの導入
○OSSの推進
 
***********以上国交省のリリース**************

“図柄入りナンバープレート”だけじゃなく、クルマや二輪でも“ご当地ナンバープレート”を導入しませんか。州ごとに独自のナンバープレートを導入しているアメリカなどを参考に、各都道府県ごとの独自ナンバープレートから始めてみては。他県ナンバーに気が付きやすくなり、犯罪防止などにも役立つはず。
 
 ちなみに原付の“ご当地ナンバープレート”は、日経研さんという所の調査によれば、2016年10月4日現在、全国ですでに441市区町村もが導入しているそうです。この日経研さんのWEBサイトが楽しいですよ。なんと、その441件すべてのナンバープレートが見られるページがあるのです。勝手に紹介させていただいているだけなので、ネット検索で「日経研 ご当地プレート」で検索してください。すぐにたどり着けるはず。
 
(小宮山幸雄)
 


小宮山幸雄小宮山幸雄

“雪ヶ谷時代”からMr.BIKEにかかわってきた団塊ライダー。本人いわく「ただ、だらだらとやって来ただけ…」。エンジンが付く乗り物なら、クルマ、バイクから軽飛行機、モーターボートとなんでも、の乗り物好き。「霞ヶ関」じゃない本物!?の「日本の埋蔵金」サイトを主宰する同姓同名人物は、“閼伽の本人”。 


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