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東本昌平さんの「雨はこれから」が好きだ。 10代の頃、『自分のやりたい事を見つけなさい』と言われたものだが、未だに何をやりたいのかわからないでいる。 自分がやってみたい事は そのうちどっかに出るだろう 私は懸命に生きてきた ごめんなさい。いっぱい引用してしまった。 20代前半の頃、「いつかはパリダカ」とか「まずはバハ1000に挑戦!」とか言ってオフロードにハマっていたけれど、その当時ですらこれでは生活できないと思っていたし、結局いつしかオフ車からも離れてしまった。 バイクが好きである事はずっと続いているけれど、今やほんのささやかな趣味であって生活全体を支えてる訳ではない。 しかしながら最近気が付いたことがある。 何も考えずにただただ闇雲(やみくも)に走り続ける事の何とシアワセな事よ。 友人とツーリングやキャンプに出かけたりすることの楽しさよ。 オイルやブレーキパッドの交換など、消耗品の交換程度のメンテでも、まるで自分が整備士になったかのような達成感よ。 草エンデューロレースに参加するワクワク感よ。 そんなバイクにまつわる楽しさをつらつらと考えていると、もっともっとバイクに関わるいろいろな事をやってみたくなる。 いっそ今からバイク屋開こうか? そう、何事もみんな大変なのである。 ずいぶんと前に、とあるヒトに「あなたはバイクにさえ乗り続けていられればそれでシアワセな人生なんだよね」と言われたことがあって、「なるほどそうかもしれない」とヘンに納得した事があった。 一日好きなだけ走って、行く先々で土地の物でも食べられ、良い温泉にでも入れれば、それはもう最良の一日を授かったと思えてしまう。 達成感も履歴も報酬も得られることなど無い完全に自己満足だけの世界だけれど、僕にとっては他に代えがたい本当に楽しい行為だ。 そうか、ひょっとしたら既に僕はもう、望むべき環境を手に入れているのかも知れないな。 背伸びをせず、自分の置かれた環境をもう一度見廻してみて立ち位置を確認する。 |
タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が……
[第32回|第33回|]
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