ふつーのおとーさんのバイクライフ シーズン2

「今年のほーふ」

 あっという間に2014年になってしまった。
 あけましておめでとうございます。
 今年も(今年こそ)皆さんにとって良い年になりますように。
 な~んて書いてますが実はまだ12月です。でもまあ、新年気分で続けます、ね。

 やっぱり新年はいろいろな希望に満ちていて、「今年は」とか「今年こそ」がそこらじゅうに溢れてる。いいね、そんなの。
 若ければ若い程「ああしたい。ああなりたい」という夢の可能性に向けて挑戦できるんだよなあ。いいよねそれも。
 残念ながらおじさんになってしまうと色々な可能性が失われてしまっていて、夢と言いながらかなり現実的なコトしか目標に掲げられなくなってしまい、まあいいやささやかな夢を持って2014年を過ごしていこうかな、などと思っております。

 さて、バイク関係での今年の夢っちゅーか目標は、ホントにささやかなんだけど、今年はちっちゃなテント持ってキャンプツーリングに行きたいなあ、というコトでしょうか。
 一泊のささやかなキャンプを何回かやりたいなあ。オオゲサなキャンプ道具なんかは大変だから、お湯だけ沸かせる道具も持って。それさえあればカップ麺だってなんだって食べられるし、それさえジャマならコンビニで買って持っていってもいい。大切なのは星の下で眠ること。
 誰とも話せない、又はごく少人数の仲間しかいない環境に身を置いてみたい。やっぱりヒトは時にはネットワークもシステムもない場所で過ごしてみるべきなんだろーと痛切に思う今日この頃なのです。

 キャンプツーリング素人さんの僕としては、多少暖かくならないと実行は困難そうなので、これはGW以降の大目標に置くとして、取りあえずは冬のツーリングに行くことを目標にしよう。
 山は凍結がヤバイから、暖かい海辺を走ろう。

 冬の朝の出発は少しくらい寒い方がいい。
 ピーンと張り詰めて冷たい空気が今日1日のささやかな冒険のスタートを祝福してくれるように思えるから。いや、ひょっとしたら「甘くはないぞ」と叱咤してくれているのかもしれないが。
 冬の旅は1人がいい。
 誰も話す人がいなくてさびしいと感じる位が良い。
 昔読んだ片岡義男さんの文章に、「人と話をしたい。でももう少し1人でいたい」という言葉があった。
 晩秋の夕暮れ時の孤独なバイク乗りの言葉だったと記憶している。
 以来、孤独を携えてその孤独を楽しむようなバイク旅を欲している。

 好むと好まざるに関わらず、僕達は21世紀に住む現代人だ。特にこの平和でなんでもある恵まれたニッポンに生まれた僕達は、ある意味もうユルユルの生活を続けているに違いない。
 いつも誰かと繋がっている。孤独はない。
でも何か中途半端に寂しい。
 都会は便利で快適だ。お金さえあればなんでも欲しいものは手に入る。でも欲しいもの自身が見当たらなくなってきている。

 別に冬のツーリングをしたからと言って大層な悟りを開けるなんては思っちゃいないけど、でも何か日常じゃない処へ自分を置いてやりたい。
 だって日常が余りに忙しくて騒がしくて、それでいて平坦で代わり映えのしないヘンテコな世界で、そのままどっぷりと漬かっているとちょっと取り返しのつかないコトになってしまいそうな気がするから。
 日常に流されたまま、全てが中途半端に居心地の良い場所に身を置き続けていると、なんだか自分が生まれた時も最後も1人なんだというとても当り前のことさえ忘れそうになってしまう。
 だから孤独の寂しさや人恋しさを感じに行こう。バイクだけを道連れにただひたすらに走ろう。走った先には何もないかもしれないけれどそれでもまた走り続けよう。

 はは、そんな大層な思いがあった訳じゃないけど、これが僕の今年の目標です。

 よ~し、キャンプツーリングに向けて、かっこいいテント買うぞ~、とかバイクにパニアケース付けるかなー、などと物欲全開になってはいけませんね~。


タカヤスチハル
タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が…… 

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