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2013年8月18日
ハンドリングが良いって、なんだ??
- Noah Sellen @ 3:09 PM
「あのバイクはハンドリングがピカイチ」とか言われたり、BG的旧車の中では「あのバイクのハンドリングは過渡期で褒められたもんじゃない」とか言われたりするけど、それって一体どういうことなんだろう。
ハンドリングが良いといわれるバイクに何があるかな。
誰かが「ホンダのスパーダは250ccで一番ハンドリングが良い」と言っていたような気がするけど、個人的にはZZR250の方がいいと思うな。
「ヤマハハンドリング」なんていう言葉があって、代々ヤマハ車はハンドリングが「良い」とされてきた。
反対に、ちょっと前の特集で取り上げたZ1-Rなんかは、ハンドリングが良くないバイクとして取り上げられることが多い。だからこそ1型と2型を乗り比べて、ハンドリングの違いって何だ? とやったわけだけど、いまいち読者からの反応は薄かったように思う。作った方は大変興味深いテーマだったんだけどね。
ともかく。このハンドリングというものの真髄が僕は良く分かっていない。ハンドリングって、グイグイに攻め込んだ時に前輪がすっぽ抜けそうな怖さを与えず、かつ直線を走ってる時にフラつかなければそれで正解じゃないのかな?
あとは自分の意図した舵角が自然につくことでしょう。
すっぽ抜けない、の話だと、昔のZ1000Jとかって絶対すっぽ抜けないような絶大な安心感がある。GPZ750Fなんかもそうだね。前輪が大きいバイクの方がそういう安心感は高いと思う。BMWのGSもそうだし、今乗ってるスズキVストローム650も前輪が19インチで、どんなに飛ばしてもフロントからグリップを失うという場面は考えにくい。
一方で17インチでも安心感が高いのはある。400スーパーフォアなんかがそうだな。絶対すっぽ抜けない、と自信を持って乗れる。
逆にすっぽ抜けそうな不安感を与えるバイクもある。個人的にそう感じることが多いのは、外国車でごっつい倒立フォークがついてるネイキッドマシン。フロントが妙に突っ張ってて、いいペースで攻め始めると、なーんか路面を掴んでる感覚が曖昧になってくるような気がする。……そういえば初代のZZR1400もそんな印象があったなぁ。いや、思い出せば結構あるぞ。クロスプレーンになるひとつ前のR1とか。それらを思い浮かべると、だいたいゴッツイアルミフレームで、倒立フォークのバイクが多い。走る条件がいいと滅法速いけど、ちょっと条件が悪くなったり、タイヤが減ってくるととたんに不安が覗くバイクは、実は結構あります。ハヤブサはそんなことないから不思議だけど。
あとは想像以上に切れ込んでいくモデル。意外だけど一番最初に思い当たるのはホンダのスティード。これは切れ込む印象だった! ゆるいカーブでもグイグイと内側に切れ込みたがって、切れ込まないように一生懸命ハンドルを押さえてる印象がある。
反対に曲げたいのに絶対曲がってやるもんか、というのもある。ハーレーとかで、なぜかリアタイヤだけやたらめったら太くしたヤツとかね。交差点すら曲がれずに膨らんでいっちゃうことがある。でもいずれのバイクも乗ってる人がいっぱいいるんだから、乗ってるうちに慣れて気にならなくなるのでしょう。
今のSSマシンたちみたいに、イヤッちゅうほど曲がっていくのは、それはそれでいいのですよ。すぐに慣れるから。「あ、こんなに曲がるんだ!」と思ったら、ライダー側の調整がすぐにきく。スティードはなかなかきかないなぁ。よく曲がるって印象じゃなくて、切れ込むって印象だもん。
直線を走って振られるかどうかは、フレームの剛性的なものも関係してくるから一概にはハンドリングの問題ではないと思うけど、広義ではそうなのかな。カタナなんかは飛ばせばやっぱりフレてくる。まっすぐ行ってるうちはいいけどね、ちょっと何かしようとするとフラフラして、なかなか収まらない。対するCB-Fなんかはネック周りがすごく重く感じて、飛ばしてる時は結構安定してるけど、低速では重くて、やっぱりちょっと切れ込む傾向。うーん、スティードと一緒で80年代ホンダ車の傾向かも。
昔乗ってたCBX750Fは、ハンドリングは軽かったけど峠の下りなんかはネック周りが腰砕けみたいになって不安感が付きまとった。何だこれはと色々試したけど結局直らず。調べてみたら後に出たホライゾンではネック周りがもっと頑丈に作られてた。教習所にあるRC42型CB750は同系列モデルだけど、ヘッドパイプが長くなってるもんね。やっぱりCBX750Fはネック周りにちょっと問題があったんだろうな、と思う。でも僕より年上のライダーが乗ると「まったく気にならない」とか言ったりするから、乗り方も大いに関係するのでしょう。
エンジンのキャラクターってバイクを選ぶ上で大切な要素。だけど楽しく乗って、時にはスポーティに走りたいのならハンドリングも良くないといけないわけですよ。
そこで、ツーリングや通勤がメインだけど、たまにはタンデムもして高速道路もいいペースで走り、峠道に入れば存分に楽しみたい。だけどサーキットタイムはあんまり気にしないよ、という僕みたいなライダーにお勧めのキーポイント。
● 鉄フレーム! これはねー、一概には言えないのだけど、排気量が大きくなるほど鉄フレームの方がしなやかさがあって怖さが少なく感じます。NSRとかZX-4なんかはアルミだけど、ああいう軽量マシンだと気にならないのさ、不思議と。だけど大型になると鉄がいいんだよな。マイベストハンドリング大型マシンは ①CBR750エアロ ①XJR1300 ①Z750(水冷・正立フォークの初期型) あたりが浮かびます。みんな鉄フレームですね。
● 正立フォーク! 倒立でもセットアップ次第ではしなやかな感じが出るじゃないか、という意見もありましょう。だけど先日のヤマハ一気乗りで乗ったFJR1300で思いをまた強くしました。電子制御サスがついてない、スタンダードの方が正立フォークでスゲー良かったのに、電子制御サスがついてる方は倒立フォークで、とたんになんだか硬い印象を受けちゃった。これもうまく言い表せないんだけど、正立の方が魚の尾びれみたいなしなやかさがあるように思うんだな。オフ車でもXLRの方がWRやKLXよりナチュラルだったもんね。あのWR250のエンジン、セローのしなやかな車体に積んではくれまいか。
● 低シート高! これが意外と大事よ! 最近の流行はシート高を高くして高い重心からバイクをパタッと寝かせるスポーツ性だけど、僕はこれをウソだと思ってる。いや、ウソってことはないか(笑)。でも流行でしかないと思う。最近はあんなに流行ってたアップマフラーをみんなやめて、腹下マフラーになってるじゃないか。マスの集中とか言って。だったらライダーももっとマスに集中させて下さいよ。その方が安心感が高いわけです。安心感が高い→ハンドリングに自信がもてる。前後輪のアクスル位置と着座位置には黄金比率があって、それがとっても大事だと思うのだけど、今のバイクはその比率を出ちゃってるものが多いと感じるな。
● 細めタイヤ! リアタイヤは160まで!と決めたいぐらい(笑)。リアタイヤが太くないとパワーが受け止められないモデルはしょうがないにせよ、実際は160でも十分なモデルが多いはず。それなのにみんな180か190でしょ? これがいけないと思うんだな。そんな太いタイヤで、一般公道の細かな峠道をスイスイ行くのは大変だよ? それを成立させるためにハンドリングがまたシビアになってるように思う。……見当違いだったらごめん(笑)
もちろん、こんな理論は例外だらけです。あくまで僕の経験から言ってるだけだからね。パッと思いつく例外が、アプリリアのトゥオーノ。前のVツインのヤツはアルミフレームに倒立フォークに190タイヤに高いシートだったけど最高に良かった!! ところが今のV4のヤツはなんだか怖い。硬くて冷たい印象を受けちゃう。これは一体どういうことなんだろう。不思議。
今度のヤマハのMT-09は楽しみだね! あれだけシートが低いと、すごく自信を持って走らせられると思う。倒立だけど。
さっきの「WRエンジンをセローに」の話にちょっと戻るけど、ダートトラックをやってる人って、オリジナルフレーム多いよね。アメリカではSV1000とかのバケモノエンジンをオリジナルの鉄フレームに積んで走ってたりする。あれは何かを伝えてくれていると思う。一般的にはジャンプなんてしないから、オフ車ももっと剛性落としちゃおう。FTR223ぐらいのしなやかな感じでいいじゃない。250ccクラスの理想で言えば、FTR223のフレームに新しいCRF250Lのエンジンが載ってたらいいと思う。シート低いし、あらゆる場面を許容してくれる優しいフレームですよ。CRF250モタードではなく、僕だったらそっちが欲しいな。
うわー、とても長くなってしまった。ハンドリングの話に正解はないでしょう。「全ては慣れです」といわれたらそれまで。ということはハンドリングが良い・悪い、なんていう基準は、そもそも存在しないのかもしれない。でもね、僕はこの長い文章の中にちょっとづつ真実が隠れているんじゃないかと思っているわけです。
(ノア)
2013年8月11日
ミスターバイクBG 9月号発売されました
- Noah Sellen @ 6:19 PM
お! 新しい号が出ましたね。
巻頭特集は裏テーマ「ゴイスーバイク」でした。
デスモセディチに乗らせてもらったんだから、ほんと、ゴイスーな体験でしたよ。オーナー様ありがとうございました。
続きはぜひ紙面で。お盆休み、暇でしょ(笑)
CB550フォアのレストアは順調です。
シリンダー内のサビがちょっと気になるところ。ペーパーで削り落としても、同時に削りたくないところまでやっちゃいそうだからなぁ。やっぱりボーリング屋さんに出して、径は変えずにサビだけさらってもらうかな。軽くホーニングでもしてもらってさ。
当初の予定では10月26日の絶版車祭までに完成させて走ろうと思ってたのだけど、うーん、どうかなぁ!
(ノア)
2013年8月2日
今週末はまたまた日光チャレンジロード
- Noah Sellen @ 10:29 AM
ウエマツさんとBGでコラボして、日光チャレンジロードの「MID4」という耐久レースに出てます。
このレースは車両が古ければプラス集回数のボーナスハンデがもらえるから、すっげー速いバイクでギンギンに走っても勝つのはなかなか難しい。一方でこのホークみたいな古いバイクではタイムこそなかなか出ないけど、ハンデがあるから勝てちゃう可能性も結構あるというわけ。ま、必ずしも勝ちを狙うレースではないんだけどね、なんとなく表彰台を狙ってやるわけですよ。
ウエマツ製作のこのホークは、ウエマツファクトリーの渾身の寄せ集め…じゃない!じゃない!! 渾身の力作ですよ(笑)
ハンデ周回数13周という、一番大きなハンデをもらうべくフレームはホーク2。エンジンや足回りは違うんだけど、何せ古いバイクだからね、100%純正ってのはなかなか難しいわけで、だからこそ日光チャレンジロードはレギュレーションがある程度フレキシブルだったりするわけだ。
勝ちを狙うレースではないけど(スプリントカテゴリーは勝ちを狙いますよ。凄いハイレベルで僕はもう出れないほどですが、観る価値は大いにあり! 腕試しにもどうぞ)、僕は過去何度も日光チャレンジロード耐久に出てるのに、表彰台は2位が1回だけ。しかもそれは2007年の話だから、そろそろもう一度乗っておきたいわけですよ表彰台。
先日マシンのチェックを兼ねて日光へ練習に行きました。
前回も走った前田君はコソ連が効いて着実にレベルアップ。石橋を叩いて渡るタイプで、力が抜ければもっと化けそうだな。新規参加ライダーの笹原君は筑波やモテギでもいいタイム出してるサーキット経験者だから頼もしい。
ふっふ、こりゃ俺の出番はないかな!
なんて思ってたら、この翌日にぎっくり腰…。ここ1週間は安静にしていてだいぶよくなってきたけど、編集長に「ダメに決まってんだろ! 棄権しろ!」といつになく厳しい口調で言われちゃいました。
えー? だって桃尻杯も申し込んじゃったし… XLR125Rで桃尻4ストクラス(2人!)の頂上を狙ってるのに… とゴネたけど、「ダメ」「ダメ」と、自身も腰痛に悩まされている編集長に強く諭されました。
「わかりました」
と、ぜんぜんわかってないのにとりあえずその場を収め、
「ところで日曜日、日光に来る人!」
と編集部で言うと、しーん。
なぁんだ、じゃ走ってもバレナイじゃん!
日曜日は天気よさそうですね。日光サーキットは東北道宇都宮インター降りてすぐです。見学無料ですので、ツーリングついでにお立ち寄りください。
(ノア)