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2014年11月4日 

■MotoGPマシン直系のスーパースポーツ「YZF-R1」がフルモデルチェンジ
そしてよりレーサーライクな「YZF-R1M」も追加して、欧米向けに発売


 ヤマハは、クロスプレーン型クランクシャフトを備えた水冷直列4気筒、998cm3エンジンを搭載したスーパースポーツのフラッグシップモデル「YZF-R1」の新型と、それをベースにした上級モデルの「YZF-R1M」を、2015年3月上旬から欧州で発売、その後順次北米などでも販売すると発表した。

 オールニューとなる2015年モデルのYZF-R1、YZF-R1Mは、”High tech armed Pure Sport”のコンセプトのもと、歴代のYZF-R1同様、MotoGPマシン「YZR-M1」の技術思想を体感できるサーキット最速のポテンシャルを備えるモデルとして開発された。

 200馬力の出力性能に加え、6軸姿勢センサー(※“3軸角速度”と“3軸加速度”を検出する装置)を市販二輪車として初搭載、高度な制御技術によりライダーが走りに集中できる高次元なハンドリングと走行性能を提供するという。また、デザインは、MotoGPマシン「YZR-M1」のイメージを投影するとともに“Speed Racer”をコンセプトにイノベーションを図り、新たなR-DNAの構築を図っている。

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YZF-R1。ブルー/ホワイト。 YZF-R1。レッド/ホワイト。
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YZF-R1M。カラーはシルバーの1色。 YZF-R1。レッド/ホワイト。電子制御サスペンションやカーボン素材の軽量カウル、“レース”に役立つ各種情報を記録するインターフェイスを搭載。


 新たにシリーズに加わった上級モデルのYZF-R1Mは、電子制御サスペンションやカーボン素材の軽量カウル、“レース”に役立つ各種情報を記録するインターフェイスを搭載したモデルだ。

 欧米のリッタークラスのスーパースポーツカテゴリー市場は、「サーキット走行」を楽しむコアユーザーにより一定の市場規模が形成されている。技術の粋を投入した新型YZF-R1とYZF-R1Mは、サーキット走行での性能を重視する先進国地域のユーザーのニーズに応える事はもとより、新興国を含む全世界に向け、ヤマハブランドを訴求するフラッグシップモデルとしている。なお、11月6日からイタリア・ミラノで開催の国際モーターサイクルショーEICMAに出展する。

■ヤマハ http://www.yamaha-motor.co.jp/

2014年11月4日 

■MT-09のバリエーションモデル 「MT-09 TRACER」を来年3月から欧州で発売


 ヤマハ発動機は、850ccの直列3気筒エンジンを搭載するスポーツモデル、MT-09をベースに開発したバリエーションモデル「MT-09 TRACER」を来年の3月上旬より、欧州市場で発売すると発表した。

 このMT-09 TRACERは、“クロスプレーンコンセプト”により開発された直列3気筒エンジンによる“意のままに”に扱える走行性能で人気の現行MT-09をベースモデルとし、“Sport Mulrti Tool Bike”のコンセプトのもと、市街地走行からツーリング用途まで、多彩なシーンでスポーティかつ快適な走行が楽しめる“スポーツマルチモデル”として開発された。

 主な特徴としては、1)ツーリングを支援する“TCS”(トラクションコントロールシステム)、2)レイヤー構造を取り入れたカウルやハンドルカバー等による走破性、快適性、積載性を強調したスタイル、3)ライダーの好みにより調整可能なハンドル、シート、フロントスクリーン、4)視認性の高い多機能メーターパネル、5)フルLEDヘッドライトなど。

 ちなみに欧州市場でのメーカー希望小売価格は、9,499ユーロ、販売計画台数は発売から1年間、EU圏内で5,500台を計画している。

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■ヤマハ http://www.yamaha-motor.co.jp/

2014年11月4日 

■Kawasakiのモンスター「H2R」が、鈴鹿サーキットに見参

 うわさのモンスターマシン、KawasakiのH2Rがついにベールを脱いだ。舞台は国内屈指の鈴鹿サーキット。デモンストレーション走行を担当するライダーは、藤原克昭選手だ。

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※このページ、写真の上でクリックしていただくと、別カットの写真が見られます。

「かっちゃん」こと藤原選手は、世界選手権をはじめヨーロッパ選手権で数々の名勝負を展開し、現在アジア選手権のトップライダーとして君臨するKawasakiのエースライダーのひとりだ。当初のイベントプランでは、土曜日と日曜日の二日間にわたり、デモ走行が計画されていたが、あいにくの雨で土曜日の走行がキャンセル。そのパワフルすぎる性能ゆえか、2日目の日曜日も雨が落ちてきた時点でサーキット走行はキャンセルすることが決まっていた。そしてあろうことか日曜日の降雨確率は60%。見上げる空はいつ降り出してもおかしくない状態だった。

 レースアナウンサー辻野ヒロシのMCでメインスタンド前に登場した藤原は、インタビューを受けながらもどこか上の空。それもそのはず、誰よりもH2Rの魅力を知っている藤原は、集まったファンにH2Rの魅力を直接感じて欲しかったのだ。それには、エンジンに火を入れ300馬力を誇るH2Rの雄姿とエンジンサウンドを体感してもらうのが一番なのだ。インタビューを早々に切り上げるとヘルメットを奪うようにしてマシンに跨った藤原はたちまちコースへと消えていった。ヘルメットのシールドに小さな雨粒がぽつりと落ちてきたからなのか、レーススケジュールが押していたせいかは定かではないが、フルコース3ラップのデモ走行は決行された。

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 ゆっくり、ゆっくり路面状況を確かめるように5.8キロの鈴鹿サーキットをラップしてきた藤原だったが、最終コーナーを立ち上がると一気にフルスロットル。その瞬間、大げさにいえばマシンだけがずんずん近づいて大きくなり、エンジン音がわずかに遅れてやってくる錯覚に陥った。しかも爆音だから、まるでジェット戦闘機が起こす音速衝撃波、ソニックブームのような感覚だ。「フル加速しない」と聞いていたメディアのカメラマン達も思わず目を丸くしていた。

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 2周目の藤原はさらにパフォーマンスする。メインストレートに戻ってきた藤原はコース中央ではなく、ピットウォールぎりぎりを駆け抜けた。「コンクリートの壁で反響させれば、メインスタンドで見ているファンの方にもH2Rの咆哮を感じてもらえるよね」とは走行後の藤原のコメント。どこまでもファンサービスを徹底する藤原らしい意気なはからいだったが、広報スタッフは肝を冷やしたに違いない。もちろんそのパフォーマンスのおかげでH2Rの持つ計り知れないパワーの魅力を多くのファンが感じることができたはずだ。

 ファンへのはからいはサウンドだけではなかった。マシンが搬入された金曜日の夜、サーキットの闇を引き裂くようなエンジンサウンドが50番ピットから轟いてきた。新品のチタンマフラーが装着されたマシンに気付いた藤原選手が、「ファンにお披露目するなら、きれいなチタンカラーにもこだわるべきでしょ」と急きょイグニッションスイッチを入れ、チタンが真っ赤に灼けるまで熱を入れたのだ。

「航空宇宙学とかガスタービンの最新技術とか、すごいハイテクがぎっしり詰まってるんだよね。デザインだって、ひとつひとつに意味があって細部にこだわって誕生している。でもさ、感じてほしいの。僕がセパンではじめて出会った時に感じたフィーリング『お~、かっこいい』ってうなったのと同じ感覚を。まずはそこからだよね」と藤原選手。

 見て感じて、聞いて感動して、そのサウンドと速さに震えて。この日鈴鹿サーキットを訪れた14000人強のファンは、一気にその感動を手に入れたんじゃないのだろうか。

(レポート:林 海洋 写真:楠堂亜希)

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2014年11月4日 

■難しい天候の中ポール・トゥ・ウィン、ユーキ&モリワキが復帰1年目でチャンピオン獲得!

 モリワキレーシングと共に全日本ロードレース選手権にカムバックを果たし、今シーズンJ-GP2クラスで注目を集めた高橋裕紀。最終戦となった「第46回MFJグランプリ」 ではポールポジションから絶好のスタートを切るものの、雨によってレースは赤旗中断。再スタートでは集中力を切らすことなく、冷静なレース運びで4度目のポール・トゥ・ウィン。モリワキの地元・鈴鹿でシリーズ・チャンピオンを獲得した。彼にとって、J-GP2クラスの前身とも言えるGP250クラスで2004年に獲得して以来、世界での戦いを挟んで10年振りの全日本タイトルとなった。


高橋裕紀のコメント
「今日のレースはコース上に川ができるほどの状況で普通に走っても転倒するかもしれない難しいレースでした。しかし、シーズン最初から申し上げているように“1周目から全開で飛ばす”を心がけて走ることが集中力をキープすることとなり、優勝することができました。

チャンピオンを獲得できてとりあえずホッとしています(笑)。去年まで世界で闘っていましたが今年はモリワキでイチから全日本でやり直す、と決めて臨みました。やはりJ-GP2クラスはレベルが高く、さらには『チャンピオンを獲って当たり前』とのプレッシャーがある中で、『毎戦優勝を目指して頑張ること』に集中力を最大限まで上げることで、そのプレッシャーを撥ね除けられたと思います。みなさまの応援のおかげでチャンピオンを獲得することができました。一年間、本当にありがとうございました」

2014年11月4日 

■平&藤原も祝福、中須賀が前人未踏の快挙達成!

 11月2日、鈴鹿サーキットで開催された全日本ロードレース選手権・最終戦「第46回MFJグランプリ」。国内最高峰であるJSB1000クラスの決勝は、YZF-R1を駆る中須賀克行(ヤマハ・YSP・レーシングチーム)が第1レースで優勝、第2レースで2位となり、国内最高峰クラスで3連覇を達成した(2014年シーズンの戦績:全8レース・優勝4回、2位3回、6位1回)。

 これは、同じくヤマハのマシンを駆って達成した平 忠彦、藤原儀彦の両氏に続く快挙。また、JSB1000クラスでは史上初となる5度目のチャンピオンとなった。


中須賀克行のコメント
「3 連覇に向けては開幕ダッシュがともて重要だと思っていて、その開幕戦の鈴鹿2&4 レースで優勝したことで流れを掴んだと思いました。しかし、高橋巧選手も調子を上げ第2 戦オートポリス、第3 戦ツインリンクもてぎで連勝されてしまいました。なんとか流れを呼び戻したいと思っていたのですが、続くSUGO では天候の急変に翻弄されてしまい、正直なところリズムが狂っていると思いました。それでも、チーム一丸となって臨んだ今年2回目のオートポリス、そして岡山で優勝し、MFJGP 鈴鹿の第1 レースまで3 連勝できて、一気に波に乗ることができました。最後のレースは路面コンディションの変化もあり、緊張もピークに達していたのですが、とにかくチャンピオン獲得に徹しました。ファンの皆さま、チームスタッフ、サポートしてくれている方々、いろいろな助けがあって3 連覇、通算5 度目のチャンピオンを獲得することができました。一年間、応援ありがとうございました」


平 忠彦氏(1983年、1984年、1985年・全日本ロードレース選手権GP500クラス チャンピオン)のコメント
「文句なしの3 連覇です。おめでとう! また、ヤマハライダーとして3 連覇を達成してくれたことを誇りに思います。今年は、開幕前のテストでの転倒により、万全の体調でなかったことからシーズン序盤は苦しい戦いだったはずです。それでも、中盤からこの最終戦にかけては、安心して見ていられるレースが続きました。本当に強さの際立つシーズンでした。中須賀選手は、全日本の中で戦略、技術ともに突出したライダーです。これは開発ライダーとして日々最高峰マシンYZR-M1 に触れ、実際にモトGP を経験することにより、飛躍的に成長を遂げたからだと思います。同時にマシンの開発やセットアップなど、チームスタッフの献身的なサポートも忘れてはなりません。まさにチーム一丸となっての勝利でもあると思います。今後は、ぜひV4 にチャレンジしてもらうとともに、多くの若いライダーのお手本として、これからもさらなる成長を期待します」


藤原儀彦氏(1987年、1988年、1989年・全日本ロードレース選手権GP500クラス チャンピオン)のコメント
「2010 年、中須賀選手がはじめて3 連覇へ挑戦した時は、攻めの走りで転倒しそのチャンスを逃してしまいました。しかし、いつか必ずこの記録を達成してくれると思っていました。ようやくこの時が来たという感じです。私も身をもって体験しましたが、3 連覇は本当に大変です。速さだけでなく、勝利へのモチベーションを保ち続け、プレッシャーを乗り越える精神的な強さも必要だからです。中須賀選手はその速さと強さを共に備えているからこそ、達成できたのだと思います。本当におめでとうございます。ただ、中須賀選手にはさらなる高みを目指してほしいと思います。モトGP マシン、YZR-M1 の開発に携わっていることも含め、もっと速く強くなれるライダーだからです。3 連覇に満足することなく、4 連覇、5 連覇と、さらなる記録を打ち立ててくれることを期待しています」


木村隆昭 ヤマハ発動機 副社長執行役員/技術本部長
「中須賀選手、チャンピオン獲得おめでとうございます。3 連覇に向けて大きなプレッシャーの掛かる中、シーズンを通して決して楽な戦いではなかったと思いますが、昨年同様、諦めない強い心でレースに臨み、偉大な目標を達成してくれました。中須賀選手のその真摯な姿は、多くのファンに感動を与えてくれたと思います。国内最高峰クラスでの3 年連続チャンピオン獲得は、平忠彦氏、藤原儀彦氏に続く快挙であり、新たなレジェンドライダーの誕生を心からうれしく思います。今後は、前人未到の最高峰4 連覇にチャレンジしてもらうとともに、モトGP マシン開発のテストライダーとしての活躍も大いに期待しています。最後に、長いシーズンに渡ってあたたかい応援をいただいたファンの皆さまに心より感謝いたします。ありがとうございました」

2014年11月4日 

■KTM 990SMT、990SMR、690SMC R、1190RC8Rのリコール(平成26年10月31日届出)

 対象車両は型式990SMVS949(通称名:990SMT)の車台番号VBKVS94009M961264 ~ VBKVS9408DM993047(製作期間:平成21年3月12日~平成25年2月11日)の145台、型式990SMVS949(通称名:990SMR)の車台番号VBKVS9400CM988245 ~ VBKVS9402DM991746(製作期間:平成24年3月14日~平成24年12月12日)の17台、型式690SMCLST47(通称名:690SMC R)の車台番号VBKLST400CM740355 ~ VBKLST407EM764042(製作期間:平成23年12月2日~平成26年1月13日)の181台、型式1190VR549(通称名:1190RC8R)の車台番号VBKVR5407DM992654 ~ VBKVR5408DM992677(製作期間:平成25年1月29日~平成25年1月29日)の19台、型式1190VR449(通称名:1190RC8R)の車台番号VBKVR4408EM905937 ~ VBKVR4406EM906147(製作期間:平成26年1月27日~平成26年1月27日)の22台、計384台。

 不具合の部位(部品名)は「タイヤ(スチールベルト部からのエア漏れ)」。

 基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因は「スチールベルト層の構造設計が不適切なため、走行中の衝撃等によりスチールベルトコード付近に局部的に剥離が発生するものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると剥離が拡がり、タイヤが変形して、最悪の場合、エア漏れに至るおそれがある」というもの。

 改善措置の内容は「全車両、装着タイヤを点検し、該当のタイヤを装着している場合には代替品のタイヤと交換する」という。

 改善箇所説明図はコチラ

問:KTM JAPAN
TEL:03-3527-8885