2015年10月16日 

■Hondaが“CRF1000L Africa Twin”を12月中旬からヨーロッパで順次発売

 Hondaの英国現地法人であるホンダモーターヨーロッパ・リミテッドは、現地時間2015年10月16日(金)午前10時に、新開発の水冷4ストローク直列2気筒OHC、998cm3エンジンを搭載した本格的なアドベンチャーモデル“CRF1000L Africa Twin”を発表した。

 CRF1000L Africa Twinは、1990年代に大人気を博した「XRV750 Africa Twin」同様、オンロード、オフロードを問わず、世界中のさまざまな道に対応できるアドベンチャーモデルとして開発。「どこへでも行ける」をコンセプトに、市街地走行から大陸横断ツーリングまで、幅広いシチュエーションで扱いやすく快適な走行を楽しむことができるモデルだ。

 新開発のエンジンは、軽量でコンパクトな設計ながら高い性能を発揮。軽量なセミダブルクレードルフレームに搭載することで、オフロードでの優れた走行性能とオンロードでの機敏なハンドリングを両立。さらに、Hondaの独自技術である二輪車用「デュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)」のコントロール性能を向上させたほか、ABSとHonda セレクタブル トルク コントロールを搭載したモデルもタイプ設定している。

 スタイリングは、スリムなボディーでありながらダイナミックな面構成とすることで、冒険心を駆り立てるデザインを実現している。このCRF1000L Africa Twinは、欧州にて12月中旬から順次発売を開始。なお、欧州での発売後、北米や日本などでの販売も計画しているという。

=主な特長=

●最高出力70kW(欧州仕様)を誇る軽量・コンパクトな998cm3エンジンと進化したDCT

新開発の水冷4ストローク直列2気筒OHC4バルブエンジンは、オフロード走行から長距離ツーリングまで幅広い用途での扱いやすさと、リアタイヤのトラクションが感じとれる出力特性、そして心地よいパルス感をテーマに開発された。モトクロスマシン「CRF450R」「CRF250R」など、レーシングマシンの開発で培ったノウハウを活用し、軽量化、マス集中化、低重心化を徹底的に追求。これらのモデル同様の4バルブユニカムなどの採用で、コンパクトなパッケージを実現。潤滑方式にセミドライサンプを採用することなどで、250mmの最低地上高を確保している。

出力特性にもこだわり、270度位相クランクシャフトによって、どの回転域においてもレスポンスがよく、回転数が上がるにつれて、ライダーに深みのあるエンジン音を響かせながらしっかりとトラクションを感じさせるほか、2軸プライマリーバランスシャフトが振動を軽減する。

また、Hondaの独自技術である二輪車用DCT搭載車をタイプ設定。今回のDCTには、マニュアルモードのほか、良好な燃費性能と快適なクルージングを最適なバランスで発揮できるように設定された「Dモード」、スポーティーな走りをさらに追求した変速パターンを採用した「Sモード」という、2つのオートマチックモードを備えています。Sモードでは、3つの変速パターンから選択することが可能です。さらに、このDCTは、アドベンチャーの環境においても本来の性能を最大限に発揮します。インストゥルメントパネルの右側に装備したGスイッチを押すと、クラッチ制御がレスポンス重視の特性に切り替わります。また、登降坂角を推定する制御も採用し、坂道でも適切なギアを選択する新たな機能も搭載している。

●安定した走行と機敏性を両立した車体と足回り

車体面では、オフロードでの扱いやすさ、長距離ツーリング時の快適性、積載走行時の安定性の3点を主なテーマに開発。新開発のスチール製セミダブルクレードルフレームや、高性能なサスペンションの採用により、さまざまな環境で“楽しく走れる”性能を確保している。また、タフなアドベンチャー走行や、タンデム、積載走行時にも余裕のある耐久性を確保している。フロントブレーキには4ピストンラジアルキャリパー、ならびに310mmのウェーブ形状のフローティングディスクを装備。サスペンションには、230mmのロングストロークを確保した倒立フロントフォークを採用し、フルアジャスター機能も装備。リアクッションは、ダイヤル式油圧プリロードアジャスターを装備している。

タイヤは、ラリー専用車「CRF450 RALLY」同様に、フロントとリアにはそれぞれ21/18インチのスポークホイールを採用。それぞれ90/90-21、150/70R18サイズのチューブタイヤを装備している。

●デザインテーマ「UNLIMITED ADVENTURE」

「UNLIMITED ADVENTURE(無限の冒険)」をテーマにデザインされたスタイリングは、最低限のボディーワークによる軽量のデザイン形状とし、スリムで軽快な印象を実現している。2灯ヘッドライトは、初代Africa Twinの風貌を踏襲。シート高は20mmの幅で調整が可能。18.8Lの大容量燃料タンクは、良好な燃費性能とあいまって、ワンチャージでの航続距離は400kmを可能にしている。

●コントロール性を重視した制御系

Honda セレクタブル トルク コントロールは、4つのモード(レベル1、2、3、OFF)が路面状態や走行シーンに合わせてライダーが任意に選べるようになっている。ABSは、ライダーの任意の操作により、リア側のABSをOFFに設定することが可能だ。

■ホンダ http://www.honda.co.jp/motor/