2016年4月4日 

■ツインリンクもてぎにて、MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会主催の「250バイク一気乗り! メディア合同インプレッションライド2016」が開催された!


今年から始まるJP250マシン・ホンダCBR300R(オートショプスガワラ)と、ノーマルのCBR250Rがランデブー走行。

 これは、近年盛り上がりを見せている250ccクラスのオートバイ。とりわけロードスポーツモデルの代表的な市販車種をメーカーの垣根なく集め(ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ、KTM)、試乗してもらい、さらに250ccクラスの魅力を広めたいということと、今年から250cc市販車をベースにした車両で争う、新たらしい「JP(Japan Production)250」クラスがスタートすることを広く知れ渡るようアピールする目的もあった。それでこの日は市販車のみならず、JP250クラスのレース車両にも試乗できた。

 当日はあいにくの寒い雨となったが、ツインリンクもてぎのコースを二輪メディアのライダー達が精力的に走り回った。こんなコンディションでも、怖がらずにマシンをコントロールする醍醐味を味わいやすいのは250ccクラスならでは、と感じられた。やっぱり軽くてコンパクトなことは正義だ。パワーがあり過ぎない4ストロークエンジンとのバランスがいい。技量や年齢など幅広いライダーが楽しむには最適なクラスだと再認識した。

 250ccクラスの魅力は、400ccクラスから必要な車検がないという維持費の安さと、高速道路を走れ、短距離だけでなく中長距離を走れるサイズと走りを持った、オートバイとしての使い勝手の良さだろう。気軽に乗れるところで、入門オートバイとして選ぶ人も多く、近年は魅力的なモデルが次々と登場して、オフロードタイプのオン・オフモデル、クルーザー、スクーター、ネイキッド、モタード、ロードスポーツと、バリエーションが多い。この日集められた車両に代わる代わる乗りながら、各社、各モデルの走りの違いと楽しさを感じることができた。ユーザーの中に若者が多くいるというのもミソで、メインボリュームとしてオートバイ趣味を支え、これからもそこへの期待が大きい。



土砂降りの中、各メーカーの250ccマシンを乗り回しました。

 その盛り上がっている250cc車両を使って始まったJP250クラスは、参加者が増えていたST250クラスを発展させたもの。ベース車両が比較的安価だからローコストで、年齢を問わずレースに参加しやすく、ロードレースの底辺を支えるレースとして誕生した。ライセンス昇格対象ではない承認クラスだったST250とは違い、地方選手権の正式種目として開催。それによってこれから速いライダーが全日本へステップアップするための道筋として、将来国際ライセンスを目指す若いライダー達の登竜門としての役割もはたす。その為に、地方選手権のだけでなく、同じ車両で走れる「MFJカップシリーズ」を設け、全日本選手権と併催する。

 今回の試乗会に協力してくれた、ツインリンクもてぎでは、JP250クラスがある、「もてぎロードレース選手権」を年間7戦(第1戦は3月19日でした)、全日本選手権(5月28〜29日、第3戦もてぎ大会)、その他に4ストローク 125cc~150cc 単気筒マシンで争う、毎年恒例の「MFJレディースロードレース」を2016年も開催するなど盛りだくさん。

 JP250への参加者が増え盛り上がることによって、普段乗っている250ccマシンでサーキット走行に興味を持つ人も増えるのではないか。そして将来的にはそのレースを経た、世界で通用する日本人ライダーが誕生するかもしれない。

 それが市販車のさらなる発展にもつながっていく。これから250ccはもっと面白くなりそうだ。


全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦 in 筑波で行われる“MFJ CUP JP250”(4月9日予選・決勝)には、青木治親選手がエントリー(写真右、マシンはドッグファイトレーシング・ヤマハYZF-R25)。青木治親選手と言えば、ロードレース世界選手権125ccクラスで2度もチャンピオンとなり(1995年、1996年)、現在はオートレーサーとして活躍中のライダー。今年は1戦のみのエントリーだが、今後もオートレース、ロードレースの垣根を越えて活躍していただきたい。写真左は、GP3クラスに参戦している岡崎静夏選手。