GLOBE TROTTER 90THTH ニッポン、上陸。

YAMAHA

この夏、ドゥカティは熱かった。7月から9月にかけて続くストーリーをご紹介。まずは、ドゥカティ創立90周年を記念して行われているGLOBE TROTTER 90THがいよいよ日本に上陸。ベルギー人の女性ライダー、ジェシカ・レインさんが走りだした。

●レポートー松井 勉
●取材協力ードゥカティジャパン http://www.ducati.co.jp

162cm。ムルティストラーダ1200エンデューロで日本を巡る。

 このGLOBE TROTTER 90THについて説明しよう。ドゥカティ社の創業90周年を記念して、本社のあるイタリア、ボローニャのボルゴパニガーレを出発し、7名のライダーがムルティストラーダ1200エンデューロをリレーしながら世界を一周する行事を行っている。7名はWEBで応募し、書類審査のあと、ライディングトレーニングで選ばれた強者達。技量、旅力、発信力を吟味され、3000名を越すなかから選ばれた。旅のルートは、7月4日にスタートし、ヨーロッパを北上、ロシアに入り、そして広大なロシア国土を東進。日本の対岸、ウラジオストクまで2名のライダーがリレーして走り、日本を回り、そしてUSAへ。アメリカ国内を2名のライダーが横断し、ヨーロッパへ。そこも2名のライダーが繋いでゴールとなる本社へと戻る。

 強者ライダーが揃う7名のライダーの中でも女性ライダーはジェシカさんただ一人。このイベント3人目のライダーとして日本を走る。
 この旅をするバイク、ムルティストラーダ1200エンデューロは、ドゥカティが満を持して投入した本格アドベンチャーモデルだ。吸排気カムに連続可変バルブタイミング機構を持ち、スーパーバイク由来のエンジン、という言葉からは想像できないほど、低回転から扱いやすいトルクとドライバビリティーを生み出す。また、航続距離を伸ばす30リットル入りのガソリンタンク、前後200mmのサスペンションストロークを持つほか、前輪に19インチ、後輪もサイズをアドベンチャーセグメントでのタイヤチョイスを広げる170/60R17とするなど、世界を旅するために造られた道具でもある。そう、今回のGLOBE TROTTER 90THにはまさにうってつけ。

 しかも旅の道具を収めるパニアケースを左右に装着し、リアキャリアには野宿道具まで詰めたギアバッグを乗せて走る。体躯もデカイし重量もかさんでいる。そんな出で立ちでのバイクを走らせるジェシカさんは身長162センチである! ダイジョーブ??



スタート前セレモニー
ボローニャでのGLOBE TROTTER 90THのスタート前セレモニー。各国のオーナーズクラブの人が出発と旅の安全を祈念。人人人、でバイクが見えません!。


ボローニャスタート前


リレー用トーチ
ボローニャスタート前、本社にある貴重なドゥカティのマシンが収蔵されるムゼオでオーナーズクラブの人達を招いてのエクスクルーシブランチ。ヒストリックバイクとこの距離で美味しい食事を。 今時な話題として、3Dプリンターで造られたリレー用トーチ。ちょっと見せて、とお願いしてポーズとってもらいました。


ナケイさん


ナケイさん
そのトーチをバイクに仕舞うインド人、ナケイさん。最初のパートを担当。


集合写真を撮ってから個人撮影が続きます


ステッカーをびしばしと貼って行きます
集合写真を撮ってから個人撮影が続きます。周囲の人×スマホ数×数ポーズ。気温30度超。それでも笑顔のライダー。タフです。 そんなタイミングで各国のオーナーズクラブ、パニアやカウルにステッカーをびしばしと貼って行きます。この辺、良い意味で堅苦しくなく、イベントなのにリアルでステキだな、と思いました。


もう、これモンですから・・・・・(笑)


駆け込みセーフ
もう、これモンですから・・・・・(笑)。


いよいよ出発
いよいよ出発。イグニッション、オン。回りから人が下がります。 駆け込みセーフ。


選出された7名はこの方達


ルートはこのように廻る予定です
選出された7名はこの方達。 ルートはこのように廻る予定です。


そして世界へ。今出発です
そして世界へ。今出発です。

 日本の旅の出発点は松戸だ。ドゥカティディーラーの中で最初にストアデザインを採用した拠点、というところでこの場所が選ばれた。日本国内を巡るテーマは、ドゥカティの歴史探訪なのだ。松戸から一路西へ。まずは大分県由布市にある岩下コレクションを目指す。ここに展示されている現存する唯一のプロトタイプモデル、ドゥカティ・アポロを訪ねる。このバイクは1963年にアメリカ市場を睨んだドゥカティが、製作したL型4気筒のツーリングクルーザー。ただし、当時、1300㏄L4のパワーに耐えるタイヤがなく、200km/hを叩き出すこのバイクはあっさりお蔵入りした、という。
 大分でアポロと別れたあと、四国へとフェリーで渡り、四国を縦断、本州へと移動し岐阜へ。途中、バンジージャンプも体験しつつ、日光のいろは坂でバイクの走りを楽しみ、そして裏磐梯へ。磐梯吾妻スカイラインの絶景に驚き「ここはまるでパソデステルビオにも負けない絶景ね」とコメント。

 裏磐梯からさらに北上し、蔵王エコーラインへ。途中、蔵王のお釜を眺め下ろし、日本の道の深淵なるツーリングライダースピリットを味わった。そしてかつてSBKの世界戦が行われた宮城県のスポーツランドSUGOへ。ライダー達が勝利を収め、ワールドタイトルへのポイントを稼いだ地を訪ねた。ジェシカさんは、SUGOをパニア付きのムルティストラーダで楽しんだ。やるじゃない、なのである。

 さらに宮城から栃木に移り、MotoGPでワールドタイトルをドゥカティにもたらしたケーシー・ストーナーが2007年にタイトルを決めたサーキットでもあるツインリンクもてぎへ。もちろん、もてぎのロードコースもジェシカさんは旅姿そのままに走る。あちこちで雨にふられたものの、墨絵のような景色が道中のブログにもアップされるなど、ジェシカさんの目が見た景色は日本人にとってもハッとさせられるもの。そしてゴールの東京へと戻る。

 12日間の旅は台風16号の襲来で足止め、予定を変更、もあったが無事完遂。そのまま機上のひととなり、4人目のライダーが待つサンプランシスコへ。ジェシカさん達、GLOBE TROTTER 90THTHの模様は、コチラから。
 きっと、アナタも旅に出たくなる素敵な風景と文章(英語です)に心が飛び立つこと間違い無し。旅の経路を見るとここ、日本が折り返しとも言えるGLOBE TROTTER90。この先もボローニャまで見逃せません!



ジェシカさん


あとは出発の時を待つムルティストラーダ1200エンデューロ
パニアに荷物を詰め終え、大きなスポーツバッグをリアシートにくくりつける。できるだけキャンプをしたいと思っている、とジェシカさん。しかし、台風接近中の悪天候がそれを許さなかった。 あとは出発の時を待つムルティストラーダ1200エンデューロ。


ジェシカ・レインさん


ジェシカ・レインさん
出発式を兼ね、自己紹介、そして想定旅程を披露するジェシカ・レインさん。


準備万端。ドゥカティ松戸を出発する前に記念撮影
準備万端。ドゥカティ松戸を出発する前に記念撮影。


出発!


いってきます!
出発! 首都高の入り口までエスコート付き。そこからは彼女、一人の日本旅がはじまる。 いってきます! 国道6号、水戸街道を西へ。今日は静岡を目指します。


そして九州へ


岩下コレクションの方と記念撮影
そして九州へ。台風のおかげで予定は変わったが、施設コレクションミュージアム、岩下コレクションには予定通りの到着。大分湯布院は雨だった・・・・。 岩下コレクションの方と記念撮影。うーん、バイクのサイズ感はドンと伝わります。


まったく疲れを感じさせないジェシカさん


4月の震災時には大きなダメージを受けたコレクション。多くのバイクが倒れたという
まったく疲れを感じさせないジェシカさん。 4月の震災時には大きなダメージを受けたコレクション。多くのバイクが倒れたという。


ドゥカティ・アポロ


日本でのチェックポイント1
そして岩下コレクションに世界で1台しかないこのバイクが保管されている。L4エンジン搭載のドゥカティ・アポロ。アメリカ市場を狙った一台。プロトタイプ。タイヤが性能に追いつかない。その理由でお蔵入りした幻のドカだ。 日本でのチェックポイント1、通過。記念にジェシカさんに会いに来た人達と。


僅かな時間ですっかり友達に
僅かな時間ですっかり友達に。九州から今度は東北、宮城、スポーツランドSUGOを目指します。


出発準備


そして颯爽と出発
東京から持ち込まれたレインウエアを着て(実はここまでレインウエア無しで走って来たのです)出発準備。このバイクを軽々扱うジェシカさん。体格とかではなく、ウデです。 そして颯爽と出発。ジェシカさんは結局、3000キロ日本を走り、東京へ。首都高のC2のトンネルの暑さには驚いた様子・・・。無事帰還しています。GLOBE TOROTTER90は引き続き、北米、アメリカへ。

[その2WORLD DUCATI WEEKへ。]