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 2016EICMA、プレスデー2日目。しかし、どうみてもプレスじゃない&取引関係じゃない人で溢れています。ここまでそういう人が多いと、もう意図的に優待券でも配ってるんじゃないの?と勘ぐってしまうほど。とはいえ今日(現地時間11月10日)からは一般公開日。それこそ人でごった返すため、主要メーカーの車両だけでも写真を押さえておこうと、とにかく歩きます。各メーカーの最新モデル紹介は帰国後に紹介するとして、ここでは会場で気がついたことを少しまとめてみたいと思います。

 
CONCEPT MODELを見てみよう。

 まずは魅力的なコンセプトモデルをたくさん見ることができた、ことです。
 
 ホンダは「CB1100TR コンセプト」「アフリカツイン・エンデュランススポーツ・コンセプト」を、ヤマハは「T7コンセプト」を、KTMは「790DUKE」プロトタイプを、ハスクバーナは「ビットレーン401エアロ」を発表しました。これらは、いわゆるメーカーが取り組んでいる新しい思想や技術を“バイク”に落とし込んだ、アニメや映画の世界から飛び出してきたようなショーのためのコンセプトバイクとは違っています。どの車両もきわめて実現性が高く、発売時期を明確にしている次期プロダクトも含まれています。
 
 これは僕の個人的な意見ですが、もうあまりに現実味のないプロトタイプモデルにもうワクワクしないのです。だって僕らが子供の時に見てワクワクした未来のクルマやバイクは、今時期にはすでに空を飛んでいたりクルマやバイクの形をしていないはず。でも現実は、相変わらずタイヤを履きガソリンを燃やして走っています。もちろん、そうやって未来のカタチや思想を指し示していかなければなりませんが、だって実現しないんでしょう、みたいな冷めた目で見てしまうのです。
 
 しかしここEICMAで見たコンセプトモデルは手が届きそうで届かない絶妙な距離感。それでいて新しさがあり、バイク乗りの根底に流れるパッションを感じるんですよね。
 
 なんか上手く表現できないのですが、ここで紹介するコンセプトバイクたちを見ると“メチャ楽しみ!”という素直な気持ちになるんです。
 
“CB、こんなにしちゃうんだ!?でも格好いいじゃん”
“T7のボディに使われてるアルミとカーボンと樹脂パーツって意外に馴染むじゃん”
“790DUKEはプロトタイプらしい荒々しさがあるのに、それをあえて見せちゃうんだ”
みたいに、バイクの前でニヤニヤしながら思考を巡らせて立ち尽くしちゃう感じです。

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次は「スモール・アドベンチャー市場花盛り」な感じ。

 もちろんそのメインアクターは、ホンダCRF250Lラリー、カワサキ・ベルシス300、スズキVストローム250、BMW R310GSです。
 
 かつて(いや今も!?)大排気量アドベンチャー・モデルが各メーカーからリリースされ、その覇権争いが展開されました。それはBMWのGSシリーズという、そのカテゴリーの創始車が大きな、そして魅力的なシェアを持っていたことから、その牙城を取り崩すべく各メーカーが参入したという状況です。しかしスモール・アドベンチャー・カテゴリーはまったく新しいマーケットで、そこに同タイミングで複数のメーカーが動じ参入するのは実に面白い傾向です。
 
 アジア・マーケット対策であることは間違い無いのですが、もしかするとアドベンチャー・マーケットの中心である欧州でも、じつは購入層の年齢や体力の変化に伴って“大排気量疲れ”的な傾向に進みつつあるのではないか、と仮説を立ててみるのも面白いと思います。だってEICMAの会場で目立つのは、元気の良いナイスミドルな叔父さま方の集団(表現が古い&自分もその領域に近づきつつあることに驚き)。それらの方々は、長年バイクに乗ってきた手練れであることは間違いありませんが、若い頃と同じようにバイクに乗れなくなっているはず。自分の胸に手を当ててよーく考えてみると、思い当たる節があります。
 
 もしこの仮説が少なからず的を得ているなら、このカテゴリーは面白くなると思います。だってアドベンチャー・モデルを転がしてたライダーは、経験も技量も豊富。それを納得させるのは、相当な造り込みが必要でしょう。ということで、これらのモデルの試乗を心待ちにしています。

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これに似て「スクランブラー市場も白熱!」な状況です。

 ドゥカティ・スクランブラー・デザート・スレッド、BMW R ninTアーバンGS、そしてヤマハSCR950はともにスクランブラースタイルを持ち、身体を起こしたライディングポジション&カジュアルな心持ちで街やワインディング、ときにはオフロードを走ることができるシティ・ランナーというところでしょうか。
 
 カフェスタイル市場も同様ですね。こちらも楽しみです。

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 ちょっと変わり種で気になったのがカワサキブースに展示されていた「バルカン」ベースのカスタムマシンと、ヤマハの「MT-07」のカラーリング。
 
 バルカンは、イタリアのカスタムビルダーでトライアンフやドゥカティのカスタムを数多く手がける「Mr. Martini(ミスター・マルティーニ)」によるもの。カラーリングだけじゃなく、シートカウルのライン造りやハンドル周りを上手くデザインした結果ですが、この“マッハ”イメージがバルカンにマッチしていて、最初は新型車かと思っちゃいました。
 
 またヤマハの「MT-07」の蛍光イエローとその配色がじつにモダンで気になりました。欧州の街は基本的に色が少なく、そこにエッジの効いたモダンな車体と蛍光イエローがデザインされたバイクが佇み&走れば、それは実にモードな感じだろうなぁ、と。

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 最後は、KTMとハスクバーナのブースで、バイクの新しいデザインの可能性を感じたことです。まだまだ新しくて、格好いいことができるじゃん、と。多くの人に共通する古い記憶を掘り起こし、再びパッションを取り戻すことは簡単です。いや、決して簡単ではないですが、その展開方法は想像しやすいです。でもまったく新しいアプローチで人の心に火を付けるのはとても大変です。
 
 それでもKTMとハスクバーナは、正確にはその車体デザインを担当するデザインカンパニーのKISKA(キスカ)は、そこに大胆に踏み込んできた感じがしました。いや~、僕個人としての感想は“KISKA、切れッキレだなぁ”と。
 
 とくに近年のバイク周りトレンドはクラシック回帰であり、そのなかで新しさを打ち出してくるあたりにKISKAの底力を感じました。

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 ということで、僕は11月11日(金)までEICMA会場に行き、足を棒にして色んなネタを拾ってきたいと思います。それでは、帰国後に!



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