KTM 1290 SUPER DUKE R run

KTM 1290 SUPER DUKE R
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ライダーの身長は183cm。

 すでにEICMAでの発表の模様が詳しくリポートされているので、重複は避けたいが、とにかく新しい1290 SUPER DUKE Rは見た目が凄い。その刺激度がグッと上がっている。2Dの写真で見るより、3Dの現物を見た方がその印象は深い。それがなによりの第一印象だった。
 
 ボディーシルエットは2005年のSUPER DUKE登場以来、その系譜やDNAを思わせるものであり、先代の1290 SUPER DUKE R のイメージを踏襲するものだ。各部、パーツ毎に抑揚の強さを加えた外装や、LEDの輝度の高さが可能にしたヘッドライトの造形の自由さをこれでもか、と活かしたフェイスはどうだ。お面のようにも見えるそれは、中央にダイキャスト製のライトフレームが縦に走り、その中央は空洞。ここからLEDシステムが発する熱を放出する機能も持たせているという。ライトの枠を縁取るようなランニングライトがビーム状に光る。まるでクワガタの鋏のようにも見えるし、ながい触覚で食い物を探す昆虫にも見える。とにかくその前端の薄さなんて正直驚くほど凄い。
 タンクサイドのパネル(スポイラーという)も立体的になり、全体のデザインパッケージが何処か新種発見に近いほど真新しく思える。
 
 それは冗談にしても、リアサブフレーム周りを覆っていたテールエンド付近のパーツを外し細身に見せ、タンク周りにマッシブなアクセントを付けていることは一目でお解りだと思う。

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アップデイトされた電子制御。

 BEAST 2.0--。先代にBEASTの愛称を付け、そのパワーとトルクと軽快な回り方のエンジンで魅了したように、このバイクもその基本ベクトルは同じ方向を向いている。2.0だなんて、最近のデジタルもののような呼称だが、実際、新型は電装周りのアップデイトを充実させている。
 
 まずメインキーが通信式となった。いわゆるキーレスである。これを「KTM RACE ON」という名称で呼んでいるが、ライダーはメインキーをジャケットのポケットに入れたら、スイッチボックスの起動スイッチを押す。すると電装系が立ち上がり、あとはいつものようにスターターを押す、というもの。燃料タンクもステアリングロックも同様にスイッチ一つで開けられる。
 
 そしてメーターパネルがTFTカラーモニターとなった。周囲の照度によって明色バック、暗色バックに自動切り替えになるタイプ。ハンドルバー中央の上に載せられたパネルは薄く、回転、速度ほか数々の情報を表示する。
 
 メカニズム面では、ライドバイワイヤーになったスロットルバルブ搭載を受け、より綿密なトラクションコントロール制御マップになった。トラックパックというパックオプションをインストールすると、ライディングモードにトラックが追加され、介入度合いを9段階に調整可能にしたトラクションコントロールのスピンアジャスター、ローンチコントロールも稼働する。
 
 また、パフォーマンスパックなるオプションを追加すれば、アップ、ダウンとも有効なクイックシフター+バックトルクを電子制御するモーター・スリップ・レギュレーション、そして、ライダーがヘルメットに装備したBluetooth通信機とスマホ、バイクのモニターを連動させるKTM マイ・ライドという機能が使用可能になる。音楽、ナビ等のスマホ機能を使えるわけだ。音量、スクロール、選択など左側のスイッチボックスから操作が可能というのも今の時代にはストレスフリーなライディングを広げる事になる。
 
 ここまで満載で忘れそうになるが、新たにクルーズコントロールも装備されている。
 
 こうしたエレクトロニクスのアップデイトは、まさにBEAST2.0という呼び名が相応しそうだ。

 
エンジンドライバビリティーも熟成を。

 そもそも先代も、1300㏄の水冷DOHC4バルブVツインは173馬力を生み出していた。強烈なインパクトだが、トルク特性がフラットでアクセル開度によって起こることを想像しやすいため、扱いやすさにKTMらしさが滲み、バリエーションモデルとして登場した1290 SUPER DUKE GTはなるほどスポーツツアラーらしい仕立てになっている。もちろん、アクセルのひねり方一つでその本性を剥き出しにすることも簡単。乗り手が望むがまま、天使にも悪魔にもなるが、悪態をつかないのがKTM流の仕立てだ。
 
 そんなエンジンにもアップデイトが施された。LC8と呼ばれるKTM製のVツインとしては歴代最高となる177馬力を生み出す。この75°Vツインは、そうした野性味ばかりではなく、メンテナンスインターバルの延長、燃費の向上も同時に叶えられている。
 
 吸気バルブを鉄製からチタン製へ。これにより片方のシリンダヘッドで19グラムを軽量化。13.6:1へと圧縮比を高めている。フリクションロス低減を目的にピストンもスカートの短いものを採用し、強度と軽量化を狙ったデザインとして、慣性質量を低減させている。また、クランクシャフトは、ジェネレーターを取りつけるサイドの軸を3mm大径化し、高回転時の安定性を向上させたという。また、吸気ボックス形状の変更や、吸気ファンネルの10mm短縮化により、スムーズなパワー特性と、限界回転を500回転上昇させている点にも注目だ。
 
 冷却面でもアップデイトされ、どうやら2日目に用意されているロサイルサーキットでの長いサーキットセッションにも自信を覗かせているようだ。

 
市街地にて。

 テスト初日はカタールの首都、ドーハの市街地に出た。ホテルの前で跨がると、835mmというシート高と、低めに構えたように思わせるワイドなハンドルバー、そして後退気味だが、充分ネイキッドの範疇に入るステップ位置などスポーティーさを予感させる刺激が揃ったポジションであることが解る。
 
 サスペンションは硬めのバネレートとしっかりとした減衰圧を予想させるが、跨がっただけでもしっかりと沈む印象で、バイクの手強さのような部分が巧く丸められている。
 
 エンジンはメカノイズが低く乾いた排気音を放つ。スムーズでKTMらしい回り方をする。軽いクラッチレバーを引き、走り出す。ボトムエンドトルクもたっぷりしていて、アイドリングのままでも車体を軽々と押し出してくれる。1500回転ほどからの加速にもギクシャクすることなくスムーズ。3000回転以下の回り方、ドライバビリティーは親しみやすいものだ。
 
 ランナバウトの多い市街地を駆け抜ける。左からの優先車の動きを見つつ間合いをとりながらこのバイクを自在に泳がせるのは楽しい。ドーハの道は街の背後に迫る砂漠から飛んでくる砂や、痛んだ舗装もありベストなコンディションではない。減速帯として用いられたスピードバンプもある。東京の街に比べればややトリッキーな路面を物ともせず、しっとりと路面を掴むサスペンションの動きには感心する。それに乗り心地も良好。吸収性が抜群なのだ。あえて急の付く操作をしない限りABSもトラクションコントロールも介入してこない。
 
 バイクの動きもそうだ。左右への動きは軽すぎず、でも意志通り素早い動きが可能なハンドリングだ。ライダーの座る位置、そしてステップの位置が市街地では絶妙。左右にバイクを寝かしやすくハンドリングを引き出しやすい。
 
 日が暮れた後、ホテルへと急ぐとき、LEDライトの光量が実に頼もしい。ハロゲンには戻れない安心感だ。ドーハは海が近い事もあり日が暮れると海風が入る。気温以上に肌寒くなるが、それでも昼間感じたバイクが路面を掴む安心感は強い。あえて大きくアクセルを開けて見た時、旋回中にトラクションコントロールのランプが点滅する程度だった。
 
 2時間ほどの市街地セッションは好印象だった。177馬力のバイクにしてはとてもリラックスして乗れたし、それがちょっと嬉しかったりする。ブレーキもしっとり軽くしっかりと制動力を生み出すタイプ。ガッツリ握ればもちろん制動の立ち上がり角度も上昇するが、本当に指二本でスーと握り、プレートにパッドを押し当てるだけで、減衰の聞いたサスを通して前輪を路面に押しつけ接地感に変換する解りやすいもの。強めにいっても前方にのめるようにならない。
 
 リアブレーキも速度調整の領域からしっかり減速する領域までコントロールの幅が広く「ネイキッド」らしい走りを楽しめた。

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MotoGPトラックは砂漠の中。

 翌日、ホテルからバスでロサイル・インターナショナル・サーキットに移動。ここで本格的なマシン解説を受けランチを摂り、少々ふくれた腹をレザースーツに押し込んで1290 SUPER DUKE Rが持つ177馬力の実力をたっぷり試すことになった。
 
 しかも、途中3時からはローンチコントロールを体験するために、メインストレートを封鎖してドラッグレースまでする、という。さらに一息いれて5時から2時間は日暮れ後のサーキットで照明を焚きナイトラン。まさかのMotoGP疑似体験だ。
 
 コントロールタワーにあるラウンジから見ると、冗談抜きで砂漠の中、むしろ巨大サンドトラップの中にサーキットがあるようにすら見える。コースアウトしたら二度と戻れないようにすら見えるほど砂は延々に回りを取り囲む。
 
 長いメインストレート、左6、右10、計16のカーブからなる5380メートルのサーキットだ。
 
 この日の朝、ドーハは風景が霞む砂あらしに覆われた。海の湿度が海岸線の街にただよい、その湿り気が砂が閉じ込められた、という印象の静かなものだった。聞いた話では砂あらしが来ると気温が上がる、という。
 
 最初の3周は先導についてラインを学んだ。そのライダーはジェレミー・マクウイリアムズ。アマチュアレーサーからMotoGPにまで上り詰めた人で、プロトンKRを入らせたり、BSBでも活躍したその人である。
 
 ストレートエンドから180°折り返す1コーナー、出口がそれよりもワイドな2コーナー、右にフル加速で曲がる3コーナー、その先の4、5コーナーは複合で右、右と続く。その先の6コーナーは左180度、短く立ち上がり、右180度に見えるカーブを抜けると、緩い左と90度曲がる9コーナー、そして入口はヘアピン、出口は300Rへと向かう富士のヘアピンのように、5速全開まで加速する12コーナーへと続く。その先に、左、左、左、と気持ち良く曲がれるコーナーが続き、15コーナーでキュッと左へ。短い直線を挟んでタイトな最終コーナーへと続く。
 
 中でもどんどん加速して立ち上がる3コーナー、6コーナー、9コーナーは刺激的だが、旋回ラインを間違えないよう要注意だ。
 
 最初の30分、ライディングモードはスポーツで走った。体感気温は32度、路面はそれなりの温度だろうが、薄曇りなので真夏の鈴鹿のような暑さではないだろう。OEMではメッツラースポルテックM7RRを履くが、今日はサーキット走行に合わせ、メッツラーのよりハイグリップタイヤ、レーステックを履いていた。
 
 試乗車にはパフォーマンスパックとトラックパックが装備されており、全開走行でオートシフターも試す事ができた。
 
 次第にコースにも馴れ、バイクを落ち着いて観察できた。やや低めだがワイドなハンドルバーは、サーキットではやはりアップライトな印象だ。その分、初めてのコースでもブレーキングやターンインのポイントをしっかりと見つけやすい。
 
 そのかわり加速しながら旋回する時、前輪にしっかりと荷重をかけておく必要はある。177馬力というパワーはもちろん、7000回転で141Nmを生み出すエンジンは、右手を全開にするとたやすくフロントを持ち上げるからだ。
 
 不用意にアクセルを開けてもウイリーコントロールが作動するから「あ、これなら開けられる。」と思えることが電子制御のミソ。ヘアピンでも6コーナー以外3速で行けるから、4000回転あたりからの力強いトルクバンドともろに被るわけだ。それでいてしっかりスキル相応な世界も持っている。
 
 例えば11コーナー。左にフルバンクで旋回し、そこから曲げながら全開でシフトアップを続ける12コーナー。オートシフターを操作する度に一瞬の駆動の途切れとその後、フルパワーが伝わる後輪は溜まらずサイドに動く。尻フリを続けながら次第にバイクを起こしていく……、という迫力満点の時など、バイクに無駄な力を入れずともフロントは安定させやすいのはネイキッドポジションのメリットだ。
 
 フル加速しめいっぱい減速するカーブ、アクセルワークだけでリズムを取るカーブと双方が組み合わされた中、それでも慣れないコースだからブレーキを酷使しているのが解る。30分交代で二組に分かれたジャーナリストが昼から飛ばしまくっているから、タイヤもブレーキにも過酷なハズなのに、このバイクは全く根を上げなかった。
 
 最終コーナーで巧くクリップを取れるよう旋回に入る。TFTモニターはレッドラインが近づくと回転計が赤になるからリミッターに当てる前にシフトできる。あまり引っ張っても多少手前でシフトしてもその後の加速感は変わらず。速度の乗りはよく、ストレートエンド、左の縁石が始まる少し先から減速を始める段階で268km/h、とか270km/h、という数字が確認できた。
 もちろん、ストレートが長ければまだ加速中だから伸びるはずだ。
 
 正にそこからフルブレーキングするのだが、その時、タイヤの剛性に巧くサスが荷重を載せる様にとても勇気を与えられた。同行しているWPスタッフによってサーキット寄りにセットされているハズだが、レーステックとの相性もバッチリ。グニャグニャした挙動はなくスタビリティーが高い。もちろん、シャーシの総合性能がしっかりしているからだろうが、あえて中東、あえてMotoGPトラックに招かれた理由が解った気がした。
 
 旋回、加速、減速そのどれも楽しめる質感があり、KTMらしい情熱がある。全身全霊、全開で向き合い、打ち解けた今、こういうパッケージのバイクもいいね、と素直に思う。こうしたコースを走るとどこかでスーパーバイクのほうがやっぱりいい、と思うが、今回はついにそう思わなかった。

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レース仕様にも試乗。
え、純正オプションでこうなるの!

 1290 SUPER DUKE RにKTMの純正パーツ、POWER PARTSで構成したレーサー仕立ての仕様もテストできた。前後には圧側に低速、高速の減衰圧調整を持ち、さらに質感を高めたサスペンション、フォーククランプ、シートカウル、シート、バックステップ、アクラポビッチのチタンフルエキを備えたもの。ブレーキローターも交換され、タイヤはスリック。走行直前までウォーマーで60度近くまで熱せられたものだ。
 
 跨がるとリアの車高が高く、前後のスプリングレートがストックよりもかなり上がっている事が解る。
 
 実はノーマル仕様でもトラックパックに含まれるトラクションコントロールの介入度を調整できるスピンアジャスターを試した。標準の「5」から落とし、介入度を減らしてみたが、アクセルを開ければ開けるほど、旋回中のテールの動きが多くなり、それをアクセルで調整する必要があった。「3」程度まで落としたが、結局、最初の「5」へと戻すという操作をしていた。逆に「3」ぐらいまで落とすと、タイヤが負ける場面が多くなり定量的にアクセルを開けられず、ソチラに気が取られると、11コーナーで良いツボにポジションが取れず、アクセルが開けきれない、という副作用がボクの場合は出た。
 
 ちなみに、9段階の9段目はレイン用なので確かに介入回数が増え、その印象は7段目ぐらいまで顕著だ。が、介入の仕方はとてもスムーズで、ガクガクしないのはさすがだった。
 
 が、スリックタイヤとそれを活かす足の組み合わせは違った。フルエキが入っただけなので、劇的なパワーアップはしていないだろうから、直線ではさほど変わらないが、各コーナーでの切れ味は別物。旋回初期からソリッドな感触でさらりとクリップによれる。さらに立ち上がりでも抑えなくとも外に膨らまず理想的な余地をアウトに残しながら短い距離で加速する印象だ。トラックモードはメーターにサーキット専用、公道では違法、なんてちょっとシゲキ的な文言がでるから、ミクスチャーも濃いはず。だから、しっかりとトルクとパワーが旋回時には作用してるに違いない。
 
 とにかく、どのコーナーでもコース幅が1/3ぐらい広がった印象で曲がって行く。その分、荷重のあまり掛かっていないカーブで油断すると曲がるタイミングが遅れてひやっとすることも。これは慣れの問題ですが。
 
 とにかく、ストックでも相当なのに、パッと乗り換えるとドギマギするほどサーキットチューンになっているあたり、このバイクの奥の深さをみた。

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正しい方向性。
楽しい方向性。

 サーキット8割、一般道2割(イヤそれ以下かもしれない)。ネイキッドでこれほど全開を楽しんだテストも珍しい。でも楽しかった。
 
 実際にスーパーバイクのレギュレーションからはみ出す排気量のモデルでのツインレースなどで、イタリアの名門、ドゥカティの1299パニガーレをムジェロの直線でぶち抜いた、というからKTMも鼻息が荒い。どうもこのカテゴリーでアマチュアを楽しませるシリーズが定着化の動きがあるようだ。
 
 結論としては、ここまでサーキットを楽しめると言う点で素晴らしいと思った。Moto3からMotoGPまでレースの活動の幅を広げ、ロードでもしっかりプレゼンスを着けてゆく現在のKTM。市販モデルの最高峰モデルがスポーツライディングで楽しめる事は正しい方向性だと思う。同時に、短時間だったが一般道でも非常に好印象だった走行性能、扱いやすさ、それにアジリティーの良さにもマルを付けたい。

 街で我慢を強いる高性能バイクとは長く続かない、は、ボクの家訓である。その点、涼しい顔して何処でも楽める1290 SUPER DUKE Rは、とても価値があるバイクだと思えた。
 
(松井 勉)

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カラーはこの二色。オレンジフレームと白外装、グレーフレームと黒外装。どちらもKTMらしいカラーリングだ。
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LC8エンジンのシリンダーを取り囲むように配置されたトレリスフレーム。クロモリ鋼を使い理想の剛性バランスや前後重量バランスを造るのがKTM流。エンジンはドライサンプ式。下に大きなサイレンサーボックスを持つ。
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リアスイングアームはキャスト製の片持ちとなる。リアブレーキはφ240mm。キャリパーは対向2ピストンを採用。
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リアサブフレームをそのまま露出させるデザインとした新型。テールエンドに向けて細くなる印象が強まった。 サイレンサーはステンレス製。オプションでアクラポビッチのストリート用、トラック用がともに用意されている。
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タンク前方に生えるスポイラー。立体的な造形とすることで、タンクに幅のある表情を与えている。 ストリート用としては最上級には居るブレンボのモノブロックキャリパーを装備。ディスクプレートはφ320mmを用意。
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新型の表情、そしてKTMのDUKEシリーズを印象付ける新しい顔。回りの白い部分はランニングライトとして光る。フルLED。開発者の一人は「これが高いんだ!」とつぶやいた。 新型のデザインの「トンガリ」ぶりがよくわかるカット。
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左スイッチボックスにある十字キーでセレクト、選択をすることができる。モニターがカラーになったことでインタフェイスにメリハリが増した。 キーレスになったことで、右側スイッチにあるグレーのスイッチを押すことで起動、停止ができる。
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ハンドル回りのビューはTFTモニターによりコンベンショナルな印象から一気にモダンになった。 こちらがスポーツモードなどストリート向け表示画面。下段の情報が時計、モード、トリップ、気温など走行に必要なものを選択可能。
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こちらがトラックモード。選択をすると画面一杯に一般公道で使用不可なる意味のメッセージが表示された。スリップアジャヤスターの強さ、アンチウイリーの状態、ローンチコントロールの作動状況などが表示される。
もう一つはスリップアジャスターの段階をアップライトさせた状態。走行中はこの状態で走り、十字キーで段階をコントロールできた。
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純正オプションのPOWER PARTSを装着した“トラック仕様”。車両の開発陣がこちらも自らセットアップしたもので、ポン付けでお好みの状態に近い性能を発揮し、さらにセットアップの幅を広げる。
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フォークアッセンブリーとクランプ。カーボンフェンダー、ウエイブディスクを交換している。(写真をクリックするとフォークアッセンブリーが見られます) リアショックも機能を増やした高性能バージョンを用意。スプリングレートもスリックまで対応可能。
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ルックスはノーマル然としているが、FRP製のシートベース+シートフォーム+ビリオンシートカバーを装着している。 チタンエキゾーストパイプとサイレンサー。共にアクラポビッチ製。ストリート用よりボリュームは大きくなる。バンク角に貢献するバックステップはペグが短い物を使う。
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ライディングモードのトラックを選択し、ローンチコントロールをオンにする。停止状態で1速にシフトし、クラッチを完全に握り、アクセルを全開にすると機能がアクティブに。エンジンの回転は、アクセル全開でも6500回転にキープされスタートの準備完了。スタートする時、クラッチはいつものようにスムーズに繋ぐこと、ポンと繋ぐと制御がウイリーを抑えるため、パワーががくっと絞られ推進力を失うからだ。クラッチをスムーズに繋げたら、後は伏せてひたすら全開をキープ。なるほど、ウイリーを絶妙な高さで抑えながらフル加速する。1回目のトライはローンチコントロールの補助無しで体験。その時は浮き上がるフロントを抑えるのに腐心してアクセルが開けにくい。2度目のトライは精神的にもラクだし、これなら直線でのポジション争いのライン読みもできる、かも。ローンチコントロールはスタート後、1500メートルを走る、アクセル全開状態ではなくなる(閉じる)、発進後20秒が経過するなどどれか一つを行えば自動解除される。また、作動可能なのは連続3回まで。その後は一定時間を置き、クラッチなどが冷えないと再使用できない。また、新車から走行1000キロ以下、水温60度以下の状態でも働かないよう安全策が講じられている。オモシロかった!

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