SUZUKI GSX-R1000R ABSデビュー

■写真:依田 麗/スズキ ■協力:スズキ/スズキ二輪 http://www1.suzuki.co.jp/motor/

 
 スズキは、スーパースポーツバイクのニューモデル「GSX-R1000R ABS」の日本仕様を7月28日より発売開始すると発表した。この新型「GSX-R1000R ABS」は、「No.1スポーツバイク」をコンセプトに、GSX-Rシリーズの特長である、エンジンと車体が調和した「走る・曲がる・止まる」の基本設計を徹底的に見直し、MotoGPで培った技術を採用することでさらに進化させ、高次元でバランスさせたモデルだ。

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 GSX-R1000シリーズを8年ぶりに全面改良した2017年モデルに日本仕様を設定し、発売を開始する。GSX-R史上最もパワフルで、最も環境性能に優れたモデルを国内仕様として購入できるチャンスがやって来た。しかもEU市場向けモデルとの違いは、ETCの装着とスピードリミッターの追加のみ。最高出力145kW(197PS) /13,200rpm、最大トルク117N・m(11.9kmf・m)/10,800rpmなどのスペックにも変更なしのフルパワー。
 
 ちなみに、新開発の999cm3エンジンは、MotoGPで開発した技術を取り入れた新機構「ブロードパワーシステム」を採用し、低中速域のパフォーマンスを損なうことなく最高出力を向上させながら、スムーズな出力の伝達と全回転域での強力な加速性能を実現している。車体は空力性能を高め、フレームの軽量化と強度の最適化を図り、エンジンの搭載角度を変更することで、コーナリング性能と操縦性を高めている。レースで開発されたショーワ社製の高性能な前後サスペンションにより高い接地性と吸収性を実現し、フロントブレーキにはブレンボ社製のキャリパーとディスクも装備。

「ブロードパワーシステム」とは、4つのメカニズムからなる総称で、高回転域での出力向上と低中速域での出力を両立するスズキ独自の技術から成り立っている。
 1)スズキレーシングバリアブルバルブタイミング:カムスプロケットに内蔵したベアリングが高回転域に遠心力で外側に広がることでカムタイミングが可変する吸気VVT
 2)スズキトップフィードインジェクター:燃焼効率、スロットルレスポンス、最高出力を向上させる、スズキ二輪車初の電子スロットルも採用
 3)スズキレーシングフィンガーフォロワーバルブトレイン:正確なバルブコントロールとエンジンの高回転化を実現する動弁装置
 4)スズキエキゾーストチューニングアルファ:エンジン回転数、スロットルポジション、ギヤポジションに基づいて排気圧を最適化することで、全回転域でトルクを向上させる、3つの排気圧調整バルブ

 また、ライダーをサポートする高度な電子制御として、制動時の姿勢を安定させる「モーショントラック・ブレーキシステム」や、エンジン出力を制御し10段階から選択できる「モーショントラック・トラクションコントロール」などの装備に加え、スムーズな変速を支援するクイックシフトシステムも採用。さらに、サーキット走行でのアシスト機能として、理想的なスタートの加速を支援するローンチコントロールシステムなども採用している。

 年間目標販売台数は240台。メーカー希望小売価格(消費税8%込み)は、2,041,200円。
※価格(リサイクル費用を含む)には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。

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新型GSX-R1000R ABSのプロダクトコンセプトは“No.1 Sportsbike”目標は「The King Of Sportsbike」。史上最もパワフルで、最も加速に優れ、最もクリーンに走るGSX-Rとなった。
■Engine design
・GSX-R史上、最もパワフルなエンジン
・低中速域のパワーを犠牲にすることなく、最高出力が向上
・エンジンディメンションの最適化により、コーナリングパフォーマンスが向上
・MotoGPで培われたブロードパワーシステムの導入により、パフォーマンスが向上

■Chassis design
・歴代GSX-R1000の中で最もコンパクトな車体
・「走る」「曲がる」「止まる」において、ライダーの信頼感を向上させるディメンション
・レース技術よりフィードバックされたサスペンションにより、快適な乗り心地を実現
・歴代GSX-R1000の中で最も空力に優れる
 
■Electronics design
・ライダーをサポートする高度な電子制御は、ドライバビリティが向上
・使いやすさと利便性の向上
 
■Styling design
・GSX-Rのスタイリングアイデンティティを継承
・風洞実験を重ねたエアロダイナミクス
・MotoGP譲りの形状とカラー
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●エンジン設計目標
 
新設計の水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ999cm3エンジンは、GSX-R史上最もパワフルで、最も加速に優れ、最もクリーンに走るエンジンである。
この新しいパワーユニットを構築するにあたり、以下の設計目標を掲げた。

1)中低速域のパワーを犠牲にすることなく、最高出力を高める。
 ライバルたちを凌駕するためには、最高出力を高めることが不可欠であった。しかし、GSX-Rシリーズは、低中速域のトルクとエキサイティングなトップエンドのパワーを組み合わせて、全回転域で幅広いパワーを発揮することに定評がある。新型GSX-R1000R ABSのエンジンは、中低速域のパワーとトルクを犠牲にすることなく、GSX-R史上最高の最高出力を発揮することに成功。この目標を達成するために、MotoGPで培われたテクノロジーが投入されている。

2)エンジンのディメンションとレイアウトを最適化し、コーナリングパフォーマンスを向上させる。 通常、エンジン設計はパワーデリバリーに重点が置かれている。しかしながら、エンジンのディメンションおよびレイアウトは、ハンドリングに大きく影響する。そのため、エンジン設計と車体設計のチームが協力し、新型エンジンのディメンションとレイアウトを最適化し、コーナリングパフォーマンスの向上に成功した。

3)高度な電子制御によるドライバビリティの向上。
 145kW(197PS)のパワーを路面に伝えるには、高度な電子制御が重要となる。MotoGP譲りのテクノロジーは、システムを複雑にすることなく、新型GSX-R1000R ABSのドライバビリティを向上Jさせるたに役立てられている。

4)耐久性と信頼性の強化。
 GSX-Rシリーズは、高い耐久性と信頼性、パフォーマンスを要求される耐久レースにおいて数々の勝利を収めて来た。新型GSX-R1000R ABSのエンジン設計においても、耐久性と信頼性が向上している。

 
 新型GSX-R1000R ABSのキーテクノロジーとなる『ブロードパワーシステム』とは?
 
 エンジン設計の目標である「低中速域のパワーを犠牲にすることなく、最高出力を高める」ことを達成するために、MotoGPで培われたテクノロジーがGSX-R1000R ABSのエンジンに投入されている。
 それがブロードパワーシステムだ。
 
 これは4つの要素が組み合わされて構成されている。
1)スズキレーシングバリアブルバルブタイミング(可変バルブタイミング)システム(SR-VVT)
2)スズキレーシングフィンガーフォロワーバルブトレインシステム
3)スズキトップフィードインジェクター(電子制御スロットルボディ)(S-TFI)
4)スズキエキゾーストチューニングアルファ(エキゾーストパイプバルブ)(SET-A)
 この4つの先進メカニズムを組み合わせることにより低中速域でのパフォーマンスを損なうことなく、最高回転数を上昇させ、最高出力の向上を実現している。そしてその結果、リニアなパワーデリバリーと、全回転域において強力な加速性能を発揮している。

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『スズキレーシングバリアブルバルブタイミング』
(SR-VVT:可変バルブタイミングシステム)
高回転域まで回り、さららなるピークパワーを発生するバルブタイミングは、中低速域のパフォーマンスを低下させる。逆に低中速域のパフォーマンスを重視したバルブタイミングでは、高回転域でパワーを出しにくくなる。その相反する問題を解決するのが、MotoGPレースで開発され実証されたSR-VVTである。SR-VVTは、複雑な仕組みを必要としない。非常にシンプルで軽量コンパクトなシステムである。インテークカムスプロケットに内蔵されたガイドプレートには、斜めに刻まれた溝があり、ある回転数以上になると12個のスチールボールが遠心力で溝に沿って移動、その時インテークカムスプロケットを回転させ、インテークバルブタイミングを遅らせる。その結果、高回転域でのパワーアップを実現することができる。
SR-VVTシステムの素晴らしい点は、軽量コンパクトで、信頼性が高かくスムーズな動作にある。遠心力は、エンジンが回転していれば常に発生し特別なパワーを使っているわけではない。10年以上、MotoGPライダー達は、バルブタイミングが変わった瞬間を感じ取ることができなかった。感じることができたのは、低中速域のパフォーマンスを犠牲にすることなく、高回転域の溢れるピークパワーまでスムーズに繋がることだった。

・インテークカムスプロケットのガイドプレートに刻まれた斜めの溝と、インテークカムシャフトに取り付けられたガイドプレートに刻まれた放射状の溝の間に、12個のスチールボールが配置される。高回転域で遠心力がスチールボールを外側に動かすと、オフセットされていた溝が整列し、インテークカムスプロケットを回転させ、インテークバルブタイミングを遅らせる。
・インテークバルブタイミングは、低回転域から高回転域まで最適化され、低中速域のパフォーマンスを犠牲にすることなく、高回転域の溢れるピークパワーまでスムーズに繋がる。
・SR-VVTシステムは、既存のパーツに組み込まれており、新たなスペースを必要とせず、重量増かも最小限に抑えられている。

『スズキレーシングフィンガーフォロワーバルブトレイン』
薄型の中空構造カムシャフトが、F1スタイルのフィンガーフォロワーを動かす。このフィンガーフォロワーは、従来のバケットタイプ(16g)に対し10gと6gも軽量で、固定されたシャフトを支点とするので、その慣性重量は、わずか3gとなっている。
慣性重量が小さいため、エンジンの高回転化とバルブのリフト量を増やすことが可能となった。また、同時にバルブのレスポンスも向上し、正確なバルブコントロールが実現されている。このフィンガフォロワーはMotoGPマシンである、GSX-RRに採用されているフィンガーフォロワーをベースに設計されており、耐久性向上のためダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングが施されている。

・新型GSX-R1000R ABSのバルブトレインは、従来のバケットタペットからフィンガーフォロワーロッカーアームに変更し、正確なバルブコントロールとエンジンの高回転化を実現。
・ロッカーアームは固定されたシャフトを支点とするので、バルブ当たりの慣性重量はバケットタペットシステムと比較して大幅に低減。
・小さな慣性質量は、バルブのリフト量を増やし、エンジンの高回転化が可能となり、最高出力が向上。また、全回転域で、バルブレスポンスが向上し、正確なバルブコントロールを実現している。

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『スズキトップフィードインジェクター』(S-TFI)
新設計のライドバイワイヤーを搭載した、軽量コンパクトなスロットルボディは、従来モデルのスロットルボディよりも19mm短く、ボアは2㎜大きい直径46mmとなっている。
スロットルボディには、シングルバタフライバルブを備え、先進のエンジンマネジメントシステムによって制御されている。各シリンダーには、2つの超微粒化10ホールフューエルインジェクターを採用。
プライマリーインジェクターは、スロットルボディに狭角で取り付けられ、エンジン稼働中は、常に燃料を噴射。2つ目のインジェクターは、トップフィードインジェクター(TFI)と呼び、エアクリーナーボックス上部、各スロットルボディのインテークファンネル上部に取り付けられ、高回転域で作動する。トップフィードインジェクターは、燃焼効率、スロットルレスポンス、最高出力を向上させるために最適化された燃料を噴射する。

・各スロットルボディのプライマリーインジェクターは、エンジン作動中、常に燃料を噴射。
・エアボックス上部に取り付けられたトップフィードインジェクターは、高回転域で作動。細かく霧化された燃料を燃焼室に供給する。デュアルインジェクターにより、低中回転域のパワーを損なうことなく、より高いピークパワーを実現。
・エアクリーナーは、吸気容量の増加に合わせ、より多くの空気流量を確保している。

『スズキデュアルステージインジェクター』(S-DSI)
新開発のスズキデュアルステージインジェクター(S-DSI)は、重量の増加、複雑さ、コスををかけずに、可変長のインテークファンネルの利点を実現している。
4つのインテークファンネルうち2つがデュアルステージとなっている。デュアルステージインテークは、長いファンネルの上に短いファンネルが配置され、2つのファンネルの間にはギャップが設けられている。

・S-DSIシステムは、#1と#4シリンダーにデュアルステージインテーク、#2と#3シリンダーにはシングルステージインテークを備える。短いファンネルは高回転域、長いファンネルは低中速域で有効な機能となっている。空気の流れの物理特性により、S-DSIファンネルは、低中速域では長いファンネルのように作動し、高回転域では短いファンネルのように作動する。
・低中速回転域では、ほとんどの空気は、長いファンネルから短いファンネルを通って流れていき、低中速域のパワーとトルクが向上する。高回転域では、長いファンネルの下にあるギャップを通って短いファンネルに直接流れ込み、トップエンドのパワーとトルクを向上させる。2つのS-DSIファンネルと2つのシングルステージインテークファンネルを組み合わせることにより、より幅広くスムーズなパワーバンドを実現し、低中速域から高回転域へのスムーズなパワーデリバリーが可能となる。

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『スズキエキゾーストチューニングアルファ』(SET-A)
従来型のGSX-R1000は、エンジン回転数、スロットルポジション、ギアポジションに基づいて、ミッドパイプに内蔵されたサーボ制御のバルブにより排圧を最適化することで、全回転域でのトルクを向上させる、スズキエキゾーストチューニング(SET)を採用してきた。
そして、新型GSX-R1000R ABSのエキゾーストシステムは、新開発のスズキエキゾーストチューニングアルファ(SET-A)として採用。バタフライバルブを追加することでSETを大きく進化させた。
ヘッダーバランスチューブは#1と#4シリンダーのヘッドパイプを連結し、もう1本のバランスチューブは#2と#3シリンダーのヘッドパイプを連結。この設計は、通常、容量が増加し排圧が低減するため、高回転域のパワーは増大するが、低中速域のパワーが犠牲になる。そこで各ヘッダーバランスチューブにサーボ制御のSET-Aバタフライバルブを追加し、低回転域ではSET-Aバルブを閉じトルクを増加。高回転時にはバルブを開き、容量増加と排圧低減、排気脈動効果により、より高いパワーを実現する。
エンジンデザインが、コーナリング性能を向上させる
従来型のGSX-R1000は、AMAスーパーバイク選手権、スーパーバイク世界選手権、世界耐久選手権など、数々のレースで勝利を収めて来た。しかし、ライダーとチームは、レースでのフロントのフィーリングと路面から得られるインフォメーションの改善を求めてきた。
エンジンの長さをいろいろ変えたところ、コーナリング中のフロントタイヤからのインフォメーションをライダーが感じ取りやすくなることが明らかになった。
エンジンを6°起こし、新型エンジンはシリンダーヘッド前部からクランクケース後部までで、22.2mm短縮することができた。また、フロントアクスルからスイングアームピボットまでの距離も20㎜短縮された。
 
・エンジン長が短いため、エンジンをフロントタイヤに近づけることができ、フロント周りのフィーリングとライダーに届くインフォメーションが向上。
・エンジン幅が狭くなり、正面東映面積が減少し空力性能が向上。
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先進の電子制御がスポーツライディングをサポート
IMU(慣性計測ユニット)を装備した高度な電子制御システムは、32-bitデュアルプロセッサー、ECM(Engine Control Module)によってコントロールされている。ライダーがスロットルグリップを回すと、ECMはスロットルポジション、クランク角度と、エンジン回転数、ギアポジション、前後の車輪速度、IMUから計算する車両の姿勢、排出ガス中の酸素濃度を読み取る。
そして、点火時期の調整、スロットルバルブの開閉をおこない、トラクションコントロールシステムと連動して吸入空気量を最適化し、より効率的かつ完全燃焼を行うよう燃料噴射量を調整。効果的なトラクションコントロールと、よりリニアなスロットルレスポンス、全回転域における排出ガス低減を実現する。
車両の動きと姿勢を検知するIMU
新型GSX-R1000R ABSの高度な電子制御システムは、車両の動きと姿勢をピッチ、ロール、ヨーの3軸に沿って6方向を検知するIMU(Inertial Measurement Unit)を採用。
車両の動きをリアルタイムで検知することにより、トラクション、ブレーキング、コーナリング制御をより正確かつ効果的に行うことが可能。IMUベースのシステムは先端テクノロジーとMotoGPマシン開発から生まれている。
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S-DMS(スズキドライブモードセレクター)
スズキドライブモードセレクター(S-DMS)は、左ハンドルスイッチにより、3つの走行モードから任意のモードを選び、エンジン制御マップの切り替えを可能とした。
ワインディング、市街地、高速クルージングなど、様々なライディングコンディションやライダーの好みに応じた走行モードを選択することができる。S-MDSは、10モードのトラクションコントロールシステムと合わせて、バリエーション豊富な出力特性を選択可能。
スズキイージースタートシステム
ワンプッシュで始動が可能なスズキイージースタートシステムを装備。スターターボタンを押すと一定時間スターターモーターが回転。ECM(Engine Control Module)が始動状況を認識してスターターモーターを止める。スズキイージースタートシステムと、アイドリングを安定させるアイドルスピードコントロールシステムがコールドスタートを改善し、排出ガス低減に貢献する。
・右ハンドルバーのスタートスイッチをワンプッシュで始動が可能。スタートスイッチを押し続ける必要がない。
・指導の際、ニュートラルであればクラッチレバーを握る必要はない。
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新設計の車体デザイン
新設計の車体は、より軽量コンパクトで、応答性と俊敏性が向上している。サーキットにおいても「走る」「曲がる」「止まる」の基本性能向上を実感することができる。
・エンジンを後退させたことで前後長が短くなり、フロントアクスルからスイングアームピボットまでの距離が20㎜短縮。
・短くなったエンジン前後長により、エンジンをフロントタイヤに近づけることができ、フロント周りのフィーリングとライダーに届くインフォメーションが向上。
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アルミフレーム
・新設計のメインフレームは、より軽量コンパクトになり、軽快なハンドリングと高い接地感を確保。
・メインフレームは、最新のFEM(Finite Element Method)解析技術を用いて設計され、剛性を最適化。従来のメインフレームより10%の軽量化を達成。
・フレームパーツのデザインと溶接ポイントが変更されている。例えば、ステアリングヘッドとフロントエンジンハンガーは、いったいの鋳造パーツとなっている。
・タンクレール上面の最大幅は、従来型より20㎜短縮されている。
 
スイングアーム
・新設計のスイングアームは剛性を最適化。サーキットでのハンドリングを向上している。
SHOWA BFF(Balance Free Frontfork)
レース技術よりフィードバックされた、ショーワ製BFF(バランスフリーフロントフォーク)を搭載。BFFは、減衰力応答性向上によるスムーズなストローク、優れたトラクションと吸収性を実現している。BFFシステムは、内部ピストンが上下に動く際、油圧をバランス(均等化)させ、ピストンが押されると、フォークレッグからオイルを押し出し、外部ダンピング回路を通って、フォークレッグに戻り、ピストンの反対側に流れる。これにより、伸側/圧側の油圧は、ピストンの動きに左右されずほぼ一定となる。オイルが通過するダンピング機構は油圧の不均等から解放され、ピストンの動きに応じた減衰力がすぐに立ち上がる。減衰力応答性向上により、路面状況を把握しやすく、コーナリングのグリップ性を向上させる。圧側/伸側ダンピングおよびスプリングプリロードは、外部から容易に調整可能。
BFFのリバウンドおよびコンプレッションダンピング回路は、フォークカートリッジ内部ではなく、アクスルホルダーに装着されている。バランスフリーシステムは、ピストンが押されると、フォークレッグからオイルを押し出し、外部ダンピング回路を通って、フォークレッグに戻り、ピストンの反対側に流れる。これにより、ピストンの上下の油圧をバランス(均等化)する。このシステムは、減衰力応答性を損なう油圧の不均等を回避する。サーキットにおける高い接地性とコーナリングトラクション、ストリートにおける快適な乗り心地を実現している。
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SHOWA BFRC lite(Balance Free Rear Cushion lite)
BFRC liteは、ピストンが上下に動く時、ピストン上下の油圧をバランス(均等化)する。
ショックアブソーバーが圧縮されると、オイルはショックアブソーバー上部に内蔵された外部ダンピング回路の圧側バルブ機構を通り、ピストンの反対側の伸側チャンバーに戻される。リバウンド時、オイルは外部ダンピング回路の伸側バルブ機構を通り、ピストンの反対側の圧側チャンバーに戻される。従来のショックアブソーバーは、オイルがピストンの上下に取り付けられたシムバルブを通過するときの抵抗を利用し減衰力を生み出している。ピストンの動きによって一方のチャンバーは油圧が高まり、反対側は油圧が下がるという不均等が生じる。BFRC liteは、外部ダンピング回路をオイルが通過するため、ダンピング機構は油圧の不均等から解放される。ライダーがサーキットやストリートで感じることのできる違いは、減衰力応答性の向上による高い接地力と吸収性、優れたトラクションによる加速性の向上にある。ダンピング制御の向上により、高速側と低速側のダンピングアジャスターを別個に装備する必要がなくなり、リアショックの軽量化に貢献する。
BFRC liteは、プログレッシブリンク上で動作。ダンピングアジャスターは、分かりやすく配置され利便性を高めている。
Brembo製ディスク・Brembo製モノブロックラジアルマウントキャリパー
・新たにBrembo製ステンレスブレーキディスクを採用。直径は320mm、従来型より10㎜直径が大きくなっている。
・ディスクマウントにスラスト方向のガタを抑える従来のフローティングピンとラジアル方向の接触面積を効率よく増やすことができるBrembo独自のTドライブマウントを半分ずつ使ったハイブリッドフローティングマウントシステムを新たに採用。
・BremboのTドライブフローティングマウントは、軽量でありながらディスクとディスクキャリアの接触面積が大きくなり、従来型の12個のマウントから10個とした。大径化したディスクの重量増加を最小限に抑える。
・直径32mm対向4ピストンのBrembo製モノブロックラジアルマウントフロントブレーキキャリパーを採用。マスターシリンダーは、直径19mmのラジアルポンプタイプ。
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GSX-R1000R ABSの国内発売を発表したスズキ二輪の濱本英信社長(左から2人目)とスズキの開発スタッフの皆さん。

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