RIDE AFRICA TWIN 2017 第2回アサマビバークミーティング アフリカツインでとことん遊ぶ!
■レポート:松井 勉 ■写真:ホンダモーターサイクルジャパン http://www.honda.co.jp/motor/

■日時 2017年7月22日〜23日
■会場 プレジデントリゾート軽井沢

 アフリカツインの歴史は1988年に発売されたXRV650に始まり、その後、初代、二代目のXRV750へとモデルチェンジをして独自の存在を示した。その後しばしの休眠を経て2016年、CRF1000Lアフリカツインとして四代目が登場している。ツーリングでの快適性、オンロードでの楽しさ、オフロードでの走破性、そして存在感。アフリカツインが持っていた根本はそのままに、21世紀の技術と開発者の熱い思いを封入。また、DCTモデルをラインナップするなど高い注目を集める存在となっているのはご存じのとおり。

 そのアフリカツインのユーザー同士、ユーザーと開発者(造り手)を結ぶことで、より楽しめるアフリカツインライフを、というコンセプトで2016年に始まったのが『RIDE AFRICA TWIN アサマビバークミーティング』(第一回の模様はこちらで)だ。
 アフリカツインの歴史と深い関係にあるダカールラリー。そのビバークを模したパドックで過ごす趣向で演出された会場には新旧アフリカツイン乗り達が多く集まった。

 群馬県嬬恋村にある浅間火山レースコース跡地で開催された昨年に続き、今年も7月22日、23日の2日間、RIDE AFRICA TWIN第2回アサマビバークミーティングとして開催された。2日間に訪れたユーザーは130名。新旧アフリカツインはもちろん、アドベンチャーセグメントのバイクが多く集った。なかでも、新型アフリカツインユーザーの数が増え、自分流のバイクライフをバイクに投影してるユーザーが多かったのが印象的だった。

 開催地を昨年の浅間火山レースコース跡地からも近い軽井沢スノーパーク内でキャンプ場として営業するアースマイルビレッジに移し、ライディングはもちろん、家族とのキャンプ(文字通りビバーク)も楽しめる2デイズとして内容を充実させての開催となった。


RIDE AFRICA TWIN第2回アサマビバークミーティング

RIDE AFRICA TWIN第2回アサマビバークミーティング

RIDE AFRICA TWIN第2回アサマビバークミーティング

RIDE AFRICA TWIN第2回アサマビバークミーティング

 7月22日、9時30分に開始されたイベント受付には、早くも多くの参加者が集まり始めた。この日行われる会場周辺を100kmに渡りコマ図を頼りにツーリングをするアドベンチャーラリーツーリングや、オン&オフロード試乗などへの参加者だ。中でも、ラリーツーリングでは、嬬恋パノラマライン、その先にある4kmほどの見晴らしの良い林道を通過した後、昨年、CRF450 RALLYやCRF1000Lアフリカツインも参加した『浅間ヒルクライム』のルートを一気に下り、中軽井沢周辺を経由し走るというコースだった。



RIDE AFRICA TWIN第2回アサマビバークミーティング

 そのゴール地点となったのは、普段は徒歩以外、一般車で入ることが出来ない浅間牧場内に設定された。牧場関係者の特別な計らいで許可をもらい、場内にある見晴らしの良い天丸山までアフリカツイン達が入る事を許されたのだ。

 そこからは、牧場内に残るかつて浅間火山レースコースの一部を遠望できるという、ホンダや日本のモータースポーツの歴史を垣間見られる大切なポイントだ。参加者は牧場入口にある消毒プールを通過し、場内への疫病感染防止に配慮をしたほか、遠くの牧草地で草を食む育成中の牛たちが驚かないよう、参加者を複数のグループに分け、場内の道路を天丸山まで先導付きで移動した。天丸山では、まるで北海道のような広がりと、その背景にある浅間山、という雄大な風景を楽しんでいた。


RIDE AFRICA TWIN第2回アサマビバークミーティング

RIDE AFRICA TWIN第2回アサマビバークミーティング

 イベント会場には、ホンダコレクションホールから特別展示車として持ち込まれた、初代と3代目アフリカツインの他、浅間火山レースで活躍したRC160もの姿も。ここでも日本バイク史を楽しめたのだ。

 試乗コンテンツも人気だった。会場周辺を一回りするオンロード試乗、もしくは砂利の広場に造られたコースで、新型アフリカツインの走りをしっかりチェックできる設定のコースだった。意外なのは、新型アフリカツインのオーナー自身が、試乗に参加し、愛車として選んだ自車のミッション以外のMTもしくはDCTミッションをじっくり試乗する姿だ。「なかなかこんな比較はできませんから」「これで選択にまちがいない、と思えました」と笑顔で走る人が印象的だった。


フジムラさん+ヤマハDT125 (1979)

マエジマさん+ホンダCL72 349cc (1963)

 会場となったスキーゲレンデには一周700mほどのコースも設営され、オフロードをフリー走行で楽しんだ。自身のバイクではもちろん、他の参加者が走らせるバイクを眺めながら研究をする姿も見受けられた。



ミウラさん+トライアンフT120

 1日目の夜、ディナータイムにはアフリカツインの開発者によるトークライブが行われ、深い話題が披露された。

 2日目、7月23日は時折雨が降る空模様だった。朝9時からはCRF1000Lの技術要素を開発者自らが参加者にプレゼンテーションするコンテンツから始まった。その後、昨日同様に行われたCRF1000Lアフリカツインの試乗では、プレゼンテーションで紹介されたアフリカツインの機能を実際に体感するものとなった。この“機能体感”試乗では現行モデルに搭載されている電子制御、セレクタブル・トルク・コントロールを任意に変化させ効き具合の体感や、ABSがダート路面でどのように機能的なのか、またDCTモデルに搭載されるGスイッチの効能を、開発スタッフをナビゲーターとして、直接レクチャーを受けながら行われた。すでにユーザーとなっているライダーからも「しっかりと体感できた」「装備の意味がよく解った」などの声が聞かれた。

 また、降雨のため、一部走行コンテンツがキャンセルされたため、急遽、開発者自らが伝える“メンテナンスのツボ”として、エアクリーナーエレメントへのアクセス方法を屋内会場で実車を前にレクチャーしたり、デザインパートのワークショップ、また開発者への要望を質疑応答形式で行うなど、充実した内容に参加者達も楽しんだ様子。


イジチさん+スズキハスラー250 (1981)

ヤマナカさん+DKW125エンデューロ (1969)

 今回初めて試みたコンテンツとして、ライディングとメカニカルスキルを複合してベストライダーを選ぶマスターオブアフリカツインでは、新型アフリカツイン乗り9名がエントリー。二つのスキルの合算タイムで競うコンテストを行った。

 ステージ1として、自ら取り外した後輪を走行状態に戻すタイムを競った。ライダー本人がスイングアームから取り外した後輪を取りつけるのだが、強者は1分と要さずに終了させる。まるで耐久レースのメカニックのごとしだ。

 そしてステージ2は、この日コンディション不良で走行中止になっていたゲレンデコースを使ったタイムトライアル。全長は400mほどに短縮したものの、一部難易度を上げた専用ルートをゲレンデに設定し、スタートからフィニッシュまでのタイムを競うというもの。
 イベントの終盤近くに行われたこのコンテンツだが、ゲレンデで仲間の走りを応援する声が響く熱いものとなった。


マスターオブアフリカツイン

マスターオブアフリカツイン

 会場にはアフリカツインユーザーが関心を寄せるメーカーがブースも出展。タイヤ、サスペンション、カスタムシート、用品、ウエアなどが軒を並べ、2日間を盛り上げた。



会場にはアフリカツインユーザーが関心を寄せるメーカーがブース


会場にはアフリカツインユーザーが関心を寄せるメーカーがブース


会場にはアフリカツインユーザーが関心を寄せるメーカーがブース

 アフリカツインの開発チームも自身が乗るアフリカツインで多く参加し、乗り手と造り手が多いに楽しんだ2日間は、23日午後4時前、全てのコンテンツを終え、閉会した。2日目は天候が安定しない中だったが、さすがアドベンチャーバイク。参加者達が元気に会場を後にする姿が印象的だった。


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