CB125R試乗

 
ご無沙汰しております。原付二種(G2)の理想郷を目指す”G2連邦”のピンキー高橋です。2018年はPCX、CB125R、そして7月発売のモンキー125と、ホンダより原二モデルが続々と登場! PCXに関して言えばハイブリッドとEVの登場も控えており、いずれのモデルもピンクナンバーの原二なるとか? そんな中、250&1000と共に新生CBとしてラインナップされるネイキッド・ロードスポーツのCB125Rをご紹介いたしましょう。

■試乗:ピンキー高橋
■写真:依田 麗
■問合せ:Hondaお客様相談センター TEL0120-086819
http://www.honda.co.jp/CB125R/

サス、ブレーキの動き、感触が気持ちいい!

 ホンダ・ロードスポーツの伝統とも言える”CB”の名が最初に冠されたのは今から60年近くも昔、1959年のCB92。CBの原点は125ccなのでありました。1970年には単気筒エンジンを搭載したスリムで軽いCB125Sが登場。以降、日本で原付二種クラスのCBシリーズはツインとシングルの2本立てというラインナップで2000年頃まで続くのですが、バイク入門者から玄人まで幅広く支えてきた功労者的存在であるのは言うまでもないでしょう。その後、排出ガス規制などによってラインナップから一時姿を消した時期もありましたが、2013年にフルカウリングのスーパースポーツ・CBR125Rが登場。そして2018年、原点に帰るべく再びシンプルなCBの名を冠した”SPORTS ROADSTER” として今回ご紹介するCB125Rの登場となりました。

 CB125Rは3月8日に同時発表となった1000R、250Rと共に新世代CBシリーズとしてマスの集中化を図った凝縮感あるスタイルを採用。中でも125Rと250Rはサイズ的に近いこともあり、外装パーツやマフラー取り回しなどの違いはあるものの共通のイメージをもっています。

 元デザインは2014年のインドネシアショーや2015年の大阪&東京モーターサイクルショーに出展されたプロアームを採用するコンセプトモデル「SFA(Small Fun Advance)」でしょうか? 前後ラジアルのワイドなタイヤも125クラスとは思えない迫力を放っています。

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コンセプトモデル「SFA(Small Fun Advance)」。搭載されるエンジンは150ccだった。

 新設計となるダイヤモンド・フレームには水冷4ストロークOHCの単気筒エンジンを搭載。オイルクーラーのごとくコンパクトなラジエターが付いています。エキゾースト系の取り回しは250Rのいわゆる一般的なレイアウトに対し、125Rは車体下部にまとめられ、この部分で印象を異としています。個人的には原付二種モデルを表すリアの”三角マーク”の真ん中がくり抜かれているところなど、各部の細かな造形に目を奪われてしまいました。

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ライダーの身長は173cm。写真の上でクリックすると片足時→両足時、両足時→片足時の足着き性が見られます。

 一文字に近い低めでワイドなバーハンドル、そして高めのシート位置からして、CB125Rはモタードから派生したストリートファイター的モデルのように前荷重の挑戦的ポジション。跨ると、燃料タンクのボリューム感が印象的です。ただ、タンク前左右部がえぐられ、ハンドル切れ角は確保されており、街中での取り回しに不安はありません。スターターボタンを押してエンジンを始動すると、ちょうどライダーの下からエキゾーストサウンドが聴こえます。エンジン(アイドリング時)は小気味よいタカタカ音。

 クラッチはとても軽く、エンジンも低中回転域を重視したようで、ビギナーや女性にとっても扱いやすそう。11000rpm弱でレッドゾーン、レブリミットは11500rpm辺りで、とにかく高回転までのフラットなトルク特性は同じホンダの原二スポーツ・グロム的印象。
 
 一方で車体関係はフロント周りの剛性感といい、エクストリーム的ライディングを求めてくるような感じ。サスの動きがとても良く、まるで2クラスくらい上のバイクに乗っているよう。ブレーキのタッチ、コントロールもしやすく、とにかくフロントフォークとフロントブレーキによる一連の動きが気持ち良く、とにかく際立っています。それは私が今まで乗ったことのある125クラスのロードスポーツ中でトップかな? と思ったほど。ちなみにCB125RはABSが標準装備となっています。

 平均燃費、消費燃料、平均速度、ストップウォッチ、時計、ピークホールド、ギアポジション表示なども備わるフルデジタルの液晶メーターの視認性の高さは言うまでもないでしょう。ただ、スイッチ類は最近のモデルからデザインが変わったようで、ウインカースイッチ部分の大きさがやや気になりました。また、CB125Rには同クラスのライバル同様、パッシングスイッチを装備。高速道路などを走る機会がないので個人的に不要かな? と思っていましたが、夜道に一瞬、遠くを見たいときなどは便利だなあと思いました。尚、ヘッドランプはLEDですが、LEDヘッドランプをいち早く採用した先代PCXのように「実際は明るいけど運転しているライダーの目からは明るく感じない」ことはありません。日々、LEDの技術はさらに進歩しているようです。

 今回のCB125R、もちろん細部は異なるでしょうが、発表資料を読む限りでは250Rと車体を共用しているのでしょう。足がしっかりしており、シャシーファスターな印象を受けました。かと言ってアンダーパワーというワケでもない。とにかく動力性能のトータルバランスがいいのでしょう。ビギナーからベテランまで、幅広い層を満足させるモデルと言えるのではないでしょうか?
 
(試乗・文:ピンキー髙橋)
 

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個性的なフロントマスクを印象付けるヘッドライトは奥まってマウント、マスの集中化に貢献している。灯火器は全てLEDを採用。 10L容量の燃料タンクに樹脂カバーを装着、グラマラスな造形を作り出す。テーパー形状のバーハンドルの切れ角もしっかりと確保される。 バーグラフの回転、デジタルの速度を表示する液晶メーターにはシフトアップインジケーター、ピークホールド、ギアポジションインジケーターなど多機能が備わる。
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フロントにはφ41mmのSHOWA製倒立フォーク、φ296mmフローティングローター+ラジアルマウント の対向4ポッドキャリパーという豪華なアイテムが奢られる。さらに125RはABS (急制動時の後輪浮き上がりを効果的に抑制する車体姿勢推定システム付)を標準装備。 リアサスペンションには車体取り付け角の自由度を持たせることでマスの集中に寄与する分離加圧式ユニットを採用。スイングアームは高剛性としなやかさを兼ね備えた新設計の高張力鋼板製。右側はマフラー出口の逃げを設けた左右非対称(ガルアーム)形状に。タイヤは前後ラジアル。 エキゾースト系は250Rのコンベンショナルなレイアウトに対し、125Rは車体中心下部にコンパクトに収めたことで マスの集中化に貢献する2室構造のダウンショートマフラーを採用。外観イメージの差別化が図られ、特有の小気味よいサウンドも特徴。
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出力の数値は13PSと125のロードスポーツとしては控えめながら、走ってみるとそうは感じないエンジン。ラジエターがオイルクーラーのようにコンパクト。 タンデムシートはテールランプ下のキーロックによって取り外し可能。小物が収まるスペースを確保。 原付二種モデルを識別できるリア正三角形の標識は、今までのホンダ車には稀な中央部がくり抜かれたタイプ。
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●CB125R  主要諸元
■型式:2BJ-JC79 ■全長×全幅×全高:2,040 ×820 ×1,055mm■ホイールベース:1,345mm■最低地上高:141mm■シート高:815mm■車両重量:127kg■燃料消費率:53.0km/L(国土交通省届出値 60km/h定地燃費値 2名乗車時)47.2km/L(WMTCモード値 クラス1 1名乗車時 )■最小回転半径:2.3m■エンジン種類:水冷4ストロークOHC単気筒■総排気量:124cm3■ボア×ストローク:58.0×47.2mm■圧縮比:11.0■最高出力:9.8 kw(13 PS)/10,000rpm■最大トルク:10 N・m(1.0 kgf・m)/8,000rpm■燃料供給装置:電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)■始動方式:セルフ式■点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火■燃料タンク容量:10L■変速機形式:常時噛合式6段リターン■タイヤ(前/後):110/70R17M/C 54H/150/60R17M/C 66H■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/油圧式ディスク■懸架方式(前/後):テレスコピック式(倒立サス)/スイングアーム式■フレーム形式:ダイヤモンド■車体色:ブラック、キャンディークロモスフィアレッド、パールメタロイドホワイト■メーカー希望小売価格(消費税8%込み):448,200円


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