2019年7月5日 

■黒山、電動トライアルバイクで僅差のランキング2位……

 黒山健一とYAMAHA FACTORY RACING TEAMによるトライアル世界選手権・電動クラスへ電動トライアルバイク「TY-E」での挑戦。

 好成績を残したもののライバルに及ばす2位に終わった初戦のオランダGPの翌週に行われた最終戦ベルギーGPでは、1ラップ目の序盤に減点を重ねるも後半はクリーンを重ね2番手。続く2ラップ目はクリーンこそ10としたが、減点を19 に増やし終了。クリーン数は同じながら、今回も大きな減点を抑えたライバルに及ばず、僅差のランキング2位で2度目となるTrialE クラスでの挑戦を終えた。

黒山健一のコメント
「狙ったのは優勝、チャンピオンの獲得でした。それを達成できず悔しいし悲しいし、気持ちとしては落ち込んでいます。レースに向けては非常にポジティブで、チャレンジ、リベンジだけを考え、思い切ってトライできました。でもマシンに足りない部分もあったし、カベスタニー選手との差もありました。やはり彼とは世界選手権の雰囲気、ノンストップルールへの慣れなど、実力・経験の差があったのです。それでも、世界の走りを目の前にして、心の持ち方、走り方など忘れかけていたものを思い出しました。TY-Eもある部分は進化が必要ですが、すでに世界一に到達している部分があることも実証できました。ここから切り替え、再び全日本に集中します。まずは北海道大会です。引き続き応援をよろしくお願いします」

YAMAHA FACTORY RACING TEAM木村治男監督のコメント
「初戦は僅差の2位でしたが、最終戦は勝った方がチャンピオンという状況でした。最終戦までの1週間は、ライダーだけでなく、チーム全員ができることをやり尽くし、現状のベストで臨みました。黒山選手は勝つためにクリーンのために勝負し、TY-Eもそれに応える走りをしてくれました。しかし勝負は紙一重。あるときはよい方に、ある時は悪い方に転ぶわけですが、悪い方に転ぶこともあったのです。今回も若いエンジニアが先頭で引っ張ってくれましたが、今後に生かされる何かを掴み、飛躍のきっかけになればと思います」

ヤマハ発動機MS戦略部レース支援グループ佐藤美之マネージャーのコメント
「参戦が決定してから、昨年のレビューを確認し足りなかったものはすべてを満たして大会に臨みましたが、強力なライバルの出現で初戦は2位。そして最終戦に向けては、チーム全員が挑戦者であることを改めて自覚し、黒山選手も同じ精神を持って、全セクションをクリーンする攻めの姿勢で臨みました。しかし結果はまたしても2位、ランキングも2位と目標には届きませんでした。敗因をあげるとしたら経験の差だと感じていますが、それでもライバルと同じクリーン20という数字が示す通り、黒山選手の挑戦、TY-Eの可能性を多くの方に感じていただけたと思います。最後に、難しいミッションに再び挑んでくれた黒山選手、チームスタッフ、そしてファンの皆様の応援に感謝いたします」