若い翼達のある1日

ホンダドリーム東京 HONDA

 本田技研工業はこれまで、新卒採用者は入社後に希望や適性を判断し、二輪、四輪、汎用いずれかの事業に配属されていた。つまり「ホンダのバイクを開発したい!」という夢をもって入社しても、クルマの開発に配属されることもあった。

 平成24年度の入社より新設された「二輪スペシャル採用」 とは、正にホンダの原点であり、成長著しい新興国などでの二輪強化のための採用枠。大山本部長(本田技研工業 専務二輪事業本部長)の一声で二輪専門の営業、企画、開発スペシャリストを養成することになったという。

 そんな二輪スペシャル採用者達が販売店での研修終了を間近に控えた5月に集結。ニューミッドコンセプトの最新モデル、インテグラで都内をツーリングするという、その貴重な機会に同行させていただいた。

二輪スペシャル採用者の一部11名が、研修中の各店舗からホンダドリーム大田店に集結。さすがに皆若い! で、ホンダ・ウェアに身を包みスタート前の記念撮影。 正午、小雨パラつく中ツーリングはスタート。ニューミッドコンセプト・シリーズの中で最も“新感覚”なインテグラ、しかも9台が隊列のほとんどを占める。

 二輪スペシャル採用となった彼らは4月に本田技研工業に入社後、2ヶ月間、首都圏のホンダドリーム店で研修を行っていた。今回のツーリングに参加するのは、その中でもドリーム東京の各店舗に配属されていた11名。“Honda”という世界企業の本社に採用された言わば超エリートである。こう言っては大変失礼だが、就職難の時代を勝ち抜き、一流企業に採用されたバリバリのやり手風には見えない。ドリーム店のウェアもまだ板についていない。まだ学生の雰囲気も漂っている。あくまで最初の印象ではあるが……。

 今回のツーリングは彼らが提案・企画したもの。ホンダの今年の目玉であるニューミッドコンセプトモデルを、研修中の仲間たちと走ったら、街で相当なインパクトを与えることができる。つまりプロモーション効果が得られるということ。自社製品を知り、宣伝し、販売に貢献というワケだ。

 その一方で、何かカタチとして残る企画を立案させるという、これから世界で戦う彼ら2ヶ月の研修期間中の最後の思い出づくりという、ドリーム東京からの親心もあったようだ。

パラレルツインの独特のサウンドを放つニューミッドコンセプトの大群に、街行く人々が振り返る。今回、唯一の女子が駆るのはNC700Xのローダウン仕様だ。 もはや地名がブランドとして独り歩きしている日本最大の繁華街・銀座にて。街行く人に手を振り、早くも愛社精神を発揮する二輪スペシャル採用者たち。
日本の道路網の始点、日本橋近辺にて。レインウェアを着るまでもないが小雨は降り続いている。インテグラはフロントのスクリーンのおかげで問題なさそうだ。 予定よりちょっと遅れて、表敬訪問で青山一丁目の本田技研工業本社へ。広報部のセッティングでまずはランチへ。