2012年7月30日 

■鈴鹿8耐、TSRが2年連続3回目の優勝

 7月29日(日)、鈴鹿サーキットで開催された8耐(2012 FIM世界耐久選手権シリーズ”コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース )は今年も様々なドラマを生み、35回目の節目に相応しい盛り上がりを見せた。節電の影響からスタート時間が早められた昨年と異なり、今年は夜間走行が復活。第1回大会から受け継がれる8耐の幻想的なシーンが演出された。

優勝した♯11 TSR Honda(ライダーはJ.レイ)

 結果は215周を走ったTSR Hondaのジョナサン・レイ/秋吉耕佑/岡田忠之組が優勝。TSR、そして秋吉にとっては2連覇となった。また、ブリヂストンタイヤ装着チームの優勝は、2006年の初優勝から7年連続に。

 2位はTOHO Racing with MORIWAKI の山口辰也/高橋裕紀/手島雄介組で、CBR1000RRの1-2フィニッシュという結果となる。

 3位は世界耐久シリーズ参戦組のヤマハ・フランスのデビッド・チェカ/ケニー・フォレイ組。ヤマハにとって2003年以来の表彰台となった。

 8耐の顔とも言うべきヨシムラのレオン・キャミア/青木宣篤/ジョシュ・ウォーターズ組は予選3番手からスタート。3位を堅守していたがペナルティやトラブルにより後退、完走を逃す。


2位の♯104 TOHO Racing with MORIWAKI(ライダーは高橋裕紀)

3位の♯94 YAMAHA FRANCE GMT94 MICHELIN YAMALUBE(ライダーはD.チェカ)














♯7 MONSTER ENERGY YAMAHA -YART(中須賀克行)、♯634 MuSASHi RT HARC-PRO. (清成龍一)、♯12 YOSHIMURA SUZUKI RACING TEAM(J.ウォーターズ)

 トップ10トライアルで見事ポールポジションを獲得した中須賀克行/トミー・ヒル/芳賀紀行組ヤマハ・オーストリアは10周目にトップに立つと、エース中須賀は順調にラップタイムを刻み2位との差を広げていくが、18周目130Rで転倒。マシンは中須賀によってピットまで押して戻され、修復されたマシンはヒル、芳賀に託されたがマシンは完全に修復された状態になく、安全面を配慮するという理由でリタイアとなった。

 世界耐久シリーズ参戦組の中の注目の1台、スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム(SERT)のヴィンセント・フィリップ/アンソニー・デルホール/加賀山就臣組は予選8番手からスタート。耐久のプロチームは中盤までに3位に上がる戦いを見せたが、結果は204周の15位だった。

 鈴鹿8耐の最多優勝記録タイがかかった清成龍一、高橋巧の連続表彰台記録更新、そして9年ぶりの8耐となる青山博一のトリオで優勝候補として注目を浴びたハルクプロは予選2位からスタート。予想通りTSR Hondaと激しいトップ争いを展開したが、5時間経過後、青山からライダーチェンジした清成がアウトラップのデグナーで転倒! フルタンクのマシンから火が上がり、自身も炎に包まれた清成がヤケドを負いながら渾身の力でマシンをピットに。結果は165周・41位だった。

 優勝チームのコメントは以下の通り。

ジョナサン・レイ
「表彰台の上は感動的でした。僕は24時間耐久を走ったことがないですが、この鈴鹿8耐は、僕にとっては世界で一番タフなレースです。耐久であり、スプリントレースでもあります。燃費も厳しく、本当に大変なレースでした。なんとか15秒のビハインドを築き、秋吉さんに渡すことができたときは満足感を得ることができました。岡田さんは友人であり、先生であり、心強い存在でした。そして、なによりも秋吉さんに感謝しています。勝つことができ、とてもうれしく幸せです。大変なレースが終わってうれしい気持ちと、この感動を、もっと、味わっていたい気持ちの両方が心の中にあります」

秋吉耕佑
「3月下旬の大たい骨骨折のケガから1カ月動けず、そこからの復帰レースが、この8耐でした。ここを目標にリハビリをしてきましたが、道のりは険しいものでした。それでも勝つことができたのは、岡田さんをはじめサポートしてくれるスタッフがいたからです。マシン、タイヤ、サスペンションとレースに必要な要素がうまく噛み合ったことが勝因です。優勝できて本当によかったです」

岡田忠之
「秋吉とジョナサンの2人のセットアップの助けになるように監督から頼まれました。優勝できるマシンに仕上げられてよかったです。本当にタフなレースで、ジョナサンは走行後に身体がつってしまうほどでした。スプリントが8時間続くレースは、走る側には厳しいものですが、ファンのみなさんにとっては魅力のあるものだと思います。これからも、こういった高いレベルのレースを提供できるようにしたいと思います」

藤井正和(TSR Honda監督)
「8耐ウイークの予選、トップ10トライアルも全ての走行を決勝のために使い、優勝のために過ごしてきました。決勝朝のフリー走行で、大きくマシンをふったら、それがうまくいきました。70%だった状況が90%に上がったように思います。優勝争いをしていたハルクが転倒してしまいましたが、あのアクシデントがなくても、十分に勝負できていたと思います。目的のために確実に進めた結果の優勝だと思っています」

結果
1位 F.C.C. TSR Honda  J.REA /秋吉耕佑/岡田忠之 ホンダ  215周
2位 TOHO Racing with MORIWAKI  山口辰也/高橋裕紀/手島雄介   ホンダ 211周
3位 YAMAHA FRANCE GMT94 MICHELIN YAMALUBE  D.CHECA /K.FORAY  ヤマハ 211周
4位 Moto Map SUPPLY  今野由寛/津田拓也/民辻啓  スズキ 210周
5位 Honda鈴鹿レーシングチーム  徳留和樹/安田毅史/北口浩二  ホンダ 210周
6位 Honda DREAM RT 桜井ホンダ J.STAUFFER /W.MAXWELL  ホンダ 209周
7位 Teluru& EMOBILE★Kohara RT  辻村猛/野田弘樹/渡辺一馬  ホンダ 209周
8位 Team Motorrad 39  酒井大作/寺本幸司/矢木清貴  BMW 208周
9位 BMW MOTORRAD FRANCE 99 S.GIMBERT /D.CUDLIN /E.NIGON  BMW 208周
10位 HONDA TT LEGENDS  C.DONALD /J.McGUINNESS /J.Mark O’HALLORAN  ホンダ 208周