VFR1200F 1,575,000円(3月18日発売)
★ホンダ VFR1200F 車両解説
ホンダ市販車初の“スロットル・バイ・ワイヤー”を採用するなど
“ハイテク・ショールーム”大型スポーツツアラー
VFRシリーズは、1998年のVFR(800)の登場以来、常にホンダの先進テクノロジーのショールームマシン的な存在として発展してきた。本来ならスーパーバイクレースで活躍していたRVFやRC45の技術が投入されたことで、レプリカとして登場してもおかしくないハイスペックなモデルだったが、ホンダが与えた性格は“大型スポーツツアラー”だった。
その戦略は特に欧州市場では見事に当たり、1200となった今回のモデルでも引き継がれることになった。ユニカムバルブトレインや左右対称シリンダーなど、新型VFRの数々の特徴は2009年の東京モーターショーや国際試乗会のレポートで発表され注目を集めたが、2010年3月の国内販売時には、最大の注目点と言えた“デュアルクラッチトランスミッション”は残念ながら7月までお預けとなった。
エンジンは1本のカムシャフトで吸・排気バルブを作動させる“ユニカムバルブトレイン”採用によりコンパクトなシリンダーヘッドを構成。左右対称のシリンダーレイアウトと28度の位相クランク(バンク角は76度)との組み合わせにより、バランサーを搭載せずに一次振動を打ち消している。吸気系にはMotoGpレーサーからの技術のフィードバックと言える“スロットル・バイ・ワイヤー”を採用。PGM-FIとの組み合わせによりライダーに忠実なスロットルコントロールを可能としている。
フレームもRC212V技術の4分割アルミ中空鋳造構造を採用、新設計のオフセットピボット式スイングアームと組み合わされることで高速走行時の操縦安定性とスポーティなハンドリングを両立させている。シートはホンダ初の一体発泡成形シートを採用。真空形成型でPVCレザーを成形し、同一型内でクッションを発泡させることにより、形状追従性が高く、優れた乗り心地を実現できたという。さらに25mm低い国内専用のローシートとなっている。ブレーキはコンバインドABSを標準採用。カラーはキャンディープロミネンスレッドとパールサンビームホワイトの2色。
★HONDA プレスリリースより (2010年3月5日)
独創の先進技術と洗練のスタイリングを高次元で融合した大型二輪スポーツツアラー「VFR1200F」を新発売
Hondaは、先進技術と流麗で独創的なスタイリングを高次元で融合させた、大型二輪スポーツツアラー「VFR1200F」を3月18日(木)に発売する。
新型VFR1200Fは、新開発の1,236cm3 V型4気筒エンジンを搭載。ユニカムバルブトレインの採用により、シリンダーヘッドのコンパクト化を図り、マスの集中と低重心化を実現。シリンダー配置や爆発タイミングの見直しにより、独特のビート感とサウンドを生み出しながらも不快な振動の少ない上質な走行フィーリングを実現している。さらに、 MotoGPなどのレーシングマシンにおいて実績のあるスロットル・バイ・ワイヤを、Honda市販二輪車として初めて採用。スロットルバルブを電子制御化することで、さまざまな走行状態において最適なスロットルコントロールを可能としている。デザインでは、フロントカウルからフューエルタンクにかけて流れる、グラマラスかつエッジのきいたスタイリングを実現。カウル表面からビスやボルトなどが見えない外装は、高品位な塗装とあいまって、所有感を高めるとともに優れた空力性能を実現している。また、シートにはHonda初となる、一体発泡シートを採用。スタイリッシュな形状で長時間のライディングでも疲れにくいものとしながら、国内モデル専用のローシートとすることで、足着き性に優れたポジションを実現している。
VFRシリーズは、1985年に世界耐久選手権でチャンピオンを獲得したRVF750の技術を投入し、’86年に市販されたVFR750Fを原点とした大型二輪車で、スポーティーな走行はもとより高速道路などを使ったロングツーリングにも適したエンジン特性と車体特性から、40~50代のベテランライダーを中心に好評を得ているモデルである。その6代目となる新型VFR1200Fは、最先端技術を盛り込むとともに、シリーズ最大排気量の新開発V型4気筒エンジンを搭載するなど、次世代のスポーツツアラーを提唱するモデルとして開発された。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- 800台
- ●メーカー希望小売価格
- 1,575,000円(消費税抜き本体価格 1,500,000円)
【主な特長】
- ●パワートレイン
- VFR1200Fに搭載される、新開発の水冷・4ストローク・OHC・4バルブ・V型4気筒エンジンは、ひとつのカムシャフトで吸・排気バルブを作動させるユニカムバルブトレインを採用。コンパクトなシリンダーヘッドとすることでマスの集中と低重心化を実現している。また、新たに採用した左右対称のシリンダーレイアウトは、車体のスリム化による優れたライディングポジションを実現。シリンダーバンク角76度のV型エンジンは、28度位相ピンクランクシャフトを採用により、バランサーを搭載することなく一次振動を打ち消し、低回転域では力強くフラットなトルク特性を発揮。高回転域でもスムーズな吹け上がりを実現するとともに、独自のV4ビートとエキゾーストサウンドを生み出している。吸気系には、MotoGPなどのレーシングマシンで培われた、スロットル・バイ・ワイヤを採用。スロットルバルブを電気的に制御することで、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI※1)の緻密な燃料制御とあいまって、さまざまな走行条件に応じてライダーの意思に忠実なスロットルコントロールを可能としている。また、可変排気バルブを装備したマフラーは、排気効率と消音を両立させながらも、V4独特の鼓動感のあるエキゾーストサウンドを実現。エキゾーストチャンバー内に触媒装置(キャタライザー)を装備することで、国内二輪車排出ガス規制に適合させている。
- ※1 PGM-FI(Programmed Fuel Injection)は、Hondaの登録商標です
- ●フレーム
- 新設計のフレームはMotoGPマシンRC212Vで培われ、CBR1000RRにも採用されている4分割アルミダイキャストフレームを採用。新設計のオフセットピボット式スイングアームと組み合わせることで、高速走行時の操縦安定性とスポーティーなハンドリングを両立している。リアホイールを片側1本のスイングアームで支持しリア回りをすっきりと見せるプロアームは、ピボットとプロペラシャフトをオフセットに配置。サスペンションの上下動にともなう軸長の変化をプロペラ軸上に配置した等速ジョイントで吸収することにより、スポーツツアラーとしてあらゆるシチュエーションに対応しながら上質な走行フィーリングを提供している。シートにはHonda初となる、一体発泡成形シートを採用。真空成形型でPVCレザーを成形し、同一型内でクッションを発泡することにより、形状追従性が非常に高く、高品位な乗り心地を実現。スタイリッシュな形状と長時間のライディングでも疲れにくい特性を両立しながら、欧州仕様車に比べ25mm低い国内モデル専用のローシートとすることで、足着き性に優れたポジションを実現。ハンドルスイッチは人間工学に基づきデザインを一新し、スイッチひとつまで質感にこだわるとともに、高い操作性を実現している。
- ●デザイン
- 車体デザインは、フロントカウルからフューエルタンクにかけて流れる、グラマラスかつエッジのきいたデザインを採用。フロントカウルのサイド部分が二層になったレイヤード・フェアリング※2は、空力特性に優れた流麗なスタイリングで、走行風を取り込みながら整流し、エンジンの放熱にもきわめて有効なデザインとなっている。また、カウル表面からビスやボルトなどが見えない外装は、高品位な塗装とあいまって、所有感を高めるとともに優れた空力性能を実現している。ボディカラーには、VFR1200F の洗練されたスタイリングとマッチした高級感あふれる「キャンディープロミネンスレッド」「パールサンビームホワイト」の2色を設定している。
- ※2 特許出願中
- ●ブレーキシステム
- ブレーキシステムは、前輪には6ポットラジアルマウントのブレーキキャリパーを採用。前・後輪連動ブレーキシステムとABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を組み合わせた、コンバインドABSを標準装備することで、より高次元の制動性能を発揮している。
- ●その他
- 純正オプションパーツ(別売)として、Honda初の専用ステーを使わず取り付けが可能なパニアケースと、リアキャリアを装着することで取り付け可能なトップボックスを用意している。これら全てのケース類は、メインキー1本で開閉が可能なHondaワン・キーシステムを採用するとともに、車体同色とすることで一体感のあるスタイリングを演出。また二輪車専用GPSナビゲーションシステムや標準装備のハンドルグリップ同等にまでスリム化したスポーツグリップヒーター、ライダーへのウインドプロテクション効果を高めるスポーツスクリーンなどの装着にも対応している。
★主要諸元
車名型式 | EBL-SC63 | |
---|---|---|
VFR1200F | ||
発売日 | 2010年3月18日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.250×0.755×1.220 | |
軸距(m) | 1.545 | |
最低地上高(m) | 0.125 | |
シート高(m) | 0.790 | |
車両重量(kg) | 268 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費(km/L) | 20.5(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 3.5 | |
エンジン型式 | SC63E | |
水冷4ストロークV型4気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 1,236 | |
内径×行程(mm) | 81.0×60.0 | |
圧縮比 | 12.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 82[111]/8,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 111[11.3]/6,000 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI]> | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 18 | |
クラッチ形式 | 湿式多板ダイヤフラムスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.600 |
2速 | 1.600 | |
3速 | 1.217 | |
4速 | 1.034 | |
5速 | 0.937 | |
6速 | 0.866 | |
減速比1次/2次 | 1.738/0.948×1.117×2.545 | |
キャスター(度) | 25°30′ | |
トレール(mm) | 101 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 190/55ZR17M/C 75W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク(コンバインド・ブレーキ) |
後 | 油圧式シングルディスク(コンバインド・ブレーキ) | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立タイプ) |
後 | スイングアーム式(プロアーム) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |