Honda New 125

 昨年秋に開催されたカフェカブ・ミーティングでプロトタイプが登場した時からいくつかのショーを経て遂に正式発売となったクロスカブ。赤と黄色のカラーバリエーションといい、初めてお披露目された時とほとんど変わらぬスタイルで発売となりました。

 スーパーカブ110をベースに110プロの前後サスペンションを使い、フレームマウントの丸型ヘッドランプを装着。鮮やかな原色を纏ったことで、思わず遊びに出かけたくなるモデルに仕上がっています。でも結局、スーパーカブの色を変えただけなんでしょ? と思われるかもしれません。いや、違うんです。

こちらで動画が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイト「http://youtu.be/n81SgaOliXw」で直接ご覧ください。

 クロスカブはスーパーカブというより、オーストラリア郵政仕様をベースにしていると言っていいかもしれません。幅広のハンドルと幅広肉厚シートは、正に身体の大きい彼らの要望とマッチしたものだったのでしょう。私、個人車として所有しているのでわかりますが、跨った印象は足着き感含め、オーストラリア郵政仕様も存在するCT110(P)と一緒。やっぱこのバイク、現代に蘇ったいわゆる“ハンターカブ”なんですね。

 でも、明らかにCT110と違うのは、エンジンやミッションなど全ての動きがスムーズで振動が少なく、車体がとても安定しているところ(P型登場から今年でちょうど20年なので、当たり前と言えば当たり前ですけど……笑)。プレスフレーム時代のCT110もそれは味があっていいのですが、クロスカブの乗り易さは普段の足としてはとっても魅力。エンジンはスーパーカブ110と共通ですから燃費はおそろしくいいでしょうし荷物もいっぱい積めるし。

 これまで、カスタマイズ・コンセプトモデルに装着していたアクセサリーパーツがどんどんリリースされてくるので、自分好みの1台に仕上げたくなるのもクロスカブの魅力でしょう。でも、レッグシールドの付いたオリジナル・スタイルも中々イイなと実車を見て思いました。

ライダーの身長は173cm。ストロークの増した前後サス、厚手のシートクッションにより、シート高は50mm弱アップ(最低地上高は20mmアップ)。
①ガード機能も備わるステーに取り付けらける丸型ヘッドライトはフレームマウント。サイドリフレクターはオーストラリア郵政仕様の名残?②110プロに対して高く、幅広となるブラックのバーハンドルを装着。パーキングレバーも備わる。③座面が広く、厚手のシートを装着。④リアキャリアはスーパーカブ用をボディ同色にしたものと思われる。⑤タフなイメージとなるスチール製のフロントフェンダーを採用。サスペンションはスーパーカブ110に対しストローク量をアップ。ブラックのレッグシールドの形状はスーパーカブと共通。⑥コイルスプリングむき出しリアサスもタフな印象。リアブレーキはドラムをφ130mmに大径化。リアスプロケットはショート化され、2次減速比は2.500→2.642へ。⑦スーパーカブ110と共通のエンジンは2次減速比の違いか、定地燃費は1km/l落ちる。ステップは可倒式。右側用サイドスタンド取り付けステーがある。⑧メーターは逆三角形の形状こそ110プロ用に似ているが、手元灯部は車名ロゴとなる。(※写真をクリックすると大きな写真で見られます)
■クロスカブ 主要諸元
■型式:EBJ-JA10■全長×全幅×全高:1,945 ×815×1,150 mm■ホイールベース:1,225mm■最低地上高:155 mm■シート高:784 mm■燃料消費率:62.5 km/L(60km/h定地走行テスト値)■最小回転半径:1.9 m■車両重量:105 kg■燃料タンク容量:4.3 L■エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒■総排気量:109 cm3■ボア×ストローク:50.0×55.6 mm■圧縮比:9.0■燃料供給装置:PGM-FI ■点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火■始動方式:セルフ式(キック式併設)■最高出力:5.9 kw[8.0 PS]/7,500 rpm■最大トルク:8.5 N・m[0.87 kgf・m]/5,500 rpm■変速機形式:常時噛合式4段リターン(停車時のみロータリー)■フレーム形式:バックボーン■ブレーキ(前/後):機械式リーディング・トレーリング/機械式リーディング・トレーリング■タイヤ(前/後):2.75-17 41P / 2.75-17 41P ■車体色:パールコーンイエロー、ファイティングレッド■メーカー希望小売価格:278,250円
 

 国内メーカー久々のフルサイズ125スーパースポーツが投入されました。ホンダとしても日本国内ではNSR125F(1989年)、4ストマシンとしてはCBX125F(1984年)以来、そして原付二種クラス初の“CBR”。マニアにとってたまらない1台なのは間違いありません。

 世界統一の騒音基準が日本に導入されなかったら、おそらくCBR125Rはコストに見合わないモデルだったでしょう。いや、そうでなくてもCBR125Rの販売は大英断だったのではないでしょうか? まず、そのあたりで日本国内ので二輪車事業を総合的に担うホンダモーターサイクルジャパン(HMJ)さんに拍手を送りたいと思います。

こちらで動画が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイト「http://youtu.be/re_9DhiYT8I」で直接ご覧ください。

 五角形断面の太いツインチューブフレームにフルカウルをまとったモデルを前に、少々緊張いたします。兄貴分CBR250Rのスタイルが継承されたイメージですね。跨ってみると、本格スポーツモデルとは言え、身長173cmの私にとってライポジは窮屈ではなくとても自然。おそらく小柄な人から長身の人まで幅広くカバーしそうです。

 目の前に飛び込んでくるタコメーターにアナログを採用した計器類のデザインも250R譲り。「回せ!」と言わんばかりのレッドゾーン10,000rpmオーバーが青春時代を思い起こさせます。でも最新2013年のバイク、セル始動のPGM-FIエンジンは簡単に目を覚まし、スルスルスルと簡単に発進していきます。

 フルサイズとは言え原付二種クラスなので車重も軽く、ビギナーや女性にとっても最適なスーパースポーツと言えるでしょう。エンジンはとてもよく躾けられた印象で、スロットルを回した分だけリニアに力が出てくる印象を受けました。もちろん、開け方によってはレッドゾーン付近まで一気に吹け上がっていきます。

 試乗コースで乗った印象では、グロムと比較すると物足りないというか迫力が感じられません。さすがツインチューブフレームに前後17インチタイヤを履くスーパースポーツ、さらに上のゾーンに踏み込む余力を残しているようです。

 玄人さんにもたまらないであろう原付二種で、峠のダウンヒラーとして恐れられるかもしれません。そして、二輪免許を取得したばかりの“無垢”な高校生とかにも乗ってもらいたいモデル。CBR125Rからはじまって250R、400R、600RR、1000RRとCBR一筋でステップアップしてみてはいかがでしょうか? 

ライダーの身長は173cm。エントリー・ユーザーでも安心な足着き性。ハンドルとステップ位置は快適性をもたらす配置とされる。
①左右独立したポジションランプを備えるフロントマスク。②大型タコメーター下にマルチファンクションデジタルメーターを組み合わせたコクピット。速度、水温、燃料、オド/トリップ、時計が液晶デジタル表示される。③フロントにはφ276mmのシングルディスクを装備。④リアディスクはφ220mmとなる。リアアクスル手前に寄せられたマフラーはマスフォワードのシルエットを実現。ステンレス製の本体にマットブラック塗装が施される。
⑤扱いやすい特性の水冷4ストローク単気筒エンジンは6速ミッションと組み合わされる。⑥パッセンジャーの使いやすさを配慮したリアグリップ。(※写真をクリックすると大きな写真で見られます)
■CBR125R 主要諸元
■型式:EBJ-JC50■全長×全幅×全高:1,985 ×710× 1,135mm■ホイールベース:1,310 mm■最低地上高:185mm■シート高:793mm■燃料消費率:52.5 km/L(60km/h定地走行テスト値)■最小回転半径:2.5m■車両重量:136 kg■燃料タンク容量:13 L■エンジン種類:水冷4ストロークOHC単気筒■総排気量:124 cm3 ■ボア×ストローク:58.0×47.2 mm■圧縮比:11.0■燃料供給装置:PGM-FI ■点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火■始動方式:セルフ式■最高出力:9.8 kw[13 PS]/10,000 rpm■最大トルク:10 N・m[1.0 kgf・m]/8,000 rpm■変速機形式:常時噛合式6段リターン■フレーム形式:ダイヤモンド■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/油圧式ディスク■タイヤ(前/後):100/80-17M/C 52P / 130/70-17M/C 62S ■車体色:ロスホワイト 、ブラック ■メーカー希望小売価格:399,000円


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