Honda New 125

 かつて、遊び心に溢れたズーマーの原付二種版があったらいいなぁ……、なんて思ったことがありました。その待望のモデルが遂に登場でこざいます。

 今も日本で生産・販売されている50ccの“元祖”ズーマーを一番最初に見た時のインパクトには及びませんが、どことなく若い力、ヤングパワーが漲った印象はこのズーマーXからも感じ取ることができます。ラゲッジスペースを敢えて“見せる”こと、そしてXをモチーフにした各所のデザインといった遊び心がズーマー一族の共通点。加えてズーマーXには、前後12インチタイヤにキャストホイール、そして前代未聞のフロント倒立フォーク! 勢いありますね。今、125ccクラスのワールド・トレンド・リーダーはタイ王国なのかもしれません。

こちらで動画が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイト「http://youtu.be/eRvgE3y4bF8」で直接ご覧ください。

 さてズーマーX、セルを回してエンジンをかけると何か聞き覚えが。そう、パワーユニットはG2連邦の大統領専用車として活躍していたDio110と共通。加速感などのパワーフィールも、空冷110シリーズ特有の安心感あるものです。

 しかし、明らかにDio110と違うのは、ズーマーというネーミングをもつだけに放つ強烈なキャラクターを、走っている時もビンビンに感じること。まず、ステップボードをもつスクーターなのですが、足元というか膝まわりがスッカスカ! この開放感、とても新鮮です。バーハンドルもズーマーから受け継いだものですね。

 今も都心部などでズーマーに乗っている女性を見ると「いいな!」って思います。何か風景に“華”を生むんです。ズーマーXも男性はもちろん、たくさんの女性にも乗ってもらって、街を走ってもらいたいですね。

ライダーの身長は173cm。膝まわりに開放感がある。50ccのズーマー同様“ネイキッド”スクーターを演出。
①12インチタイヤ、120mmストロークの倒立フォークを採用。日本仕様は全車3ポットキャリパーのコンビブレーキとなる。②空冷110ccエンジンを搭載。キック・スターターは万が一の時に安心。③シート下のラゲッジスペース。駐車時にヘルメットを固定できるホルダーも用意される。④フロアボード後方にあるリッドを開けると給油口が現れる。
⑤⑥⑦⑧⑨⑩車体のいたるところに散りばめられた車名“X”のモチーフ。(※写真をクリックすると大きな写真で見られます)
■ズーマーX 主要諸元
■型式:EBJ-JF52 ■全長×全幅×全高:1,830 ×760× 1,065 mm■ホイールベース:1,255 mm■最低地上高:135 mm■シート高:763 mm■燃料消費率 :52.0 km/L(60km/h定地走行テスト値 )■最小回転半径:1.8 m■車両重量:105 kg■燃料タンク容量:4.5 L■エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒■総排気量:107 cm3 ■ボア×ストローク:50.0×55.0 mm■圧縮比:9.5 ■燃料供給装置:PGM-FI ■点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火■始動方式:セルフ式(キック式併設) ■最高出力:6.5 kw[8.8 PS]/8,000 rpm■最大トルク:8.9 N・m[0.91 kgf・m ]/6,500rpm■変速機形式:無段変速式(Vマチック) ■フレーム形式:アンダーボーン■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/ 機械式リーディング・トレーリング■タイヤ(前/後):100/90-12 59J / 110/90-12 64L■車体色:マリゴールドイエロー 、ゲイエティーレッド 、ロスホワイト 、テクタイトブラックメタリック■メーカー希望小売価格:270,900円

 今回一気に投入されたホンダの原付二種5モデルの中で、一番堅実なモデル。先代(併売されているようです)の110に対しスタイリング各部のアクセントが強調されていますが、基本的なフォルムは継承された印象です。

 リードはすでに世界で販売されるグローバルモデル。海外ではどう使われているのか分かりませんが、乗り降りしやすいステップスルーのスタイルにシート下のラゲッジスペース、小径タイヤなど、日本のスクーターには欠かせないアイテムが備わっており、通勤バイカー達の“ツボ”がしっかり押さえられています。そして、日本では“ジョグ”と共に30年以上の歴史ある“リード”という信頼のネーミングが与えられているのも重要なポイントと言えるでしょう。

こちらで動画が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイト「http://youtu.be/KXSHLUH7Zxw」で直接ご覧ください。

 エンジンはPCXなどでお馴染み、水冷125ccのeSPになりました。もちろん、アイドリングストップも装備されています。PCXで確認済みですが、eSPエンジンは乗れば乗るほど、その素晴らしさを体験できます。優れた燃費性能、気持ちの良いエンジンフィールなど、毎日の足として使うには現在、125ccクラス最強のユニットと言えるでしょう。

 使い勝手も向上しました。給油口が移動し、リッドもキー穴横のスイッチで開閉可能に。今まではキーを抜き差しする必要があり、さらに給油の際にも腰をかがめる姿勢を強要されましたからね。日本のみならず、グローバル規模で不評だったのでしょう。

 ただ、乗った印象はPCXのeSPとは微妙に違うような。もしかしたら最新の騒音適合規制レベルとなったおかげでしょうか? 短い試乗時間ではわからなかったので、他の4車種含め、また改めて今度は公道で検証したいと思っています。

身長173cmのライダーが乗ると先代モデル同様、見た目とは裏腹に足元に窮屈感は感じられない。
①次世代小型スクーター用エンジン「eSP」(ENHANCED SMART POWER)を搭載。騒音の適合規制レベルは最新の「平成26年規制」に適合。そのためか、ミッションケースの樹脂製カバーが廃止され、海外仕様と同じ外観となった。②クローム処理のガーニッシュ、ホンダのスクーター初採用となるLEDと共にV字型を形成するフロントカウル。③シャープな印象となったリアまわり。テールランプもLEDだ。④視認性に優れる発光指針&液晶ディスプレイの大型メーター。時計表示も備わる。⑤リッド付のフロントインナーボックスには350mlのペットボトルが収納可能。⑥利便性が大幅に向上したスライド開閉式のフューエルリッド。開閉はメインキー部のシーソーボタンで行えるようになった。レッグシールド内側に位置し、楽な体勢での給油が可能に。給油口にはノズルガイドを兼ねた吹き返し防止プレートも備わる。⑦大容量が特徴だった先代モデルより、さらに容量がアップ(35→37L)したシート下ラゲッジスペース。幅も広がったことで種類問わずB4サイズのビジネスバッグが収納可能に。⑧リアキャリアは先代モデル同様、シート後部も荷台の一部として活用できるよう、フラットな同一面設計に。(※写真をクリックすると大きな写真で見られます)
■リード125 主要諸元
■型式:EBJ-JF45■全長×全幅×全高:1,835×685 ×1,125 mm■ホイールベース:1,275 mm■最低地上高:140 mm■シート高:760mm■燃料消費率:51.0 km/L(60km/h定地走行テスト値)■最小回転半径:2.0 m■車両重量:113 kg■燃料タンク容量:6.0 L■エンジン種類:水冷4ストロークOHC単気筒■総排気量:124cm3■ボア×ストローク:52.4×57.9 mm■圧縮比:11.0■燃料供給装置:PGM-FI■点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火■始動方式:セルフ式■最高出力:8.4 kw[11 PS]/8,500 rpm■最大トルク:12 N・m[1.2 kgf・m]/5,000 rpm■変速機形式:無段変速式(Vマチック)■フレーム形式:アンダーボーン■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/機械式リーディング・トレーリング■タイヤ(前/後):90/90-12 44J / 100/90-10 56J ■車体色:マホガニーブラウンメタリック、アルテミスシルバーメタリック、ポセイドンブラックメタリック、パールジャスミンホワイト ■メーカー希望小売価格:285,600円

9月上旬発売の上質な原二スクーター ~Sh-mode~

 大径16インチ・タイヤを履く「SHシリーズ」は、現在125、150、300をラインナップするイタリアで生産されるスクーター。

 その流れを汲む「Sh-mode」はリード125と同様「需要のあるところで生産」というホンダの方針からベトナム生産となります。ベトナムではリードやSHシリーズに乗っていることがステータス・シンボルで、大変人気があるそうですよ。
 Sh-modeはまだプロトタイプということで今回、試乗することはできませんでしたが、9月以降、また新たな原付二種の選択肢として加わることになります。楽しみです!

いかがです? 今回の原二5モデル。きっと好み、用途に応じた1台がみつかるはずです。ビギナーからベテランライダーまで、是非とも「原二生活」をオススメいたします!


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