Hondaコレクションホール収蔵車両走行確認テスト「闘うDNA」


350クラス最後の最終兵器


RC174


RC174

 1962年から350クラスにも参戦を開始したホンダが最初に用意したのは、250クラスで9戦全勝という圧倒的な強さを見せた4気筒RC163をベースにしたボアを3mmアップし285ccとしたRC170であった。しかし開幕戦でエース、トム・フィリスが、第3戦以降4連勝と波に乗るMVアグスタの4気筒に太刀打ち出来ず、翌年350専用設計のRC171を第7戦から投入し、4連勝を挙げチャンピオンの奪回に成功した。

 125、250クラスで実績を上げたホンダは、1962年、この年から新設された50クラスととMVアグスタが連覇を続ける350クラスへの参戦を開始した。350クラスには、250で圧倒的な強さを誇った4気筒DOHC4バルブのRC163のボアを3mm拡大したRC170が用意され、350の開幕戦である第3戦から勝利を重ねた。、第7戦アルスターGPからは350専用設計エンジンのRC171にスイッチし、初年度からチャンピオンを獲得した。翌年は排気量アップのRC172へと進化し、2RC172、RC173と年々パワーアップを行ない1966年まで5連覇を果たした。

 しかし、1965年に登場した軽量コンパクトなMVアグスタの3気筒ニューマシンとアゴスチーニに苦戦を強いられ、また1966年にはヤマハの水冷V4マシンRD05が初勝利を挙げたた対策として、ホンダWGP参戦第一期最後の年となる1967年、ニューマシンのRC174が投入された。世界初の250cc6気筒エンジンを持ったRC166をベースとしたボアアップ版で、パワー的には70psのRC173より劣ったが、軽量な車体を活かし、350初戦となる第2戦西ドイツGPから第6戦チェコGPまでマイク・ヘイルウッドが5連勝(第4戦は350クラスの開催なし)により見事350クラスでは負け知らずの6連覇を達成すると同時に、250から生まれたRC170で始めた350クラスの幕引きを、これまた250から派生したRC174がきっちりとこなし、技術屋ホンダの底力を世界に示した。


RC174

RC174

RC174

RC174

RC174
撮影車は1967年第2戦マン島TTで優勝したマイク・ヘイルウッド仕様。350クラスのマシンは、RC170(284.53cc 49ps)、RC171(339.43cc 50ps)、RC172(349.5cc 53ps)、2RC172(349.5cc 60PS)、RC173(349.5cc 70PS)とパワーアップを行なったが、再び250ベースとなったRC174は297.06cc 65psとなった。6気筒化によりさらなる高回転型となったエンジンに対応すべくミッションは6速から7速となった。パワー面ではRC173を下回っていたが、重量は118kgと13kgも軽量であり、250クラスの小柄な車体と相まってヘイルウッドが6勝、ラルフ・ブライアンズが1勝を挙げた。

[戦うDNAその6|その7]
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Hondaコレクションホール収蔵車両走行確認テスト「闘うDNA」

[二輪GPレーサー編」
●1966年 RC116
●1965年 4RC146
●1966年 RC149
●1966年 RC164
●1966年 RC166
●1967年 RC174

●1984年 NS500
●1984年 NSR500
●1985年 NSR500
●1988年 NSR500
●1997年 NSR500
●2002年 NSR500
●2002年 RC2111V

●1993年 NSR250
●1997年 NSR250
●2001年 NSR250

[二輪レーサー編]
●1972年 CB750
●1977年 CB500R
●1976年 RCB
●1991年 RVF750
●1997/99年 RVF/RC45

[四輪編]
●1965年 RA272
●1967年 RA300
●1968年 RA301
●1988年 ロータス100T
●1987年 ウィリアムズFW11
●1988年 マクラーレンMP4/4
●1989年 マクラーレンMP4/5
●1990年 マクラーレンMP4/6

●1966年 S800GT-1仕様
●1968年 S800マーシャル仕様
●1995年 NSXルマン

●1983年ヤマトCIVIC
●1987年モチュールCIVIC
●1993年JACCS CIVIC
●1998年ギャザズ CIVIC

[戦うDNAその7|その8]