KTM JAPAN HUSQVARNA

●KTM FREERIDE 250 R/FREERIDE 350

KTM FREERIDE 250 R
『走る道を選ばず、ライダーが地形を判断して自由に走行ルートを選択するために、あらゆる軽さと最高にバランスのとれたトルク、ライドアビリティを追求したのがこのFREERIDE 250 Rです。
 姉妹モデルのFREERIDE 350が4ストロークエンジンを搭載したのとは異なり、よりコンパクトで軽量なEXCシリーズの2ストロークエンジンを採用。新たに電動スターターを組み込んだエンジン単体はあらゆるパーツが見直され、2キロもの軽量化を果たした上に独自の最適化チューニングを行いました。軽い車体、トルクフルなエンジン、より煮詰められたシャシーとサスペンションにより、FREERIDE 250 Rは厳しい地形を思い通りに乗り越える真のライディングプレジャーを提供します』<KTMのリリースより>。
上の動画が見られない方、大きな画面で見たい方はYOU TUBEのWEBサイトでご覧下さい。http://youtu.be/v321rq-PCfk
KTM FREERIDE 250 R。
KTM FREERIDE 350。

 KTMグループの傘下となったHUSQVARNAは、矢継ぎ早にニューラインナップを発表してきた。今回、KTMのFREERIDE 250 Rの試乗会にあわせて、新生HUSQVARNAのニューモデルもエンデューロシリーズのTE250とFE250が用意されていたのだが、まずは本家本元、KTMの2014年モデルの話題の中心である、FREERIDE 250 Rから紹介していこう。

 大雑把に言ってしまうと、昨年話題を集めたFREERIDE 350の4ストロークエンジンを2ストロークエンジンの250に換装したモデル、だ。KTMの説明では「FREERIDEの楽しさを、2ストローク好きな方にも楽しんでいただきたいので開発しました」とのこと。要はオフロード・ユーザーに多い2スト・ファンに向けたバリエーションモデル、という位置付けだ。

 ベースとなったのは250 EXCのエンジンで、2kgの軽量化やセルモーターの採用(キックを廃止)、パワーバルブの取り外し、クランクケース、クラッチカバー、ウォーターポンプシャフトもニュータイプが搭載されている。ポートやタイミングも専用セッティングで、ピストン、シリンダーヘッド自体も新設計された。キャブは新たに20mmのKEIHIN製PWKを採用。6速ミッションやクラッチも新型に。要するに2ストロークエンジンそのものをFREERIDE 250 R用に再開発して搭載しているのだ。

 またさらに、変わったのはエンジンだけじゃない。具体的には、2ストエンジンを搭載するにあたってフレーム自体も見直しており、車高で60mmダウン、リアのサブフレームもプラスチック製の新フレームを採用することとなった。

 スイングアームも高い剛性と、ねじれ剛性、そして縦方向の柔軟性を備えながらも、わずか3.2kgの重量におさめられている。φ43mmのWP製倒立サスは固めのセッティングへと変更、新型PDSモノショックも固めのセッティングに変更している。

 軽量なポリエチレン製燃料タンクは容量を7リットルに増加させた。ライダーが燃料を視認できるシステムはそのままだ。燃料タンク後端部に配置されるカートリッジ式のエアクリーナーは容量のアップが行われている。新開発のサーモスタットスイッチを採用。チャンバーはエンジンサイドに配置し転倒等による破損を極力回避、アルミのサイレンサーと組み合わせている。ブレーキ回りにも変更がある。フロントマスターシリンダーのピストンを改良、そのブレーキマスターとキャリパーにはサンドブラスト処理を行った。CNC削り出しハブとアルミニュウム製ニップルによりホイールも軽量化。タイヤはマキシス製の新作TRIAL MAXXだ。スピードメーターもTrial Tech社製の新型メーターに。

 以上がFREERIDE 250 Rの概要だが、兄貴分のFREERIDE 350も2014年モデルとしてマイナーチェンジされているので紹介しよう。

 まずはWP製フロントフォークのセッティング変更、そしてCNC削り出しトリプルクランプの採用、WP製PDSモノショックのセッティングの変更とスプリングレートの変更(固めになった)、ローサスペンションキットも提供されるようになった(マイナス30mm)。サイレンサーは低ノイズダブルサイレンサーを採用。フォーミュラ製ブレーキシステムも見直しを受けた。新型マスターシリンダーとピストンシステムを採用。キャリパーとマスターシリンダーは250 R同様サンドブラスト処理が施された。タイヤも250 Rと同様TRIAL MAXXタイヤを採用。リムも21インチ+18インチの“標準エンデューロ”サイズのリムとなりタイヤの選択肢を広げている。アルミニュウム製スポークニップル、チェーンガイドも新しい。スピードメーターもTrial Tech社製デジタルスピードメーターに。

 エンジン回りでも、新型のエクゾースト側カムシャフト、デコンプタイミング、スプリングリテーナー、ウォーターポンプカバー、ガスケット、フリーホイール、新型CCSクラッチ、新型6速ミッションなど盛りだくさんの改良が行われている。

KTM FREERIDE 250 R。3.2kgの超軽量スイングアーム。高い剛性とねじれ剛性、そして縦方向の柔軟性を備えている。チェーンガイドの品質も向上。 KTM FREERIDE 250 R。サブフレームは軽量で高い剛性を持つ樹脂製を採用。車高はFREERIDE 350に比べ60mm低くなっている。 KTM FREERIDE 250 R。250 EXCのエンジンをベースに、シリンダー、ピストン、ヘッド回りとほとんど再設計の2ストロークエンジンを搭載。
KTM FREERIDE 350。2014年モデルではニューキャリパーを採用。チェーンガイド、タイヤも新しくなった。 KTM FREERIDE 350。ブレーキ、クラッチのマスターシリンダーを新しく。メーターもTrail Tech社製のデジタルスピードメーターを採用。 KTM FREERIDE 350。350EXC-Fのエンジンをベースに2014年モデル用に再開発したエンジン。新型のエクゾースト側カムシャフト、デコンプタイミングの変更、スプリングリテーナーの強化など。
■KTM FREERIDE 250 R主要諸元
●エンジン:水冷2ストローク単気筒●ボア×ストローク:66.4×72mm●総排気量:249cm3●圧縮比:-●最高出力:-kW(-HP)/-rpm●最大トルク:-N・m(-kg-m)/-rpm●燃料タンク容量:約7リットル●燃料供給装置:KEIHIN PWK28S AG●変速機:常時噛合式6段リターン●フレーム:クロームモリブデン鋼ダブルクレードル
●全長×全幅×全高:-×-×-mm●軸距離:1,418±10mm●シート高:915mm●最低地上高:380mm●半乾燥重量:92.5kg●サスペンション:φ42mmWP製倒立フォーク、後スイングアームWP製PSDショック●ブレーキ:前φ260mmシングルディスク、後φ210mmシングルディスク●タイヤ:前2.75-21、後4.00-18
価格:82万円(税込)
■KTM FREERIDE 350主要諸元
●エンジン:水冷4ストローク単気筒●ボア×ストローク:88×57.5mm●総排気量:349.7cm3●圧縮比:-●最高出力:-kW(-HP)/-rpm●最大トルク:-N・m(-kg-m)/-rpm●燃料タンク容量:約5.5リットル●燃料供給装置:電子制御フューエルインジェクション●変速機:常時噛合式6段リターン●フレーム:クロームモリブデン鋼ダブルクレードル
●全長×全幅×全高:-×-×-mm●軸距離:1,418±10mm●シート高:915mm●最低地上高:325mm●半乾燥重量:約99.5kg●サスペンション:φ43mmWP製倒立サス、後スイングアーム、WP製PDSショック●ブレーキ:前φ260mmシングルディスク、後φ210mmシングルディスク●タイヤ:前-、後-
価格:90万円(税込)

 
●HUSQVARNA TE250/FE250

こちらはHUSQVARNAのニューモデル、2ストロークエンジン搭載のTE250。4ストロークモデルのFE250も試乗した。 こちらの動画が見られない方、大きな画面で見たい方はYOU TUBEのWEBサイトで直接ご覧下さい。http://youtu.be/B7Ih_GF_RQM
HUSQVARNA TE250。
HUSQVARNA FE250。

 ハスクバーナの歴史を簡単に振り返っておくと、創業は実に1689年、銃器製造のメーカーとしてスウェーデンで設立されている。バイクの製造を始めたのは1903年、以来実に110年の歴史を誇るまさに“The Pioneers of Motocross”のメーカーだ。

 ’60年代、’70年代を通して14回のモトクロス世界チャンピオン、24回のエンデューロ世界チャンピオン、11回のバハ1000優勝という輝かしい記録を残している。しかし、1987年経営難からハスクバーナブランドをカジバMVアグスタグループへ売却、バイク作りもスウェーデンを離れ、イタリアへと移転してしまった。この時に技術者達の一部が離反、スウェーデンで新たにブランドを立ち上げたのがフサベルだった。そしてそのフサベルは1995年にKTMグループに加入。一方ハスクバーナブランドは、2007年に今度はBMWへと売却されることになった。

 オフロードマシン分野を強化する目的だったのか、このBMWの買収も結局は上手くいかず、ハスクバーナブランド消滅の危機、にKTMグループが救いの手を差し伸べた、というのが2013年だった。KTMグループの下、フサベルとハスクバーナは合流し、また、マシン開発も生まれ故郷のスウェーデンに戻ることができたという。

 今回試乗会に用意されたハスクバーナモデルは2機種。2ストロークエンジンを搭載するTE250と4ストロークエンジンを搭載するFE250の2モデル。KTMエンデューロモデルとの違いは、リアのリンク式サスペンションの採用を始め、PDSシステムと比較して伸び側がハードに設定されていること(イニシャルはソフト)、リンケージの長さを変更し、リアの動きを好みの仕様に調整可能なこと、ポリアミド樹脂製リア・サブフレーム、セルスターターのみの設定、DIDホイール、ミシュランのエンデューロ・コンペ・タイヤの採用などが上げられる。

 ちなみに価格は、KTMの同クラスのEXCよりも6万円高く、6Daysよりも3万円安いというプライス設定になる予定という。

TE250。スチール製のチャンバーにアルミ製マフラーを組み合わせる。 TE250。伝統のスウェディッシュ・カラーイメージで配色された車体回り。シートはポリアミド樹脂製のリアサブフレームに載る。 TE250。これぞ2ストローク。ボリューム感のある美しい曲線を描くチャンバー。
FE250。KTMのエンデューロとの違いは、HUSQVARNAではリンク式リアサスを採用、PDSシステムと比較して伸び側がハード設定に、リンケージの長さを変更することで、リアの動きを調整可能、セルスターターのみ、DIDホイール、ミシュラン・エンデューロ・コンペタイヤの採用など。
■HUSQVARNA TE250主要諸元
●エンジン:水冷2ストローク単気筒●ボア×ストローク:66.4×72mm●総排気量:249cm3●圧縮比:-●最高出力:-kW(-HP)/-rpm●最大トルク:-N・m(-kg-m)/-rpm●燃料タンク容量:11リットル●燃料供給装置:KEIHIN PWK36S AG●変速機:常時噛合式6段リターン●フレーム:ダブルクレードル
●全長×全幅×全高:-×-×-mm●軸距離:1,482±10mm●シート高:960mm●最低地上高:355mm●重量:104.4kg●サスペンション:φ48mmWP倒立式テレスコピック、後WPモノショック(リンク式)●ブレーキ:前φ260mmシングルディスク、後φ220mmシングルディスク●タイヤ:前90/90-21、後140/80-18
KTMジャパンより、2014年1月以降の販売開始を予定
■HUSQVARNA FE250主要諸元
●エンジン:水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ●ボア×ストローク:78×52.3mm●総排気量:249.91cm3●圧縮比:12.8●最高出力:-kW(-HP)/-rpm●最大トルク:-N・m(-kg-m)/-rpm●燃料タンク容量:9.5リットル●燃料供給装置:KEIHIN EFI●変速機:常時噛合式6段リターン●フレーム:ダブルクレードル
●全長×全幅×全高:-×-×-mm●軸距離:1,482±10mm●シート高:970mm●最低地上高:345mm●重量:107.5kg●サスペンション:φ48mmWP倒立式テレスコピック、後WPモノショック(リンク式)●ブレーキ:前φ260mmシングルディスク、後φ220mmシングルディスク●タイヤ:前90/90-21、後120/90-18
KTMジャパンより、2014年1月以降の販売開始を予定


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