昨年の11月にミラノで開催されたEICMAショーの会場で行われた人気投票で“世界で最も美しいバイク”にも選ばれるなど、話題満載の新世代“モンスター”、MONSTER1200／MONSTER1200S。第3世代となるこのMONSTER1200シリーズは、「パフォーマンスとフレキシビリティを両立させた新テスタストレッタ11°DSエンジン、3種類のライディング・モードによる多用途性、アジャスタブル・シートとパッセンジャー用グラブハンドルの快適性などによって、あらゆる環境に対応し、どのような状況でも本能的で忠実な走りを実現。モーターサイクルのアイコンとなっているモンスターならではのデザインは、限界を超越した愉しみをライダーにもたらします」（ドゥカティジャパン）とされている。

　エンジンからフレームまで何から何までが新しいMONSTER1200シリーズだが、やはり最大の特徴は1198スーパーバイクマシンのテクノロジーを受け継いだ第2世代のテスタストレッタ11°DSエンジンだ。デスモドロミック・ユニットの系譜を受け継ぐ水冷4バルブ、1,198ccのエンジンは、「すべてはエンジンから始まる」のドゥカティのスローガンの下、モンスター史上最高にエキサイトメント、かつ使い勝手に優れたパワーユニットという。モンスター初の水冷エンジン搭載だ。

　ミクニ製ライド・バイ・ワイヤー・スロットルボディに設けられたインジェクターはインテークバルブの裏側めがけて燃料を噴射、その混合気に点火するスパークプラグは、気筒当たり2本を装備（デュアル・スパーク・コンセプト）、燃焼効率を向上させるとともに、燃焼時間を短縮。そしてスーパーバイク用とは異なるモンスターシリーズのコンセプトに合わせて、中低速域での力強さやスムーズさを求めてバルブ・オーバーラップを減らし（41°から11°に）扱いやすさを重視するセッティングとしている。スリッパー機能付FCC製湿式クラッチを採用し、セルフサーボメカニズムの働きとともに、クラッチレバー操作力を大幅に低減している。

　フレームも一新された。トレリスフレームという基本構成は変わらないものの、エンジンのアタッチメント・ポイントをシリンダーヘッドに移動することにより、フレーム全長が大幅に短縮され、大径スチールチューブ構造と相まって先代モデル比で2倍ものねじり剛性を実現しているという。曲げ剛性でも67％アップ、フレーム重量は1.23kg減少、リアサブフレームも1.1kgのマイナスとなっている。

　サスはフロントにφ43mmのカヤバ製フォークを採用、左右で役割分担をする最新テクノロジーの下、右側がフルアジャスタブル、左はプリロードのみのアジャストとなっている。8レベル・トラクションコントロール、3レベルABSも採用。また、145HPの出力を持つハイパフォーマンスバージョンのMONSTER1200Sでは、前後サスがオーリンズ製となり、フロントはφ48mm＋チタンコートアウターサスに、そして左右ともフルアジャスタブルフォークとなる。ちなみにそれ以外のMONSTER1200Sのみの特長としては、フロントブレーキディスクの径がφ330mmmにアップ（MONSTER1200はφ320mm）、キャリパーもM50モノブロックで1198と同一に、ホイールはアルミ鋳造と同一だが、その後NCマシニング加工を施している。サイレンサーアウターカバー、フロントマッドガードなどをカーボン製に、そしてブラック・サイレンサーに変更されている。