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ホンダ
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こちらの動画が見られない方、もっと大きな画面で見たい方は、YOUTUBEのサイトで直接どうぞ。「http:http://youtu.be/NSqWoTzPt_o 兄貴分たちと。左からCB250F、ニューCBシリーズとして2013年5月に発売されたCB400F、そして今年の4月21日に発売されたCB650F。単気筒、2気筒、4気筒の揃い踏み。
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試乗者の身長は170cm。「Uターンが苦手な人はCBR250Rより、こっちの方が確実にやりやすいだろう」。

 CBR250Rがエンジンを中心に変更を受けた新型になり、同時に、そのネイキッドバージョンであるCB250Fが発売されたので、早速試乗してきた。

 デザインはCB400F、CB650Fと通じる姿で、良く見ると違う造形であるが、3台が並ぶと遠目では、似たスタイルをしている。尖ったテールが短く持ち上がって、シュラウド風の外装があって、ヘッドライトの位置が低いという、今風のデザインとなっている。惜しむらくはこれでマフラーがショートタイプだったら、もっと現代的な姿になっただろうと個人的には思うが、CBR250Rとの共通部分やエミッションや音のレギュレーションを考えるとそうも言えない。

 セルボタンを押してエンジンを始動させブリッピングさせると、新しくなったこのマフラーは静かながら実に歯切れのよい音で、走りだしてもヘルメットを被った耳に、乾いたパルス感を感じさせる排気音。これはなかなかいい。説明しなくてもご存知であろうが、オートバイとはエンジンの上に跨って乗っているような乗り物なので、そのエンジンの存在感を感じられる音は重要。今度のマフラーからはよりワイルドな音が出る。

 足つき向上のため形状が変更されたシート。その高さや、ステップ位置はCBR250Rと同じで、ハンドルだけセパレートタイプではなく、バータイプを採用。グリップの位置は肩幅よりこぶし1個半くらい外側で、高さはCBRにくらべこぶし1個くらい上になった。当然ながら、これで姿勢はアップライトになり、250サイズのコンパクトさそのままで、上半身が前後左右に動きやすい。Uターンが苦手な人はCBR250Rより、こっちの方が確実にやりやすいだろう。

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 水冷4ストロークDOHC単気筒エンジンは、スロットル操作に対するレスポンスが良くなった。これはすぐに判る変更点。エンジンを高回転まで引っ張り加速して、シフトアップした時の回転の落ち込みが穏やかかつ小さく、単気筒エンジンにありがちな、一拍おいてパワーがついてくるような感じがとても小さくなった。必要十分なトルクがある低中速から高回転まで淀みがない。どこからでも右手をひねった分だけ開けただけ前に進む。さらに、今回、5速と6速が近づいたことなどで全ギアの繋がりが気持ちいい。

 間違いなく驚くようなパワーと加速はないけれど、エンジン回転数を上げ、ギアチェンジを頻繁にして山間のワインディングを走るのが楽しかった。“速さ”と違い、“楽しさ”は排気量やパワーと必ずしも比例しない。それを再認識させてくれる乗り味。

 好印象になった理由のひとつに、サスペンション、とりわけフロントフォークの動きがいいことも上げたい。元々、CBR250Rのサスペンションは250クラスの中で気に入ったものだったけれど、それがさらに良くなったと感じた。初期作動が柔らかく、奥でじんわりと踏ん張り、伸びる時のダンピングも効いている。それほど高スペックな足廻りではないものの、この車体とエンジンパワーで出せる運動エネルギーには充分なものだと。

 伺ったらこれまでと同じで、構造どころかセッティングも変更ないということ。ポジションによる重心の違いか、スムーズになったエンジン特性によりスロットル開閉でのピッチング方向の動きが少なくなったのか、はたまた組み立て練度が上がったのか、理由は分からない。でも勘違いではないと思う。

 今は、昔と違い排気量のヒエラルキーが崩壊しつつある、いや崩壊したのではないか。何が何でもいちばん大きな奴、いちばん速い奴を選ぶのではなく、ユーザーは自分のライフスタイルにあったものを選択する。大型がエライなんて思っている人は時代遅れだ。サイズ、維持費、車両価格、そしてこの走りは、街中で使いやすく、たまに日帰りお出かけでワインディングを楽しむ、なんて使い方にはぴったりだと思う。もちろん入門者のファーストバイクとしてもオススメ出来る。

 ただ、排気量ヒエラルキーがないからこそ、ひと目で「250のCBだ」と判る個性のあるルックスの方が良かったのではなかろうか、とも少しだけ思った。250だと大いに自慢したい気持ち。

 それはともかく、250ネイキッドスポーツとしてCB250Fは魅力的な仕上がりなのは間違いない。

(試乗:濱矢文夫)

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CBR250Rの2眼ヘッドライト、フルカウルから異形1眼のミニフェアリングのスタイルへ。新しいストリートファイターの顔。 バーグラフ表示のタコメーターとスピードメーターをコンパクトに配置した新型デジタルメーター。燃料計、時計など多彩な情報を液晶ディスプレイに表示。 CB250F専用設計されたバーハンドル。よりアップライトなポジションに変更されて、日常使いを重視。
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足回りは基本的にCBR250Rと同一。プロリンク採用のスイングアームに140/70-17M/C 66Sタイヤを採用。 新型CBR250Rと共通のエンジンは、最高出力が21kw[29PS]/9,000rpm、最大トルクは23N・m[2.3kgf]/7,500rpmを発生。燃費も49.2km/Lから50.1km/Lへと向上させている。 フロントも新型CBR250Rと共通。テレスコピックサスにシングルディスクブレーキ。ABS装備タイプが用意されるのも同一。
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タンクからシートにかけてよりスリムとなった新型CBR250R同様、足着き性が向上している。サイドカバーもよりスリム化。 シート周りも新型CBR250Rと共通。 低く構えたヘッドライトから質感を持ったタンク部を経て、シャープなリアカウルに抜ける“マスフォワードプロポーション”を採用。
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●CB250F〈CB250F<ABS>〉 主要諸元
■型式:JBK-MC43■全長×全幅×全高:2,035×760×1,045mm■ホイールベース:1,380mm●最低地上高:150mm■シート高:780mm■車両重量:158〈161〉kg■燃料消費率:国土交通量届出値、定地燃費値50.1km/L(60km/h)、WMTCモード値32.4km/L(クラス3-1)■燃料タンク容量:13L■エンジン種類:水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ■総排気量:249cm3■ボア×ストローク:76.0×55.0mm■圧縮比:10.7■燃料供給装置:フューエルインジェクション(PGM-FI)■点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火■始動方式:セルフ式■最高出力:21kw[29PS]/9,000rpm■最大トルク:23N・m[2.3kgf]/7,500rpm■変速機形式:常時噛合式6速リターン■ブレーキ(前×後):油圧式シングルディスク × 油圧式シングルディスク■タイヤ(前×後):110/70-17M/C 54S × 140/70-17M/C 66S■懸架方式(前×後):テレスコピック × スイングアーム(プロリンク)■フレーム:ダイヤモンド
■車体色:ブラック、ミニアムレッド
■メーカー希望小売価格:464,400円(本体価格430,000円)〈515,160円(本体価格477,000円〉。8月1日発売。


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