ninja250_run_title.jpg

カワサキ
IMG_2608.jpg
こちらの動画が見られない方、もっと大きな画面で見たい方は、YOUTUBEのサイトで直接どうぞ。「http://youtu.be/4KJvIjo8DHk」 Ninja 250の2015年モデル。最大の特徴は、ビッグマシンなどに採用されるハイグレードメカニズム“アシスト&スリッパークラッチ”が全車に採用されたこと。Ninja 250の他、キャンディプラズマブルー×エボニーのスペシャルカラー、そしてタンクパッドを採用したNinja 250 Special Edition、さらにSEモデルにABSを搭載するNinja 250 ABS Special Editionも同時リリース。試乗したモデルは、Ninja 250 Special Edition。
IMG_2569.jpg

 前モデルになるNinja250R、そして現行型のNinja250が販売的な成功を成し得たのは、クラスレスな存在感が大きいだろう。特にモデルチェンジで2013年に登場したNinja250の外観はとても魅力的だ。リッタークラスのスーパースポーツと比べても引け目を感じさせないカッコよさを持っている。もちろん、クラスレスといっても各部を見れば250らしい華奢な部分があるけれど、間違いなく、これまでの250的概念を壊した。ルックス的にどこかで我慢しているようなところが殆ど無い。

 こういう存在感は欧州の輸入車が持っていることが多かったが、同時に価格もクラスレスだった。Ninja250はそこが違う。ABSが装着されている素のモデルだと50万円台前半。当然、絵に描いた餅では売れない。当然、並列2気筒エンジンを積んだNinja250は走りも気持ちいい。価値を感じるオートバイになっている。

 2015年モデルを運転してそれをさらに感じた。乗ったのはキャンディブルーとブラックのシックなSPECIAL EDITION。大きなトピックとしては新たにスリッパークラッチが装備されたこと。これを簡単に説明すれば、エンジン回転が上昇している時にシフトダウンしてクラッチをつなぐと強めのエンジンブレーキがかかるが、その力を逃す機構を持っていて、ライダーの体が前につんのめるようなエンジンブレーキを軽減させるものだ。ベテランのライダーだとそうなりにくくするためにシフトダウンの時にスロットルを意識的に開けて回転を合わせるという動作をするけれど、そのままシフトダウンする人、特にビギナーには挙動変化が少なくなりありがたいものだ。

 実際に乗って、その恩恵を体感できた。大きく加速して、すぐにクラッチレバーを握り意地悪なシフトダウンをしても、後ろから引っ張られるような動きが少なくスムーズ。流石に1速にまで落とすと、一瞬タイヤが「キュッ!」とスリップして鳴くけれど、グリップを失って、左右におしりをふるようなことはなかった。

 これによって、もっと走りがスポーティーに変わった。コーナーへ進入しながら立ち上がりを考えて2速落としたい時など、躊躇せずポンポンと間髪入れずシフトダウンして入っていける。エンジン回転を合わせる方法より確実に楽で早く操作が出来て、ライディングに集中できるのだ。スポーツ走りを楽しみたいライダーには嬉しい。そういう走りをあまりやらない、街乗りが多い、という使いかたのライダーにもメリットがある。クラッチレバー操作が以前より軽くなった。渋滞時はもちろん、握力がそれほど強くない女性ライダーには重要な違いだ。

IMG_2499.jpg IMG_2512.jpg IMG_2517.jpg IMG_2488.jpg
ライダーの身長は170cm。スリッパークラッチは、街乗りが多い、という使い方、女性のライダーにもメリットがある。試乗車両はNinja 250 Special Edition。
IMG_2427.jpg IMG_2421.jpg IMG_2419.jpg
IMG_2367.jpg IMG_2438.jpg IMG_2415.jpg
IMG_2404.jpg IMG_2464.jpg IMG_2435.jpg
「2013年、250ccロードスポーツのトップに君臨したNinja 250がこの度、アシスト&スリッパークラッチを搭載し新登場いたします。スーパースポーツやビッグツアラーに搭載されているこのシステムをカワサキはクォーターモデルであるNinja 250に惜しげもなく投入。その魅力をさらに洗練させました。クラッチレバーの操作感を軽くし、高負荷時の駆動力を確実に伝達させる他、過度なエンジンブレーキ時のバックトルクを逃がし、リヤタイヤのホッピングやスリップを抑制します」(カワサキのリリースより)。

 
抜け目ない、と言いたくなるほどに
人気にあぐらをかかないカワサキの強さ

IMG_2610.jpg

 アナウンスされた変更点はカラーグラフィックとスリッパークラッチのみだけど、乗ってみると、他にも変化を感じたところがある。まず、足廻り、サスペンションの動きが良くなったと感じた。特にフロントフォークは作動性が上がったと思う。荒れた路面を通過するときなどに感じていた微妙な突っ張り感がなくなった。加えて、試乗した個体は履いているタイヤがハイグリップバイアスとして定評のある、国産のダンロップTT900GPになっていた。スムーズなサスペンションと安定したグリップ感で、走る性能がレベルアップし安心して積極的なスポーツライドを楽しめた。これは快適にもつながっている。

 並列2気筒エンジンは吹け上がりが軽く、トップエンドまで軽く回って、高回転のパワー感もさることながら、意外とある低中速のトルクで、クルージング時は、高いギアに入れっぱなしの運転も許容する。排気量とパワーの数値から想像してしまいがちな常にせわしくシフトチェンジしなければ、という事はない。Ninja250がビギナーにも好まれている理由はここにもある。

 魅力的なルックスに、ブラッシュアップした走り。抜け目ない、と言いたくなる。売れたからとほったらかしにしないところにカワサキの意気込みが伝わってくる。いろいろなところに感心しながら乗った。さあ、これに対してライバルがどう出てくるのかも楽しみだ。盛り上がるほどユーザーの私達は嬉しい悩みを抱え、豊かなオートバイライフを楽しめるからね。

(試乗:濱矢文夫) 

IMG_2356.jpg IMG_2381.jpg

●Ninja 250 主要諸元

■型式:JBK-EX250L■全長×全幅×全高:2,020×715×1,110mm■ホイールベース:1,410mm●最低地上高:140mm■シート高:785mm■車両重量:172kg■燃料消費率:40.0km/L(国土交通省届出値:60km/h定地燃費値、2名乗車時)、25.7km/L(WMTCモード値、クラス3-2、1名乗車時)■燃料タンク容量:17L■エンジン種類:水冷4ストローク2気筒DOHC4バルブ■総排気量:248cm3■ボア×ストローク:62.0×41.2mm■圧縮比:11.3■燃料供給装置:フューエルインジェクション■点火方式:バッテリー&コイル(トランジスタ点火)■始動方式:セルフ式■最高出力:23.0kw[31PS]/11,000rpm■最大トルク:21N・m[2.1kgf]/8,500rpm■変速機形式:常時噛合式6速リターン■ブレーキ(前×後):φ290mm油圧式シングルディスク × φ220mm油圧式シングルディスク■タイヤ(前×後):110/70-17M/C 54S × 140/70-17M/C 66S■懸架方式(前×後):テレスコピック × スイングアーム(ユニ・トラック)■フレーム:ダイヤモンド
 
■メーカー希望小売価格:Ninja 250:553,500円、Ninja 250 Special Edition:569,160円、Ninja 250 ABS Special Edition:620,460円(9月1日発売)

IMG_2372.jpg IMG_2374.jpg


| 新車プロファイル「Ninja 250」のページへ |
| 新車プロファイル「Ninja 250 Special Edition」のページへ |
| 新車プロファイル「Ninja 250 ABS Special Edition」のページへ |


| 「新型Ninja 250で走る!」のページへ |
| 「カリスマてんちょ~のソウルフードの旅 Ninja 250 ABS Special Edition」のページへ |


| 短期連載250の魅力を探るシリーズ「HONDA CRF250L/CRF250M」のページへ |
| 短期連載250の魅力を探るシリーズ「Kawasaki D-TRACKER X/KLX250」のページへ |
| 短期連載250の魅力を探るシリーズ「YAMAHA WR250R/WR250X」のページへ |
| 短期連載250の魅力を探るシリーズ「SUZUKI グラストラッカー」のページへ |
| 短期連載250の魅力を探るシリーズ「YAMAHA YZF-R25」のページへ |
| 短期連載250の魅力を探るシリーズ「SUZUKI GSR250」のページへ |
| 短期連載250の魅力を探るシリーズ「HONDA VTR Type LD」のページへ |