モーターショー出展モデル

『オープンクラスキングを目指して排気量拡大』

カワサキ・フラッグシップの“中興の祖”となるべくZX-14(ZZR1400)が登場したのは2006年。トップパフォーマンスモデルのZX-12R、サーキット最速のZX-10R、そしてスーパーツーリングのZZ-R1200という3極体制に細分化されてしまったカワサキのビッグバイク体制に、Z1以来の原点回帰で臨んだのがZX-14だった。圧倒的な動力性能と、ビッグバイクでありながら市街地でのショートランからロングツーリングまで、オールマイティに使用することができるスーパースポーツモデル。それこそがカワサキのビッグマシンを支持する多くのライダーたちの求めるものだった。そのリクエストに見事応えた、といえるZX-14だが、今回久々にモデルチェンジ&フェイスリフトを受けることになった。

ボア×ストローク、84.0×65.0 mmへとストロークアップすることにより排気量を1441ccへと拡大し、得られたパワー&トルクは、中低速域での更なる余裕の走りのために配分されたという。現在海外市場で趨勢となろうとしている“200馬力自主規制”に配慮して、スペック上の最高出力は200馬力におさえられることになったが、ラムエアーが効果を発揮する高速域では当然プラスアルファとなる。それはともかく、実際に公道での走りを左右する中低速域のパフォーマンスがよりパワフルになるのはライダーにとっては大歓迎だろう。新しい顔、新しいサイドビュー、そしてパフォーマンスを誇るかのような押し出しの強いビッグマフラーなど“オープンクラスキング”の名をかけて一歩も譲れない、という意気込みが「R」の車名プラスに現れているとも言える。

こちらのカワサキのモーターショーの動画が見られない方はYOUTUBEのサイトhttp://youtu.be/X5xy3xfxlK4で直接ご覧ください。
※スタートボタン通すと、KAWASAKI ZX-14Rの動画を見ることが出来ます。見られない場合はYouTubeのサイトで直接ご覧ください。http://www.youtube.com/watch?v=6UzQXTNYC2k
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
ハイパワーを誇示するかのようなヘキサゴンスタイルのテールエンドを持つ巨大なマフラーを左右に。テールのアシストグリップ部とフロントシート下後部に荷掛けフックを備えるのはカワサキ車のお約束事(アメリカ仕様では荷掛けフックは装備されずシートカウルに)。
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
タンクパッドは標準装備。深くえぐられたタンク後部とスリムなシートにより日本人でも足つき性は良好。こういった微妙な部分が日常生活の足として使えるかどうかを左右する。
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
ZX-10Rで初採用されたカワサキのトラクション・コントロール(KTRC)を装備。設定は3段階に選択可能で、1と2は“前に走らすためのトラコン”ポジション、そして3が横滑り防止を行うポジションに。スポーツABSの採用とあわせてライダーの負担を大幅に軽減してくれる。
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
シート下にはETCを収納できるスペースが。リアシート下にあたる部分に見えるケースは工具入れ。写真で手前に見えるのが引き出せる荷掛けフック。その横にヘルメットのストラップを掛けるフック、もう一ヵ所、工具入れ脇にもケーブルタイプのヘルメットホルダーが。
Block01 Midashi
 エンジン周りの変更点は、ストローク量を4mm伸ばして排気量を1,441ccへ拡大、従来モデルと比較し、全回転域においてトルクが向上、特に中速回転域から高速回転域において大幅な性能向上を実現。特に4,000回転を超えてからの加速力に顕著に現れているという。シリンダーヘッドの燃焼室形状の製作過程を鋳造から切削へと変更、より精巧な造り込みが可能となった。圧縮比も12.0から12.3へとアップ。パフォーマンス向上のため吸排気ポートを改良。吸気はポート形状変更とポリッシュ仕上げの導入、排気はポート直径を拡大、排気性能を高めている。吸排気カムプロフィールも見直された。より強度の高いカムチェーンを採用、新型油圧カムチェーンテンショナーも導入し冷却時のメカニズムノイズも減少させている。ピストン1個あたり約6gの軽量化も実施。
 新たにピストンジェットシステムを採用、エンジン外部に追加した配管を通してオイルをピストン背面に噴射し冷却効率をさらに高めている。エアクリーナーエレメントも面積を拡大、有効濾過面積を約10%増やし、空気の通路抵抗を約60%も改善。ヘッダーパイプ径を38.1mm~42.7mmのテーパータイプへ変更。クラッチにはシリーズ初採用となるバックトルクリミッターが装備された。
 フレームも基本構造は同一だが、実に半分以上のコンポーネントが変更を受けている。ステアリングヘッド周りの剛性アップに始まり、スイングアームピボット周りの構造変更、モノコックフレームのねじり剛性アップに貢献するエンジンのリジットマウント、エアフィルターのガイドレールを排除することで、より大きなエアフィルターの採用を可能に、モノコックフレームに内蔵されるバッテリーのバックプレートをプラからアルミニウム製に変更することでフレーム剛性のアップなど。
 スイングアームも全長で10mm延長、二次減速比の変更に対応させている。スイングアーム自体にもガセットを追加して強度アップを図っている。
 足回りでは、ホイールデザインの見直しでフロントで360g、リアで1,030g、トータルで1,390gの軽量化を達成。時速300km/hまで対応するハイスピード用ラジアルタイヤを装着した。最新のABSとともに3モードKTRC(Kawasaki TRaction Control)を採用。モード1と2は2011年モデルのZX-10Rに搭載されたS-KTRCと同様、最大限の加速を最優先させるモード、そしてモード3は2010年モデルの1400GTR ABS搭載のKTRCシステムとほぼ同機構の、滑りやすい路面でのスムーズなライディングを実現するモノとなっている。
Block01 Midashi
■ZX-14R 主要諸元■
全長×全幅×全高:2,170×770×1,170mm、ホイールベース1,480mm、最低地上高:125mm、シート高:800mm、車両重量:265kg(ABSは268kg)、燃料タンク容量:22L●水冷4ストローク並列4気筒DHOC4バルブ、排気量:1,441cc、ボア×ストローク:84.0×65.0mm、圧縮比:12.3:1、燃料供給装置:F.I.+MIKUNIφ44mm×2、点火方式:デジタル、始動方式:セル、潤滑方式:圧送式ウエットサンプ、最高出力:147.2kW(200PS)/10,000rpm(フランス仕様は78.2kW)、ラムエア加圧時は154.5kW(210PS)、最大トルク:162.5N・m(16.6kgf・m)/7,500rpm(フランス仕様は120.1N・m)●常時噛合式6段リターン、1速:2.611、2速:1.947、3速:1.545、4速:1.333、5速:1.154、6速1.036、一次減速比:1.556、二次減速比:2.471●フレーム形式:アルミニウムモノコック、サスペンション前:φ43mm倒立式テレスコピック、ホイールトラベル117mm、後:ボムリンクユニ・トラック(ガス封入式)、ホイールトラベル124mm、キャスター/トレール:23°/93mm、タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後190/50ZR17M/C 73W。

Block01 Midashi

 

モーターショー出展モデル

『Z1000のエンジンを搭載するオールラウンダー』

開発のポイントは、1,043cm3インラインフォアエンジンを搭載する軽量アルミツインチューブフレーム、ロングストロークサス、スポーツ走行も可能とする前後17インチホイール、あらゆるコンディションに対応する3モードKTRC、そしてアップライトなライディングポジションに、快適な走行を可能とするアジャスタブルウインドスクリーンや大型リアキャリア採用など。まずはフレームとエンジン。フレームとエンジンは基本的にZ1000をベースとしているが、走りのフィールドの違いに配慮した大幅な変更がいくつか行われている。ステアリングヘッドパイプ部と、C断面形状を持つ左右メインチューブ、2本のクロスパイプからなる5ピース構造のアルミダイキャスト製ツインチューブフレームは、ヘッドパイプ周りを中心に補強が行われた。またリアアクスル部分なども剛性バランスの見直しが行われている。エンジンハンガーパイプも強化された。

水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジンは、ピークパワーを若干減らし、低中回転域でのパワーを強化、最高出力、最大トルクともZ1000より低い回転数で発生させている。最高出力は86.8kW(118PS)/9,000rpm、最大トルクは102N・m(9.8kgf-m)/7,700rpm(ともに欧州、オーストラリア、東南アジア仕様値、フランス仕様は約1割ダウン)。ちなみにZ1000は、101.5kW(138PS)/9,600rpm、最大トルクは110N・m(11.2kgf-m)/7,800rpm(欧州仕様値)で、その他、圧縮比も11.8から10.3:1に変更。カムプロフィールも吸気、排気側とも作動角とリフト量が下げられ、バルブ、バルブスプリングも専用設計となった。スロットル系も38mmに絞られている。ミッションのギア比もZ1000に比べ1速、2速ギアをショート化して荷物満載時も余裕の発進を可能とし、3速から6速は逆に高速巡航を考慮してロング化された。

足周りでは、KYB製の次世代フロントフォークといえるφ43mmの倒立フォークが採用されている。インナーチューブの内部にシリンダーを備えることで25mmの大型シリンダーを実現、大径ピストンにより安定したサスの動きを可能としている。ここら辺はさすがにオールラウンダーの走りを支えるべく、Z1000よりもさらに一歩進んだ足周りとなっている。またそのシリンダー上部で充分な剛性を確保しているため、シリンダーそのものは壁厚を薄くできるようになりフォーク1セットあたり205gの軽量化も達成しているという。フォークのリバウンド側(上側)ダンパーとコンプレッション側(下側)ダンパーには通常のチェックバルブに加え、減衰力調整バルブ(サブバルブ)を装備。これによりオイルが逆方向に流れてしまった場合の一時的な減衰力の喪失を防止することが可能になり、より安定した減衰力特性を維持することが可能になっているという。

フロントのホイールトラベルは150mmを確保。同様に150mmのストロークを持つリアサスはショックユニットとリンケージをスイングアームの上部に設置する“ホリゾンタルバックリンクリアサスペンション”方式を採用。従来のユニ・トラックサスでは下側のリンケージがあった部分に大型のプレチャンバーを配置することが可能となっている。車体右側にオフセット配置こそされていないもののここら辺はVersysシリーズのDNAだ。リアフレームを鋼管トレリス構造としたのもVersysシリーズのデザインを強く意識してのことだろう。このリアフレームによりパッセンジャーと荷物を満載しても余裕の220kgの積載容量を確保しているという。

個性的な顔つきもVersys一族のアイデンティティを引き継いでいる。しかもこのVersys1000ではウインドプロテクション性能をさらに高めるため約30mm、無段階で上下に調節が可能なアジャスタブルウインドスクリーンとなっている。特殊な工具等は不要で前部2ヵ所のノブを緩めるだけで簡単にスライドできる。オプション設定のトップボックスとパニアケース搭載を前提にした大型の樹脂製リアキャリア(最大積載量6kg)も採用。

■Versys1000主要諸元■
全長×全幅×全高:2,235×900×1,405[1,430]mm、ホイールベース1,520mm、最低地上高:155mm、シート高:845mm、車両重量:239kg、燃料タンク容量:21L、水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ、排気量:1,043cm3、ボア×ストローク:77.0×56.0mm、圧縮比:10.3:1、燃料供給装置:F.I.+KEIHINφ38mm×4、点火方式:デジタル、始動方式:セル、潤滑方式:ウエットサンプ、最高出力:86.8kW(118PS)/9,000rpm (欧州、オーストラリア、東南アジア仕様)、最大トルク:102N・m(10.4kgf・m)/7,700rpm(同)、常時噛合式6段リターン、1速:1.627、2速:1.950、3速:1.529、4速:1.304、5速:1.136、6速0.958、一次減速比:1.627、二次減速比:2.867、フレーム形式:アルミツインチューブ、サスペンション前:φ43mm倒立テレスコピック、ホイールトラベル150mm、後:ホリゾンタルバックリンク(ガス封入式)、ホイールトラベル150mm、キャスター/トレール:27°/107mm、タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後180/55ZR17M/C 73W。
[ ]内はフェアリングを最も上げた位置での値。

KAWASAKI 2012 Model Versys1000
Z1000と比べて約2倍の厚さを持つシート。1000km以上の長距離ツーリングにも快適性を実現。優れたフィット感を得るために選択されたシート表皮。フロントシートはサイドとリアで素材を変え、パールスターダストホワイトの車体色にはツートーンのデザインを採用。
※スタートボタン通すと、KAWASAKI Versys1000の動画を見ることが出来ます。見られない場合はYouTubeのサイトで直接ご覧ください。http://www.youtube.com/watch?v=2P3xG3agKqE
KAWASAKI 2012 Model Versys1000
Z1000をベースにしたフレームとエンジン。ヘッドパイプ周りとリアアクスル周りを強化、エンジンハンガーパイプも強化されている。エンジンでは出力特性をZ1000とは変更するため圧縮比を下げ、専用設計のカムプロフィールの採用、スロットル系の小径化、楕円形サブスロットルの採用などが行われた。
KAWASAKI 2012 Model Versys1000
足周りではZ1000よりも進化したKYB製のφ43mm倒立フロントフォークが採用された。インナーチューブの内部にシリンダーを備えることで25mmの大径シリンダーを実現、大径ピストンにより安定したサスの動きを実現しているという。キャスター角は27度に設定、高速安定性とニュートラルなハンドリング特性を実現。前後サスのロングホイールトラベルも特徴に。
KAWASAKI 2012 Model Versys1000
2012年モデルのZX-14Rで採用されたKTRC(Kawasaki TRaction Control)を採用。従来のS-KTRC(速く走るために最大限のトラクションをキープし続ける機構)とKTRC(滑りやすい路面でも安定した車体挙動を維持する機能)の2つの技術を統合した最新スペックのトラクション・コントロールを搭載。3モードの切り替え式。切り替えは左グリップ付け根に設置された切り替えボタンで。多機能メーター内部に現在のモードが表示される。
KAWASAKI 2012 Model Versys1000
Z1000とは明らかに異なるエンジンセッティングが行われたことがよく分かる出力、トルク性能曲線図。オールラウンダーな走りを実現する中低速域重視のエンジン特性だ。ミッションギア比も1速、2速をショートに、3速~6速をロングに変更。

 

モーターショー出展モデル

『ネイキッドバージョンのER-6n、フルカウルバージョンのER-6f/Ninja 650、ともにフルモデルチェンジ』

キープコンセプトのデザインが採用されたこともあり、フレームから新型となっていることに気づきにくいかもしれないが、実はこれまでのトレリスフレームから片側2本のパイプによるスパータイプへと変身している。カワサキが“ダブルパイプペリメターフレーム”と呼ぶそのフレームは、2本の高張力鋼管を上下に並べて、メインパイプ部を構成。同様に2本のパイプによって構成されたリアのスイングアームへかけて直線的なラインを形作っている。特に右サイドではオフセットマウントされたレイダウンサスと相まって強烈な個性を打ち出していると言えるだろう。ちなみに上下2本のメインパイプの間は樹脂製のダクトがはめ込まれており、吸気通路として利用されている。ヘッドパイプ直後の位置にはフレッシュエアの取り入れがあり、エキサイティングな吸気音も演出しいてるという。

水冷4ストローク2気筒、DOHC4バルブ、649ccのエンジンは基本的に2011年までのモデルと同一だ。ただし2012年モデルでは、スムーズでありながら鋭く吹け上がる2011年モデルのエンジン特性を活かしながら、更なる楽しさと日常での扱いやすさを求めて低中速域のトルクが強化されている。セクシーなカーブを描くヘッダーパイプにはコレクター部が設置され、トルクの山と谷を打ち消し、スムーズなパワー特性の実現に貢献している。エンジン下からスイングアームピボット部下へと配置されたマフラーは容量をアップし、内部構造も見直すことで常用域の7,000回転以下でのトルクを強化、低回転域での優れたコントロール特性を発揮する。触媒のレイアウトも変更することでユーロIIIに対応。

足回りでは、前後のサス・ストロークも延長している。フロントでは全長で15mm、ストローク長を5mm延長、リアは全長とストローク長ともに2mm延長。ストロークが伸びたことに合わせてスプリングレート、ダンパーも変更されている。ブレーキはフロントφ300mmペタルのデュアル、リアはφ220mmペタルのシングルと構成は変わらないが、よりクリティカルなコントロールを可能にする先進のプロセッサを搭載したコンパクトな新型ABSユニットを採用したモデルをラインナップ。さらにABS非装着モデルでは制動力を向上させたブレーキパッドを採用している。

■ER-6n主要諸元■
全長×全幅×全高:2,110×770×1,110mm、ホイールベース1,410mm、最低地上高:130mm、シート高:805mm、車両重量:204kg(ABSは206kg)、燃料タンク容量:16L●水冷4ストローク並列2気筒DHOC4バルブ、排気量:649cc、ボア×ストローク:83.0×60.0mm、圧縮比:10.8:1、燃料供給装置:F.I.+KEIHINφ38mm×2、点火方式:デジタル、始動方式:セル、潤滑方式:セミドライサンプ、最高出力:53kW(72.1PS)/8,500rpm(東南アジア仕様は52kW)、最大トルク:64N・m(6.5kgf・m)/7,000rpm●常時噛合式6段リターン、1速:2.438、2速:1,714、3速:1.333、4速:1.111、5速:0.966、6速0.852、一次減速比:2.095、二次減速比:3.067●フレーム形式:ペリメター(高張力鋼管)、サスペンション前:φ41mmテレスコピック、ホイールトラベル125mm、後:オフセットレイダウンシングルショック、ホイールトラベル130mm、キャスター/トレール:25°/110mm、タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後160/60ZR17M/C 69W。

KAWASAKI 2012 Model ER-6n/6f
現行モデルではフルデジタル表示のメーターを採用していたが、やはり瞬時の見やすさを優先すれば、タコメーターはアナログ表示に。縦二段積みのメーターの下部は、夜間の視認性に優れるホワイト色のLEDバックライトを採用する多機能デュアルウインドウLCDメーター。スピードメーターを中央に表示。その周りに燃料計、時計、オドメーター、デュアルトリップメーターに加え、走行可能距離、平均/瞬間燃費計、エコノミカルライディングインジケーターを表示。ER-6f/Ninja 650。
KAWASAKI 2012 Model ER-6n/6f
特徴的だった現行のER-6シリーズのトレリスフレームから一新。片側2本のパイプを組み合わせてツインスパー(ツインビーム)を構成するユニークなタイプに。フレームこだわるER-6シリーズの面目躍如、だ。右サイドにオフセットマウントするレイダウン・リアサスのレイアウトは継承。
KAWASAKI 2012 Model ER-6n/6f
エンジンまわりは基本構成に変更無し。中低速域をより使いやすく、そして触媒レイアウトの変更等でヨーロッパの環境規制にも対応。エンジン下にショートマフラーを配するスタイルもキープコンセプト。
KAWASAKI 2012 Model ER-6n/6f
フェアリング・デザインの変更でイメージの変わったER-6f/Ninja 650に対して、ネイキッド版のこちらER-6nはキープコンセプトであまり変わっていないかのよう。もちろんこちらもフレームから一新のフルモデルチェンジだ。
KAWASAKI 2012 Model ER-6n/6f
ER-6nの方のメーターまわりは意表をついた2011年までのモデルの造形から、一般的なデザインに。ER-6f/Ninja 650と共通するイメージのアナログ式のタコメーターを上部に、下部にスピード等をデジタル表示するLCDという配置(これまでもER-6nはアナログ式のタコメーターだったが)。基本構成はER-6F/Ninja 650と共通だが、ER-6nではLCDが一体となりバックライトもブルーとなっている。
KAWASAKI 2012 Model ER-6n/6f
リアのスイングアームも完全新設計。従来の角断面パイプによるトラス構造から、2本のパイプで構成するものに。そして下側のパイプを大きく上方へ曲げることでマフラーのスペースを生み出している。また同時にスイングアーム右側のパイプはD断面チューブとなって剛性バランスを最適化している。
KAWASAKI 2012 Model ER-6n/6f
フレーム右側にオフセットされたリアサスの上側の受けはこのように右側のメインフレームにダイレクトに。下側もリアスイングアームの上部パイプにつながるシンプルな構造だ。

 

| 出展モデル一覧のページへ | このページのトップへ |

       | ホンダのショーモデルへ | ヤマハのショーモデルへ | スズキのショーモデルへ |

       | 海外メーカーモデルへ | GALS PHOTO GARALLYへ |