全日本ちょこちょこっと知っとこ

第36回「雨に霧、2時間遅れ、しかしレースは激熱だった!」



MotoGPクラス
MotoGPクラス。ロレンソ、ロッシ選手ともにいいスタートをきっていった。日本人不在のMotoGPクラスですが、ワイルドカードの高橋選手はアウトから、中須賀選手はちょっと出遅れて集団の中。

 雨にもかかわらず、今年のもてぎは入場者数が過去最高を記録しました。バレンティーノ・ロッシがチャンピオンを獲得できる最後のチャンスではないかとうたわれていて、「ロッシ効果?」と噂されるほど。そして日本人 ワイルドカードに全日本ランキングトップの中須賀選手が出場。もてぎを前にマルケスが小指を骨折、ロレンソが肩を傷めるというアクシデントがあり、風向きはどんどんロッシに?!

 予選から好調だったのはロレンソ。肩の怪我をものともせずにアタックして会場を沸かせましたが、続くロッシも僅差、決勝はこの2人のどちらかだろう? しかしこのアタック合戦に会場は湧きましたね!

 決勝日は朝から雨がザザ降りで、低いところに霧が立ち込めてなかなか晴れることがなく、ファンや関係者をただ待たせるだけでした。雨は途中で弱くなり、コースはウェット的に良好な状態でしたが、なにぶん霧が晴れてくれないことにはいざというときに救急ヘリコプターが近隣の病院まで飛ぶことができないので、コース走行はできないのです。約2時間ほど待機になり、ウォームアップが始まってからは怒涛の3連続レース! Moto3は13ラップ、 Moto2は15ラップへと短縮されたので正直、あっという間に終わってしまった……。

 Moto3、Moto2はトップが逃げ切りとなり、MotoGPでも同じように逃げ切ろうとしたのはロレンソですが、雨が止んでコースが乾き始めるアクシデント(?)。逆に、レース前半でペースを抑えたペドロサの猛追。「マルケス不調でもペドロサがいるんだぜ!」とでも言うようなレプソルチームの強さを見ました。

 当たり前なのですが、レースはチェッカーが振られるまで何が起こるかわかりません。だから、レースはおもしろいんです!



ロッシ選手がペドロサ選手に近寄っていき握手とハグ


パルクフェルメでの記念撮影
パルクフェルメでロッシ選手がペドロサ選手に近寄っていき握手とハグ。ロレンソ選手とのポイント差が開いたのだから「ありがとう」なのかw。素直に「おめでとう」だったのか。どちらも晴れ晴れとした顔が良かった。 パルクフェルメでの記念撮影。大騒ぎして大体の場合スタッフみんないうこときかない(笑)。これ以外にピットでの恒例のやつとか、 MotoGPはサービスショットが多くてさすがエンターテイメントって思います! 中本さん目線いただきですね。


朝のウォームアップでは名物の「乗り換え」


バレンティーノ・ロッシ選手
天候が不安定だったため、朝のウォームアップでは名物の「乗り換え」が見られた。GPではこんなバミりさえおしゃれにデザインされている。8耐でも取り入れたいところですね! 今シーズンは4勝、サンマリノの5位以外のレースは全て表彰台に登壇しているバレンティーノ・ロッシ選手。


ニッキー・ヘイデン選手


中須賀選手
今シーズンでMotoGPを卒業、来季はSBKに参戦が決まったニッキー・ヘイデン選手。SBKといえばドゥカティと
カワサキ優勢ですね。今シーズンはカワサキにスイッチしたジョナサン・レイがタイトルを獲得しています。ニッキーさん、ホンダの救世主になるか?
ヤマハからワイルドカード参戦の中須賀選手。チームは8耐で戦ったスタッフと、いつもそばにいる吉川和多留さんでリラックスしたいい雰囲気でした。


中須賀選手


中須賀選手
グリッドの中須賀選手。ヤマハ60周年記念のストロボカラーですが、本人に「このデザインに関しての思い入れはありますか?」と聞いたら「全然!(笑)だって世代やないもん!」とライダー目線の即答! 中須賀選手、8位チェッカー後のコメント「ヤマハの記念すべき60周年を良い結果で飾れてうれしい」と言っていましたが、「出るからには勝つレースがしたい」ともっと上を目指していました。ナカスガサーン! カッコイイです!


中須賀選手


青山博一
予選時の中須賀選手の1コーナー!このあたりはVIPビレッジやブリヂストンのスイートがあるのですが、ま近で見ると痺れます! チームHRCニッシンの監督は青山博一! チームスタッフも若手で構成されていて、スタッフ育成のための試みでもあるそうです。青山監督はチームのコントロールに加え度々コースを回っては巧選手の走りをチェック、ラインの確認と忙しそうでした。ハルクプロの先輩後輩ですが、こういった機会はめったにないので巧選手にとっても大きな収穫になったようです。


コースでチェック中の青山博一監督


巧選手のピット
コースでチェック中の青山博一監督。「指示の中に『ツナギ』って書いてあったんですよw金曜の巧のタイムが悪かったらいつでも交代するつもりで(笑)」巧選手にとっては尻に火が付いた気分だったかもですが、博一くんのアドバイスもあってか目標タイムを軽く更新! レプソルチームの隣にひっそりと・・・と思いきやことあるごとに偉い人が入れ替わり立ち代わりの巧選手のピット。全日本では思うようなレースが出来ずに悔しい思いをしているけど、いいアピールの場であったことは間違いない。


ロレンソ選手


8耐トリオでのバトル
ロッシ選手に18ポイントの差をつけられてランキング2位のロレンソ選手。残り3戦で逆転を狙う。 レース中盤はポル、中須賀、スミス選手の8耐トリオでのバトル。ヤマハのマシンの安定感と中須賀選手の実力がGPレベルだということを証明するもの。


ペドロサ選手


ペドロサ選手
ペドロサ選手のヘルメットは日本仕様


ペドロサ選手
ドヴィツィオーゾ選手をギリギリでパスするペドロサ選手。近くて声が出るほどだったけど、タイム差を考えるとスリップにつかなくても軽々と抜けてしまったんじゃないかと思ったり……


ペドロサ選手
ロッシをパスしていったペドロサ。MotoGPクラスのラインだけ急激に乾き、前半でタイヤ温存していたペドロサと勝負できる者はいなかった。ラップタイムも歴然だったので選手にとってはなすすべもなくといった状況だったに違いなく。ペドロサにはおめでとうだけど、レースはガチ勝負が見たい。


ロッシ選手を抜いていったペドロサ選手


裏ストレート
その後いとも簡単にロッシ選手を抜いていったペドロサ選手。 ペドロサ選手がロレンソ選手を簡単パスしていった裏ストレート。このコーナーのインにはオーロラビジョン(っていうの?)が設置されていて、スピーカーの聞こえもよく、それに目の前のパッシングなど良く見えるので、ある意味グランドスタンドより盛り上がってる気がしました。


秋吉選手


高橋巧選手
↑高橋巧選手。「スタートが上手くいかなくて、最初に埋もれてしまって、序盤のペース作り、タイヤの使い方をもっと考えていればもう少し前にいけたんじゃないかと思います。ワイルドカードとして中須賀選手に負けたことが悔しいですが、このウィーク通して発見できたこと、学んだことで今後のJSBに活かせる収穫もありました、手のうちは明かさないので、内緒です!」
↑秋吉選手はアブラハム選手の代役での参戦でした!スタンディングウィリーの安定感!


八郷社長


ロッシ選手
優勝コンストラクターとしてモチュールの清水社長から漆蒔絵の記念の盾を贈呈されるホンダの八郷社長。 ロッシ選手の意地悪顔を見つける度にニヤニヤしてしまう私。悪だくみ、してください・・「・・アイツのブーツに画びょうを入れるんだ!」なんて妄想するけど、私はホルヘ選手のファンです。


トークを見る二人


マルケス選手
フロントローの記者会見でマルクのトークを見る二人。 小指骨折のマルケス選手ですが、おとなしかったのはきっと痛かったからだと思います。それでもタイム出す!


中上選手


中上選手
『ファンの人たちが旗を振ってくれてるのもすごく見えて、盛り上がってるなっていうのをすごく感じました』

『日本来る前にここ数戦調子がよくて気持ち的にも上向きに臨むことができていたんですけどね、予選でちょっと思ってたほどのタイムではなかったんですけど、ウォームアップの調子もよく、スタート直後から前に出て戦えるポジションでしたが、すこし白線にフロントが乗ってしまって、耐えたつもりだったんです。けど最後にちょとこじったときに切れてしまって・・。再スタートするのに時間がかかってしまって・・・すごく悔しい!調子が良かったし、 声援を凄く感じて嬉しくて。転倒してしまって期待に応えられなかったことへの悔しさはありますが、レースに対しては全力で挑んでの転倒なので!次 のレースにぶつけます!』



アズラン、ハフィス、マルケス選手のバトル


小山知良選手
アズラン、ハフィス、マルケス選手のバトル。アズラン選手はアジア選手権チャンピオン。4耐覇者でもあるし今年はザムリの代役で8耐も参戦したので日本でもやっと知ってもらえたかな? と思うのですが。アジアの選手は雨が得意といわれ今シーズン最高の4位を獲得、ハフィス選手も初の5位ですね。「雨得意」の理由は「アジアはレインタイヤがないから」といったユディスの発言に由来します。 NTS・T・Proから参戦の小山知良選手。独自のマシンでのレースは昨年に続き2回目。レースは高橋裕紀選手とのバトルで、「アジア選手権かよ (笑)」と本人笑っていたけど、金曜の仕様で満足いくタイムが出ず、急きょ旧型に戻したり、また日曜の朝に新型に戻したりとバタバタだったようです。不具合も究明されて朝のフリーでのフィーリングが良く、レースは難しいコンディションだったところ、自分を押さえての走りで確実に抜いていったそうで、結果 NTSでの初ポイント獲得。「困難なのは自分の宿命みたいなもんだから」と最後には笑ってくれました。


高橋裕紀選手


高橋裕紀選手
高橋裕紀選手、レースは小山に続く14位チェッカーでした。 モリワキMD600で参戦の高橋裕紀選手、現在は全日本のJ-GP2、それにアジア選手権600クラスにダブルエントリーしている。両レースともにチャンピオン争いの渦中です。


尾野弘樹選手


尾野きゅん
Moto3のトップチームで奮闘する尾野きゅんこと尾野弘樹選手。母国GPに掛ける気持ちも大きく、予選もいいタイムでしたが、決勝は2番手走行中にもったいなかった・・・ 予選12番手の尾野きゅん。ここにきてオーストラリア、セパンと怪我のため欠場の悲しいお知らせが・・・


鈴木竜生選手


鈴木竜生選手
鈴木竜生選手18歳! CEVからのMoto3参戦中の鈴木竜生選手のことは、全日本を走っていないので全くしらないのです、これからも全日本を走らずに日本人選手が世界から逆輸入されてくることになるのでしょうか? レースは混戦のMoto3で13位とポイント獲得。

■レースのどこよりも詳細な記事は西村さんのコラムで
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