全日本ちょこちょこっと知っとこ

第37回 
全日本トライアル最終戦SUGO

国際A級スーパークラスは
ガッチこと小川友幸選手が見事4連覇!
6回目のチャンピオンに輝きました。



小川選手
国際A級スーパー(IAS)チャンピオンに輝いた小川選手。

 2016年10月30日に開催された最終戦は、秋晴れ! SUGOのトライアルコースは、ロードコースでいう「馬の背」のイン側にコンパクトに設計されています。観客には見やすい設定です。 

 小川選手(HRCクラブMITANI)とライバル黒山健一選手(ヤマハファクトリーレーシングチーム)の間には10ポイントの差があり、計算上、小川選手は6位までに入賞すればチャンピオン獲得という状況だったので、こう言ってはナニですが「余裕」?? ←怒られるやつ。

 ところが当日の朝、決勝に向かう小川選手は「昨日から突然肘が腫れて……」と、体調不良の様子。あとで聞いたところ熱も出ていたようです。対する黒山選手はというと……二人、仲良し具合が災いしてかこちらも体調不良。それに加え決勝スタート前にマシンに若干の不具合が見つかり、応急処置のためスタートが遅れるなど、ファンを心配させるような出来事もありました。

 レースは、10個のセクションを3ラップ、決められた時間内に周り、ポイントを競います。IASはその後SSが2セクションあります。

 難易度は「そう高くない」と言われていたのですが、トライアルは1ポイントが勝敗のわかれ目になります。最終戦の緊張なのか、黒山選手がミスをすれば次のセクションで小川選手も、というような一進一退の展開、それを野崎選手(YSP京葉×KEN OKUYAMA)が追うカタチに。

 3ラップを終えて小川選手が黒山選手に4ポイント、3位の野崎選手に5ポイントの差をつけトップに立ちました。

 いよいよ決戦のSSです。
 観客も選手も全員が見守る中、IASの選手が順番にトライするのですが、どうしたことか?! 小川選手がSSを2つとも落としてしまいます。結果、SS1を減点2、SS2をクリーンで回った黒山選手が優勝。2位には野崎選手、小川選手は3位に終わりましたが、年間ポイントは小川選手が129pt、黒山選手124Pt、野崎選手111ptで小川選手が見事シリーズチャンピオンを獲得しました。

 小川選手、40歳。最後までチャンピオン争いを繰り広げた黒山健一選手は38歳。
 モータースポーツのトップ選手の高齢化、若手不足がたびたび取り上げられますが、トライアルはモータースポーツのなかでもより卓越した技術を必要とする競技です。積み重ねの努力や経験、心理戦など、体力や若さに勝るときもあります。歳を取ったからといって競技生命が終わるものでもありません。すこし観方を変えれば、これはもはや伝統芸能に近い部類です。そういう視点でモータースポーツを見て、トライアルの技術の素晴らしさを感じてもらえたらいいのではないのでしょうか?

 トライアルは、ヨーロッパで盛んに行われています。特にスペインでは大変人気のある競技です。motoGPチャンピオン、マルク・マルケス選手が尊敬する唯一の日本人が、トライアル世界選手権に参戦している藤波貴久選手です。これって、すごくないですか?

 以前に、小川選手と黒山選手に「あなたたちに勝つのには、どうしたらいいのですか?」という問いを投げかけたことがあるのですが、答えは二人とも「俺らが引退するまで無理!」(笑)でした。それだけの自信があってこそ言えるこれって、大げさに言えば人間国宝みたいなものだと思うのです。

 だれも、歌舞伎でいうところの中村芝翫を追い越すとかいいませんよね(笑)。

「若い子が追い越していかねば」と言いますが、外野が言うほど簡単なものではなく、それこそ「できるもんならやってるよ!」と言われるところ。また追い越せない高い壁があってこそ、越えた時の達成感も大きいのではないかと思います。ただ、この壁は体制やバイクやお金で買えるものではなく、全て自分の努力でしか賄えないものです。上位の選手をみて、真似て、習得して、伝統を引き継いでさらに良いものにしていってほしいと思います。

 今回黒山選手も小川選手も、体調やマシンなど万全でもなかったにもかかわらず、会場ではファンサービスも沢山されていて笑顔も多かったです。そういった部分も、後輩の選手達が見習っていくところですし、若い選手もとても礼儀正しくて気持ちのいい選手が多かったです。



SUGO最終戦


SUGO最終戦


SUGO最終戦


SUGO最終戦


SUGO最終戦


SUGO最終戦


SUGO最終戦


SUGO最終戦

 皆様も、いろんなイベントでトライアルを見ると思います。目の前で繰り広げられる技は、バイクの競技をとおして培われた巧の技、選手達を無形文化財だと思って見てもらえれば、「いいもの観たな」と良い気分になれるのではないかと思います。

●小川選手プロフィールはこちらから。
●黒山選手プロフィールこちらから。
●野崎選手プロフィールはこちらから。



まさかのガッチさん両足で
SS1、まさかのガッチさん両足で着地・・うっ・・。


SS1に挑むライバルの黒山選手


SS2の最後の登り
SS1に挑むライバルの黒山選手。 SS2の最後の登り、黒山選手はクリーン。眼下にはすでに終えた選手たちが黒山選手を見守っています。


7セクの岩


前の選手が競技中のところを見ている
難易度の高かった7セクの岩。 前の選手が競技中のところを見ているのですが、だいたい足をついていません。


徒歩でも登るのが困難な壁
徒歩でも登るのが困難な壁。ここからもうひと開けしていきました。


安堵の表情を見せる小川選手


見事4連覇!
戦いが終わり、チャンピオンが決まって安堵の表情を見せる小川選手。 小川友幸選手、見事4連覇! 自身6回目の全日本チャンピオンを獲得。


表彰台


ファンから花束
表彰台はいつも、だいたいこの3人? 優勝にファンから花束のプレゼント。


バイク神輿


バイク神輿



バイク神輿
チームミタニ恒例のバイク神輿はレジェンドライダーである三谷監督からの伝統行事だそうです。チームミタニは3クラスでチャンピオン!「御輿の担ぎ手が足らない」という嬉しい悲鳴が(笑)。


とても仲の良い二人


野崎史高選手
とても仲の良い二人。 ランキング3位となった野崎史高選手の豪快なジャンプ。


小川毅士選手


柴田暁選手
この日4位でフィニッシュした小川毅士選手(宗七音響WiseBetaTeam)はランキングも4位で締めくくりました。 柴田暁選手(Vertigo with Mitani)はランキング5位。


野本選手


IAチャンピオンの久岡孝二選手
バックフリップの野本選手、そして、みなさんの古澤恵が旦那に選んだのはトライアル選手ですよ。 IAチャンピオンの久岡孝二選手(TEAM MITANI)。


氏川湧雅(ゆうが)選手


政哉くん
IASの若手、氏川湧雅(ゆうが)選手(Vertig with Mitani)は藤波選手の甥っ子。15番が氏川選手です。余裕のカメラ目線は叔父さん譲り? 氏川ゆうが選手の弟、政哉くんもB級でチャンピオンを獲得。


西村亜弥選手


レディスは今年が初の開催
レディスチャンピオンは西村亜弥選手(宗七音響WiseBetaTeam)。 レディスは今年が初の開催でした。2位小谷芙佐子選手(Victory&メーテル)、3位は小玉 絵里加(HRCクラブ ぱわあくらふと)。


ペドロサ選手

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