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■文:中村浩史 ■撮影:南 孝幸
■協力:ホンダ http://www.honda.co.jp/motor/

今回のインプレッションは、いつもとちょっと違って
愛車のこと、書きます。
というのも、最近バイクを買い替えたのです。
僕にしちゃ、珍しく現行車を。
そして、人生で2度目の125ccスポーツです。

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ライダーの身長は178cm。

 いつもこの欄でインプレッションさせてもらっていますが、今回はちょっと毛色を変えまして、自分のバイクのインプレッションを。というのも、最近バイクを買い替えたんです、KTMの125DUKEからホンダCB125Rに。
 もともと125DUKEを買ったのも、すごい珍しいことでした。僕、もともとビッグバイク志向、というか、ここ数年ずっと持っていたバイクってビッグバイクだったんです。メインのバイクはGSX1100Sカタナですね、ええ最近ほとんどガレージから出ていませんけれど(笑)、その前にはGSX-R750を3台乗り継ぎました。
 そして、その大きいのと一緒にもう1台、普段使いにミドルクラスを1台持っていることが多くて、DUKEの前にはスクーター、オフロード車なんかを何台か乗り継いでいました。FORZA、DJEBEL250、スカイウェイブ、GOOSE250……。普段使いに250ccクラス、それと時々大きいの出す、ってバイクライフ。このパターン、案外多いんじゃないかな。
 
 125DUKEが発売された時にも、最初は「ふーん、ずいぶん本格的な125ccだな」なんてしか思っていなかったんです。あれは確か、メディア向けの新車発表会が袖ヶ浦フォレストレースウェイであって、サーキットを走り回って、すっかり気に入っちゃったのを覚えています。それから街乗りをして、ツーリングをして、距離を伸ばして「ヨシ、買おう」と。僕の所有バイク歴を知っているまわりの友人も驚いた、125DUKE購入でした。 
 なんせ、僕のバイクの使い方っていうのは、ほとんどが都内移動。ツーリングなんか出かけるのも年に数回で、それはカタナを出せばいい。それも、都内+αくらいの距離なら、DUKEでまったく事足りるとあって、カタナの出番もだんだん少なくなってきちゃった、と(笑)。イカンですね、ダメなパターンのやつ。
 125DUKEは、街中を走るに充分なパフォーマンスでした。都内では、ここ数年ずっと原付2種スクーターをコミューターに使う人が多いんですが、それに互して戦える、と。いや、戦うことなんかないんですが(笑)、毎朝のツーキンバトル(=通勤のことです)なんか、アドレスとかシグナスXに負けちゃうのがいや。DUKEは、そんな走りもできました。
 なにより「トバす」ことなく、のんびり走るのも気持ちよく、それもDUKE購入のきっかけでした。僕くらいの年代だと、どうしても125ccっていうとプアな装備で、コストダウンが激しい、またはミニサイズってイメージでした。そうだ、XR100モタードを所有していたこともありましたが、それもサイズ的にもうひとつで、サーキット専用車になっちゃった。
 
 DUKEの登場は、世界的にそんなイメージを吹き飛ばすものでした。水冷4ストロークDOHCシングルで、前後ディスクブレーキ、前後キャストホイールで、倒立フロントフォークにモノサス、ギアポジションインジケーターや走行時燃費まで表示するデジタルメーターつき。もちろん、KTMとしては125DUKEを200や250、それに390とも共通設計としたことで可能になった豪華装備ではあったんですが、まさに新世代の125スポーツ登場、ってかんじでした。

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 125DUKE購入から7年が経ちました。それでも走行距離は約2万km。1回の走行距離が短いからかな、毎日のように乗っていたのにそれくらいしか走っていませんでしたが、いつのまにかDUKEのライバルもたくさん登場していました。最初に気になったのはGSX-S/R125かな、それにクロスカブ110に、スーパーカブC125、CB125Rに、アプリリアRX125、もちろん125DUKEもフルモデルチェンジしたし。この仕事をしていると、ありがたいことにぜんぶ試乗して乗り比べられました。その結果、選んだのがCB125Rだったわけです。
 最後まで迷ったのはスーパーカブC125。けれど、あの新世代スーパーカブは、きっと10年後にもあのままの姿で売ってるだろうから、それからでもいいや。DUKEは1回乗ったし、GSX-S/Rは速すぎ、スポーティすぎるキャラクターが、ちょっと僕の使い方に合っていなかったかな、と見送りました。
 そんなこんなでCB125R、普段から仲良くしていただいているMFD(=モトフィールドドッカーズ http://www.dockers.co.jp)グループの岡本社長に連絡したら、ちょうど走行1000km未満くらいの新古車がある、とのことで、即決♪ ちなみにここで紹介している車両は、取材時に乗ったメーカーの広報車、僕が買ったのは赤の車体色です。
 
 CB125Rは、いわば125DUKEを選んだ理由にほぼ近い。これ、明らかにKTM効果でしょうね。本格ハイグレード125スポーツは、やっぱりKTMのDUKEシリーズが火をつけたんです。水冷シングル(DUKEはDOHC、CBはSOHCですが)、前後ディスクブレーキ、前後キャストホイールで、倒立フロントフォークにモノサス、LEDヘッドライトにギアポジ付きデジタルメーター。僕の初期型125DUKEには装備されていなかったABSだって標準装備。ここは、DUKEの先見性を褒めたたえたいなぁ、まさにDUKEショックですね。
 エンジン、SOHCだからってことはないだろうけれど、パワー特性が少しDUKEよりも低速寄りで、低回転でのトルクが使いやすい。それでいて、5000rpmくらいからぐんとパワーが乗ってきて、高回転につながっていくフィーリングです。サーキットで乗ってみたときには、最高速はDUKEが約120km/h、GSX-R125が約130km/h、CBは約110km/hってところで、韋駄天っぷりではGSX-S/GSX-Rに軍配ですね。それでも、街中で乗る感じ、50~60km/hってスピード域では、CBがいちばん使いやすい印象でした。
 さらにCBは、足周りのハイグレードさも気に入った一因でした。僕、体重が80kgくらいなんですが、乗った感じに腰砕け感がなく、ピシッと剛性感がある。これは体重の軽い女性なんかには「硬い」って思われちゃうかもしれないけれど、そこもDUKEにフィーリングが似ている。さらにCBはエンジン搭載位置とかフレーム構成が中央に固まっていて重心が低すぎず、ハンドリングが軽快で、かつ重厚なんです。ここがいちばん気に入ったところでした!

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 買ってからまた毎日のように走り回って、まずは使わないタンデムステップを取り外しました。それに使いにくかったヘルメットホルダーをキジマ製のものを購入して、12V電源を引いてスマホマウントを取り付け、真冬用に電熱ウエア「ヒーテック」の連結コードも取り付けました。マフラーやステップ交換はしなくてもよさそうだけど、ショートテールが際立つように、フェンダーレスキットも取りつけてみようかな。
 
 それにしても、125ccもずいぶんハイグレードになったなぁ。僕がまだ原付免許しかもっていなかったころ、憧れのバイクはRZ50で、夢はRZ125で峠を走ることでした。もう35年前かな(笑)。その頃の125ccっていうのは、多くは250ccなんかの上級モデルの「おさがり」で、糸みたいな細いタイヤ、ディスクブレーキとか水冷エンジンなんかはまれで、250ccや400ccに乗るまでの橋渡しとか、ビジネス用途が多かった。
 けれど今は、何度も言うDUKEショックのおかげで、水冷エンジンは当たり前、前後ディスクブレーキ&キャストホイールも、デジタルメーターだって標準装備。これは、DUKEが200/250/390と共通設計でスケールメリットを出していたように、CBは150や250と共通設計。けれどCB250Rにはないギアポジションインジケーターが125にはついていて(笑)125の方がシート高が高かったりします。
 おまけに125ccモデルはおおむね燃費がいい。乗っていた125DUKEも今のCB125Rも、乗り方によっては40km/L行くことだってある。さらに任意保険だって、クルマを乗っていたら、その任意保険に「特約」がつけられて、年間数千円で任意保険に入ることができるんです。
 デメリットといえば、高速道路に乗れないことと、ここイッパツに加速できないことですね。よくあるじゃない、いつも引っかかる信号で、見え始めている頃は青なのに、近づくにつれて黄色→赤になるような。けれどDUKEに乗り始めてからは、どうせ赤になるんだから、つって加速しないようになりました。心の余裕ですね。
 125ccに乗り始めて思うのは、トバさなくなった、ってこともあります。ゆっくり走ったってバイクは楽しいんだな、って思うのは、僕が歳とったからじゃないと思う。Speed down never kills you. 楽しい安全運転って、大事です。
 
 いつか原付免許で125ccまで乗れるようになったらいいな。そうすれば、きっと高校生なんかも、この「安全で経済的な乗り物」でバイクの楽しさを知るんだろうなぁ、と思うのです。
 
(文:中村浩史)
 

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水冷SOHCシングルは13psを発揮。トルクは排気量なりだけれど、高回転までビンビン回さないと走らない、ってキャラクターではない。レスポンスがよく、街中を走っている時は5000rpmも回せばじゅうぶん。サウンドも軽すぎない。トルクもあるし、もうすこし低回転で走ってもいいから、CB250Rのドライブ/ドリブンスプロケットも試してみよう。 共通の車体を使用しているCB250Rと比べ、125Rはショートマフラー。2室構造のダウンレイアウトで、ここもマスの集中に役立っていると思う。サウンドも静かすぎず、パルス感のある元気なもの。もちろんうるささもゼロです。 フォークはφ41mmの倒立。タイヤはラジアルのダンロップGPR300にラジアルマウントキャリパーとウェーブディスクにABSを標準装備。ハッキリ言って過剰品質だけれど、250と共通とすることでコスト上昇を抑えている。
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左右の形状を変えたスチール製スイングアーム。リアブレーキはφ220mmウェーブディスクで、リアサスはバネレート高めのイニシャル調整可能なタイプ。チェーンはDID製、タイヤはラジアルと、前に乗っていたDUKE(インド製MRFバイアスタイヤとメーカー不明のチェーン=すぐ交換しました)と比べて、純正部品がまるでハイグレードだ。 これがCB1000R/650R/250R共通イメージのショートテールのロングリアフェンダー。たくさんパーツも出ているから、フェンダーレスキットでも買ってみようかな。タンデムしないから、タンデムステップは取り外しました。 国内発売していない150R、それに250Rとも微妙に形状が違うフューエルタンクとラジエターシュラウド。タンク先端、ステアリングヘッドすぐ後ろにMFバッテリーがマウントされている。10Lタンクで、300km目安に給油します。
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キーロック式のタンデム部を外して、フロントシートはビス止め.。リアシート下にスペースがあっても、ETC車載器は125ccだから要りません。ヘルメットは、内蔵されているワイヤーでロックするんだけれど、使いにくいのでキジマ製品を後付けしました。タンデムシートはエマージェンシー専用。同デザインのCB1000Rもタンデムは快適じゃありませんでした。
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上下に分割式のLEDヘッドライトを標準装備。これも1000/650/250と共通デザインで、灯火類はウィンカーもテールランプもLED。1969年生まれのCB750からの伝統的丸目ヘッドライトの現代風解釈だと思っています。 センター部はφ28.6mm、グリップ部はφ22.2mmと細いテーパーハンドルを採用。これ、ピシッと剛性感がでてイイ。デジタルディスプレイは、センターにスピードをデジタル表示し、タコメーターはバーグラフ式。シフトアップ&ギアポジションインジケーター、オド&ツイントリップ、ストップウォッチ、瞬間&平均燃費、平均速度などを表示する。
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こちら僕の愛車。カラーバリエーションは、上のブラックと、このキャンディレッド、ホワイトの3色展開。基本はノーマルですが、すでにタンデムステップがありませんね。カッコいいなぁ、は本人の主観です。 MFD(=モトフィールドドッカーズ)グループで購入しました。買ったのは柏店、定価44万8200円ですが、新古車ってこともあって、ずいぶんマケてもらいました。
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電源を引くようにバッテリーを探したら、このカバータンク前半にありました。インナータンクにタンクカバー、ラジエターシュラウドのレイヤー構造で、バラすのはちょっと外す順番がややこしく、時間かかりました。 電源供給つきのスマホホルダーを装着。もうスマホをミラーリングするとか、メインの液晶ディプレイに切り替え式でスマホのナビとか表示したらいいのにな、ってそんな未来もすぐそこまで来ているのかも。 ちょっと見にくいかな、タンデムステップ部に取り付けられるキジマ製ヘルメットホルダー、用品ショップで見つけて買いました。使用頻度が高いので、いちいちリアシート外して、ってまどろっこしいので。
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●CB125R  主要諸元
■型式:2BJ-JC79 ■全長×全幅×全高:2,040 ×820 ×1,055mm■ホイールベース:1,345mm■最低地上高:141mm■シート高:815mm■車両重量:127kg■燃料消費率:53.0km/L(国土交通省届出値 60km/h定地燃費値 2名乗車時)47.2km/L(WMTCモード値 クラス1 1名乗車時 )■最小回転半径:2.3m■エンジン種類:水冷4ストロークOHC単気筒■総排気量:124cm3■ボア×ストローク:58.0×47.2mm■圧縮比:11.0■最高出力:9.8 kw(13 PS)/10,000rpm■最大トルク:10 N・m(1.0 kgf・m)/8,000rpm■燃料供給装置:電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)■始動方式:セルフ式■点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火■燃料タンク容量:10L■変速機形式:常時噛合式6段リターン■タイヤ(前/後):110/70R17M/C 54H/150/60R17M/C 66H■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/油圧式ディスク■懸架方式(前/後):テレスコピック式(倒立サス)/スイングアーム式■フレーム形式:ダイヤモンド■車体色:ブラック、キャンディークロモスフィアレッド、パールメタロイドホワイト■メーカー希望小売価格(消費税8%込み):448,200円


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