2013年5月29日 

■ミスターバイクBG 6月号を振り返る

マッハ系はねー、誌面でも書きましたが、僕にとってはもう完全にクラシックマシンで、なかなか乗ったり所有したりする対象じゃないのですよ正直。例えばマンクスノートンみたいにね、そりゃもちろん興味もあるし乗ってみたいし所有もしてみたいけれど、でも実際問題、マンクスノートンは所有することは一生ないだろうな。

そんなマッハシリーズの中でも、今までイイナと思ってきたのはラバーマウントのKH。KH400は良いバイクだよ!! スムーズに回るし力もあるし。ブレーキだってソコソコ効くから今の世の中でも不安なく乗れる。KH400と、あとこの時代の2ストではGT380、あとRD400なんかも好きな類。ここら辺はあまり気負わずに乗れると思う。

で、特集の500と750。
これはね、正直、強烈な個性を知らずに育った僕の世代にとってはハードル高い! いや、そうじゃなくてもけっこう高めでしょう(笑)。 バランバランとアイドリングして、ギャァァン!! ギャァァァァン!!! とフケる感じはもう、それだけでお腹いっぱい。走り出さなくても「マジか」とケラケラ笑っちゃう。

以前に乗ったときは「これはちょっと…」と思ったもの。今回乗ったときもその気持ちは大きくは変わってないんだけど(笑)、でも低回転で流すぶんには独特の魅力があることにも気づきました。そう、2ストって回してナンボ、みたいなところがあるでしょ? だからどうしてもパワーバンドを使おうと欲張っちゃう。ところが特に750の方は低回転のトルクが豊富で、回さなくても楽しく走れるんだ。と、いうか、回すと振動が凄すぎて、手がハンドルを握れているのかどうかがわからない。

前にゼンシン製のカスタムに乗らせてもらったときも、まさにこの感じ。あれは確か900ccぐらいまで排気量が上げられていたのだけど、そのおかげで低回転域のトルクが強大になっていて、高回転の超振動ゾーンは使わずに速く走らせることができるという仕様だった。今改めて、マッハで今日的な走りをしたいなら、ああいったカスタムが有効に思えたね。だって高回転はマジで凄いんだもの! 一瞬使うぶんにはいいけれど、使い続けることはまず無理だと思う。

撮影していた現場の近くで、道路工事をしていた人達が休憩していて、こっちの撮影をのぞきに来てくれました。現場の棟梁みたいな推定55~65歳ぐらいの人と、40歳手前みたいな若手の2人。
若手:「おー! マッハ! カッコいい!!」
棟梁:「わはは! なつかしーね!」
若手:「欲しいなぁ。速いんだろうなぁ」
棟梁:「バカ、これアブねーぞ! 止まんねーンだから!」
若手:「でもいいじゃないですかー」
棟梁:「×××、×××××××××××!! ××××××……。××!」(自主規制)

こんなやり取りがありました(笑)
棟梁はきっと、リアルタイムでマッハを知っていたのでしょうね。マッハにまつわるいろんな伝説や武勇伝、そして危ない目や悲劇も知っていたのでしょう。
当時よりは色んな技術が進んで、エンジンもより信頼性を高めることができるだろうし、ブレーキももっと効くようにできるだろうけれど、まーそれでも個性が強くて、ある程度覚悟を強いるマシンだという意味では、僕も棟梁に同意する部分もあるな。

「なんか、旧いバイクってカッコいいし、やっぱマッハだろ!」
という人はちょっと再考してもらって、KH400にした方がいいと思うけど、
「ZもCBも知ってる。個性も味として付き合える。運転も無理しなくなった」
という絶版車上級者は、一度所有してみると面白いバイクだと思います。

(ノア)