2014年7月7日 

■倒立フォークを信じていない…

 

ふぅうぅ、やっと次号の編集作業を終えてひと段落。僕は比較的ギリギリまでズレ込ませないタイプだけど、今月は巻頭特集に加えて絶版車運動会の記事展開や、さらにいつものレギュラー関係がドッチャリあった林さんが、編集部の椅子に座ったまま3度ほど召されました。が、今日の編集会議には元気な姿を見せてくれる、はず。

 

次号で何をやろうか、っていう編集会議は、ま、本来は編集者だけでやるんだろうけど、もう最近は編集者だったりライターだったりカメラマンだったりというくくりがあんまりなくなっちゃっててね、みんながみんな「何でも屋」みたいになってるので、僕みたいにBGと近しいフリーの連中も集まってアーダコーダと言うわけです。

 

次号は何がやりたいかなぁ。世の中は何が見たいかなぁ。こんな提案がしたいなぁ。何て事を妄想するのが楽しい、会議前の数日間です。

 

巻頭特集をどうするかってのはだいたい5時間ぐらいかかって議論・討論・振出しに戻る・議論・口論・諦め・休憩・議論・討論のルーティンを経て決まるのだけど、それ以外のレギュラーページについては普段から妄想を巡らせてるわけです。

 

というのもね、レギュラーページっていつしかマンネリになることもあるわけで、じゃあなんか新しいのをやりたいなって思うわけ。

 

僕が最近盛り上がってるのは、倒立フォークを気持ちよく乗る方法。

 

実は僕は倒立フォークを信じてません(なぁんていうバッサリした言い方すると編集長に後から怒られますが)。レースだったらいいのよ。サーキットだったり、スッゲースピードが出てる、もしくはスンゴイ負荷をかけることができる場面だといいのだけど、特に大型バイクにおいては公道ではそのバイクが持てるポテンシャルの限界に近づくことすら稀だから、倒立フォークってなんだか硬質に感じて、場合によってはフロントタイヤからのインフォメーションを得にくいと感じたりする。

 

ところがだ。

 

先日CBR1000RR-SPに乗る機会を得ました。そしたらね、ぜーんぜん硬質感がないの!そんなことってある!?

 

振り返れば、以前に1年間連載していた「日本車新時代」のFZ-1フェーザー、これはすごくガッチリしたバイクで、高速道路を気持ちよく飛ばしてると最高に良かった。だけど細かな峠道に行ったりすると、あれれ? XJRの方が自信を持ってイケるぞ?ってことになったりするんだ。ネック周りがバイクのバンク角に対して魚の尾びれのようにしなりながらついてくる感じが、XJRのほうがあるんだよね。不思議。

もちろん、倒立・正立フォークの違いだけじゃないと思いますよ。履いてるタイヤとか、鉄フレーム・アルミフレームだったりとか、ま、色々あるでしょう。だけど佐藤信哉さんを招いてXJRFZ-1で峠を走り回ったあの回は、2人で「日本の細かな峠道ではXJRだな」と言いあったのであります。

 

でもこの前乗ったCBRSPは、たぶん細かな峠道でもXJRみたいにイケちゃう気がする。そのぐらいフロント周りからインフォメーションがあって、自信が持てた。これはオーリンズのサスペンションによるところもあるかもしれないけど、SPについて読むと「フロント周りの締め付けトルクを特別丁寧に管理してる」って書いてある。

 

そんな経験に前後して、ある全日本に出てるライダーともこんな話をした。そしたらね、フォーククランプはメーカーの指定値よりもスッゲーユルユルに締めてるってんだよね!全日本でさえ!へぇ!

 

じゃぁさ、FZ-1もフロント周りの締め付けトルクを一通り全部見直したら、CBR-SPみたいになるかしら!(←いや、さすがにならないだろう・笑)

 

でも締め付けトルクだけでなく、ハンドル位置や素材、タイヤの選択肢、アクスルの締め付けなど総合的に取り組めば、フィーリング向上は見込めるんじゃないかと最近盛り上がっています。

 

なんだかバイカーズステーションみたいになっちゃうね! いや、そうだ!やってみていい結果が得られたら、それこそバイカーズステーションの佐藤編集長に乗ってみてもらったらいいじゃないか!名案だ!

 

そんなわけで、現在は編集部で新製品チェックやタイヤチェックの実験車両、はたまた取材の移動として活躍しているFZ-1フェーザー、改めて「最近のバイクだって良くなるんでないの?」とイジってみたいな。そんな連載を6か月ぐらいでやりたいな、と思ってます。どう?興味持ってくれるかなぁ。僕は最近のハイパワー大型車をより気持ちよく走らせるコツやヒントや裏技に出会えるんじゃないかと思ってますが。

 

 

長くなっちゃいました。

次号の発売は来週ですよ~!ちょっとバラすと表紙は350SSですが、特集の内容はお楽しみに!

 

(ノア)