2015年6月8日 

■6月号を振り返って

 

実はすでに7月号の編集も終わっているのですが、7月号が出ちゃう前に6月号の復習というか、ちょっとカスタムバイクで思ったことを書いてみたりして。

 

以前の投稿でカスタムについてちょっと追記しようか、と書いたから、それです。

 

今回の試乗で目からウロコ的な体験だったのはCBX1000の試乗かな!

今までもCBXは幾度となく乗ってきたし、ちょっとイジってあるようなのも経験がありますが、総じて思うことは「フレームが弱いのではないか??」ということでした。吊り下げ式であんなに大きなエンジンがぶら下がってるんだから、たぶん視覚的な思い込みもあるんでしょうね。でもグイグイ攻めるほどに、全体的にユラユラしているイメージはぬぐえず、CBXは高いレベルのスポーツ性を求めるバイクではないのではないかな、と思っていたわけです。

ところが今回乗ったやつ!全然ユラユラなんてしないんだ。びっくりしちゃいましたよ。かなり積極的に走らせても大丈夫で、CBXさん今までごめんなさい的な気持ちになりました。へー! CBXってこんな風にもなるんだ!という体験でした。

 

その後、今度は同じショップさんのCB900Fにも試乗できました。こちらはちょっとのフレーム補強と、あとは前後の17インチ化。これもまた、改造車にありがちなネガな部分がまるで感じられず本当に楽しく乗れた。なんでだろうと思うと、ビルダーさんは「ディメンションと、あとはフォークの剛性でしょう」と言うのだけど、じゃあ今まではバッチリなディメンションなカスタム車に乗れなかったってこと?? まさかね。他にも秘密があると思うなぁ。

 

「カスタム車にありがちなネガな部分」なんて簡単に書いたけど、それは人によってさまざまだから一概に言えないものの、僕としては以下のものが気にしている所。

 

①フレーム補強、これね、最近は少なくなりました。エンジンのチューニングもそうですが流行り廃りがありますね。一昔前は面研で圧縮を上げるのってとても一般的だったけれど、最近は壊れるからってやりたがらないところが増えました。フレーム補強も同様で、最近は補強はナシでレイダウンだけする、なんていう話も良く聞きます。

ガチガチに補強されているフレームは、乗ってもやっぱりわかるもんでして、なんだか鉄のしなやかさが阻害されちゃったりするんです。レースとか、そういった単一使用目的ならいいと思いますが、オールラウンドに使いたいバイクをガチガチに補強入れちゃうと、ある場面ではとても良くなっても、基本姿勢であるステム位置の高さやステムの長さなんかは変わらないわけだから、そのバイクのもつ本来のファジーさや、悪く言えば弱さ的な部分がかえって見えてきちゃうことだってあると感じています。だから、個人的にはフレーム補強は好みに合わせてちょっとだけ入れるぶんにはいいけれど、「補強○○箇所だぜ」と自慢するのはちょっとすでに旧世代的かなぁというイメージですね。

 

②フォークがね、今回は43φという太いのがついてて、かつ17インチ化に伴ってトレール量を調整するためオフセットが少なくなっているのだけど、これはイイんですよ。ハンドリング的には良いんですが、絶対的にハンドル切れ角が少なくなる!これも先ほどのこと一緒でサーキットとかね、そういった限定した使い方なら何の問題もないのだけど、公道ではUターンもあれば渋滞もあるしガレージからの出し入れだってあるじゃない。ハンドル切れ角が少ないのは、実はけっこう困るんですよ。ところが今回試乗したCBXCB-F共にハンドル切れ角バッチリ。超高ポイント!

 

③あと細かい所ね。サイドスタンドが出しにくいとか、アクセルが重いとか、ミッションの節度が悪いとか、どうもカスタムバイクってそういうところがあるように感じることが多いです。パワーとかそういった性能部分が向上できていればそれでいいじゃないかというのは、うん、公道を走るバイクである以上は間違ってるでしょう。使い勝手の部分で純正以下となるのはやっぱり危ないわけで、色んな素晴らしいパーツや技術がある現在のカスタムシーンにおいては必ず純正以上のクオリティを求めるべきだと思いますね、個人的には。

 

そんなわけで、久しぶりに乗ったカスタム車がどれも良くできた車両で、楽しい巻頭特集となりました。ちゃんとわかっているお店で、見栄を張らずに自分の本当に求めている方向へとカスタムをしてもらえれば、あなたのバイクはとっても気持ちの良い乗り物へと進化するでしょう。そんなワクワクを思い出した特集でした。

 

7月号の発売ももうすぐです。よろしくお願いしますね!  (ノア)