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添乗員ヨッティのバイクツアー裏レポート その27「ル・マン24時間 トリックスター応援ツアーの巻」



すべてはこの記事から始まった(WEBミスター・バイク「第80回ボルドール24時間耐久レース・レポート」(※PC版に移動します))。
「プライベートチームが世界チャンピオンを夢見たっていいじゃないか!」という熱いキャッチ・コピーは、添乗員ヨッティの心を熱くさせた。この記事を読んですぐに、今年世界耐久戦(EWC)にフル参戦するトリックスター・レーシングの鶴田竜二監督に応援ツアーの企画をオファーし、さらに非常に多くの方々の協力を得て、このツアーは実現したのだった。

 今回は観戦ツアーですのでバイクには乗りません。パリに到着後、バスでル・マンに向かいます。パリからル・マンへは約3時間の道のり。「ル・マンまであと〇km」という道路標識に心が高ぶります。やがて到着しました、ル・マン、ブガッティ・サーキット。世界耐久レースに興味なくとも、ライダーなら「ル・マン」の地名は知っているはず。「憧れの地に来たのだ。」それだけでもなんだか嬉しい。


11道祖神としては珍しいバスでの旅行です

 到着したのは決勝レース前日。今回のツアー特典としてパドックパスも付けてもらっていたので、チームのパドックまで表敬訪問する。ちょうど予選が終了した後だったので、チームも和やかな雰囲気。明日の決勝に向けて、ライダーやチームクルーと握手したり、記念撮影したり。お互い貴重な時間を過ごす。テンション上がります。これこそ、応援ツアーの醍醐味。

 そして、翌日の15時。8耐で見慣れた「ル・マン式スタート」でレースはスタートする。本家・本物「ル・マン式」だ。予選13位だった我らがトリックスターは6位まで順位を上げる。しかし、レース開始約3時間後、エルワン選手が周回遅れの予想できないライン変更にコースを阻まれ、接触・転倒。どうにか自力でピットに戻り、メカニックの手によってマシンを修復。22分のロスでレース復帰。しかし、この時点で順位は47位まで落としていた。

 しかし、ここで諦めないのがトリックスターだった。日が暮れる頃からトップ・グループと変わらないラップタイムを刻み、徐々に追い上げていく。深夜、ツアーのお客様は一旦ホテルに帰って仮眠を取るが、その間もトリックスターの追い上げは止まらない。夜中、ホテルのベッドに横になりながら、インターネット配信されるライブ情報を見るたびに順位が上がっていく。興奮して全然眠れない! 夜、22時に35位まで回復していた順位は、朝5時には11位になっていた。眠い~なんて言ってられない。まだ真っ暗な夜明け前の暗いうちから再びサーキットに向かう。

道祖神としては珍しいバスでの旅行です。

2ル・マンに続く道
ル・マンに続く道。

3ル・マン旧市街はこんな感じ
ル・マン旧市街はこんな感じ。

4ル・マン ブガッティ・サーキット到着
ル・マン ブガッティ・サーキット到着。

5 今回のツアーはパドック・パス付き!決勝前日、ライダー・チームと交流タイムもありました
今回のツアーはパドック・パス付き!決勝前日、ライダー・チームと交流タイムもありました。

6 我らが「エヴァRT Webike TRICKSTAR」のライダーです。左から出口選手、ジュリアン選手、エルワン選手。

 夜明け前のサーキットはガラガラだ。ほとんど誰もいない。そんな中、トリックスター応戦席だけはスティック・ライトを振って応援しているアツイ集団がいた。それがピットからも見えたらしい。ピット・クルーやメカニックたちも観客席に向かって手を振ってくれる。トップを走るチームにもこんなにアツイ応援団はいない。ル・マンに来て、トリックスター応援ツアーが実現できてよかった! と一番感じた瞬間だった。

 
 やがて東の空が徐々に明るくなる。美しい朝焼けの中を、マシンたちは暁の彗星のように駆け抜けていく。トリックスターも10位まで順位を追い上げ、さらに上を目指していたときのこと、出口選手がトップ争いをしているライダーに後ろから接触されてしまい、再び転倒。しかし、それでも諦めない。すぐに起き上がり、ピットに戻ってマシンの修復。最後の最後まで諦めない。これこそ、耐久レース。結果、12位でゴールとなる。

 はっきり言って悔しかった。他車に巻き込まれていなかったら、間違いなく表彰台だったはずだ。しかし、これがレースだ。

 
 今回はこのような結果だったが、私、ヨッティはお客様以上に感動してしまったかもしれない。「絶対に諦めない」という姿を、これほどまでに見せつけられたことは今までにない。

 バイク・レースはMotoGPのようなスプリント・レースだけではない。本当の「強さ」というのは耐久レースに勝つことではないか? そして、耐久レースにはファクトリー・チームだけではなく、プライベートチームでも世界を狙える可能性が残されている。そこに夢があると思う。そして、もっともっと多くの人に、世界耐久レースを知ってもらいたいと思います。 

我らが「エヴァRT Webike TRICKSTAR」のライダーです。左から出口選手、ジュリアン選手、エルワン選手。

7 野左根航汰選手もYART YAMAHAとして参戦
野左根航汰選手もYART YAMAHAとして参戦。

8これが本場のル・マン式スタート。グリッドに並ぶバイクの感覚がバラバラです・・・
これが本場のル・マン式スタート。グリッドに並ぶバイクの間隔がバラバラです・・・。

9 夕闇が迫る頃、観客もそれぞれの寝床へ向かう
夕闇が迫る頃、観客もそれぞれの寝床へ向かう。


10 我々がベッドで寝ている間もレースは続いている

11 ライダーだけでなく、ピットクルー全員で24時間戦っている
我々がベッドで寝ている間もレースは続いている。 ライダーだけでなく、ピットクルー全員で24時間戦っている。

12夜明け前、ガラガラのスタンド。トリックスター応援団だけがアツイぜ!

13ホームストレートです
夜明け前、ガラガラのスタンド。トリックスター応援団だけがアツイぜ!。 ホームストレートです。

14夜が明けてきました

15ダンロップ・ブリッジの向こうから朝日が昇る
夜が明けてきました。 ダンロップ・ブリッジの向こうから朝日が昇る。

16サーキットの周囲はキャンプ・エリアが広がる

17バックストレート付近です
サーキットの周囲はキャンプ・エリアが広がる。 バックストレート付近です。

18 15時、レース終了、表彰式の様子

19 パリに戻って打ち上げです
15時、レース終了、表彰式の様子。 パリに戻って打ち上げです。

20 遠くにサクレクール寺院が見えるレストランで打ち上げでした

21最終日はパリ1日観光をして終了です
遠くにサクレクール寺院が見えるレストランで打ち上げでした。 最終日はパリ1日観光をして終了です。





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