その5 1964年 トレイル90CT200 需要が生んだトレールルカブ

●試乗・文:髙橋二朗
●撮影:富樫秀明

●取材協力:Honda・ホンダモーターサイクルジャパン http://www.honda.co.jp/motor/
      ホンダコレクションホール http://www.honda.co.jp/collection-hall/


CT200


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CT200


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 スーパーカブをベースに山や草原を走るトレールバイクとして、ブロックタイヤや駆動力が増すスプロケットなどを装備するCA105Tが北米で人気を博すが、1964年に海外市場で登場したトレイル90 CT200は、そのキャラクターをより鮮明にしたモデル。同年は90ccクラス初のOHCエンジンを搭載したスポーツバイク・CS90が登場しているが、CT200にはOHVエンジンを採用。カブCM90用ではなく、ビジネスモデルC200用をベースとするため、ミッションは4速となる。

 シリーズ最大排気量のカブCM90用をベースとする車体に、エンジンガードやアップマフラーを装備。見た目に特徴的な大きなリアスプロケットは、取り外してチェーンを詰めることでハイギアーな走行も可能としている。副変速機を備える後のCT90、CT110の祖となるモデルだ。

 CT200の前後に採用された2.75-17 というタイヤはCT110、さらには現行クロスカブに至るまで長きに渡り、レジャー系カブに継承されている不変のサイズとなった。

 CTシリーズは副変速機など、特有の機構を搭載することでもお馴染みだが、CT200は後輪ブレーキを手と足で操作することが可能。自動遠心クラッチなので、ハンドル左のレバーはリアブレーキ用となる。この機構はOHCエンジンを搭載した後継モデル・CT90の前期モデルにも継承された。ステップ形状も独特だ。

 実際に走ってみると、4速ミッションはボトムニュートラルのため扱いやすい。加えて90エンジンの豊かなトルクによって、今回の試乗モデルの中ではもっとも力強い走りを見せてくれた。



CT200


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①4速ミッションをもつ86.7ccのOHVエンジンを搭載。エンジンガード、アップマフラーを装備することで、よりレジャーバイクとしてのキャラクターが鮮明となった。スイングアーム下部に手と足による後輪ブレーキ操作を可能とする機構を見ることができる。②スーパーカブCM90に似たデザインのヘッドライト周りだが、フェンダーは前部を短くカット。③独特の形状をもつステップは可倒式。④ワイドなパイプハンドルを採用。左側のレバーは後輪ブレーキ用。フラッシャー、バックミラーは備わらない。⑤スーパーカブ同様、メインフレーム上にあるエアクリーナーの位置は、OHCエンジンとなったCT90のフロントボトムリンク式サスペンションをもつモデルまで継承される。⑥2枚のドリブンスプロケットにチェーンをかけ替えることを可能とし、あらゆる走行状況に対応、大小二つのスプロケットが同面上にある様子は、NC700シリーズのディスクローター製造方法を彷彿とさせる。
●エンジン型式︰空冷4ストローク単気筒OHV2バルブ ●総排気量︰86.7cc ●内径×行程︰49×46mm ●最高出力︰6.5PS/8000rpm ●最大トルク︰0.65kg-m/6000rpm ●圧縮比:- ●変速機︰自動遠心4速リターン ●全長×全幅×全高︰1800×650×980mm ●軸距離︰-mm ●燃料タンク容量︰5.5L ●車両重量︰82kg ●タイヤ前・後︰2.75-17・2.75-17 ●車体色:-●発売当時価格︰輸出車

[その4 1962年ポートカブC240|その5 1964年トレール90CT200|その6 1967年スーパーカブC50]
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