自らも熱心な二輪車愛好家・ライダーである松浪衆議院議員が議員立法として提出しようと作業を進めているのが「オートバイ行政推進一括法案(仮称)」。複数の異なる法律や規制で煩雑・不合理となっている二輪車の法的・社会的ポジションや決まり事を、このひとつの法律でまとめる役目を担わせるもの。立法的にはいわゆる「プログラム法」(理念法とか基本法とか言われている法律のこと)の形態をとり、二輪車とは何かを含めて、二輪車の基本的な法での規定、存在意義・意味、交通体系での位置付けなどの理念と具体的アウトラインをこの法律で決めるというのが目的。つまり既に制定されている各法律や決まり事はこの成立した新法に矛盾しないように改正されることになる。現行の道交法を改正し、車両法を改正し…という想像を絶する過程を踏まずして”改革”が成されるわけだ。すでに法案作りの専門機関である衆議院法制局との作業も進捗しているという(松浪議員)。ただし例えば教育基本法などでは、あまりに大まかな規定しか盛り込まれていない”欠点”も指摘されるところから、同議員は「(二輪車について様々な不合理の改正を盛り込みたいので)あえて”一括法”と仮称している」とのこと。
現段階で松浪議員が、あくまで「試案・検討メモ」としている私案の内容は以下のようなものだ——。 これらを議員、各種関係者・団体などと検討してまとめ、松浪議員は議員立法で「オートバイ行政推進一括法案(仮称)」を提出して法律化実現を図るとしている。松浪議員の考え方を示す資料として以下の2点を参考掲載しておく。 ※図版をクリックすると拡大したサイズで見られます こうした松浪議員の活動は、二輪車離れの大きな理由とされている「二輪車利用環境改善」にダイレクトにつながる動きとして注目していきたいのだが、同議員が現在、いわゆる”政局”の真っ只中にいるのも事実だ。ご承知のように松浪議員は地域政党・大阪維新の会が9月28日に発足させた新党「日本維新の会」に参加、9月11日に所属していた自民党に離党届を出している。自民党時代には同党オートバイ議連の事務局長として積極的に活動、民主党のオートバイ議連との超党派合同勉強会も実現させている。二輪車関係者の中には「おそらく次期衆議院選挙では自民党が第1党になると思われる情勢で、その政策の実現度が高くなることに期待したかったのだが」という声もあった。自民党での選挙出馬でも「今回は充分、勝てる」という読みを地元・近畿地区の二輪関係者もしていた。ただ松浪議員は道州制実現に政治生命をかけている面もあり、維新の会との結びつきも今日この頃急にというものではなかったのも事実。松浪議員の周辺にいる二輪関係者は「維新の会になってもすぐオートバイ議連を作るでしょう。維新の会の橋下代表(大阪市長)もハーレー乗りだった時代があり、松井幹事長(大阪府知事)もバイクに乗っていたことがあると聞いています。自民、民主に加え維新の3党オートバイ議連の超党派行動に大きく期待しています」とも。ただし無類のバイク好きジャーナリスト・二木啓孝さんのラジオ番組の発言では「橋下さんと松井さんの関係は微妙」とのことなのだが…。しかし松浪議員ご本人も二輪車戦略への意欲を今も語っていると関係者は言う。ま、こればかりは、オートバイ一括法案の今後を注視しつつ、当面は見守っていくしかない。 |
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