実際にワタシが体験した「怖い話」をいろいろ考えていたら、こんなことを思い出したので、今回はそれをご紹介したいと思います。
もう15年以上前のことになると思うのですが、中古でHONDA GB400というバイクを買いまして、初めてのツーリングに鎌倉に行ったんです。
江ノ島とか鶴岡八幡宮とか大仏さんとか、一通り鎌倉観光をしまして、時計を見たら3時半。「帰るにはまだ早いしな……」と思って、せっかくだから逗子の方まで行ってみることにしたんです。
海岸線の国道134号。そんなに車も通っていないし、海からの風も心地いいし、快適に飛ばしていたんですよね。
ところが……材木座のあたり、トンネルの手前のところで、なぜか急にスピードが落ちてきたのです。
ここは緩やかな坂になってはいるのですが、いくらなんでも400ccだし、別にギアチェンジしなくてもチョー余裕で上がれるハズなんですよね。
「おかしいなぁ〜何でだろう!?」「もしかしたらロープみたいなヤツが絡まったのかも!?」と道の端にいったんバイクを止め、確認したのですが何もありません。そこでまた走り出したのですが、なんかスピードがどうしても上がってこないんですよ。
「え〜っ!? 何でぇ〜!? どおしたっていうのぉ〜!?」と思って、また一度止まってから再度アクセルを回してみたのですが、やっぱりダメ……なんか見えない壁みたいなものがあって、バイクを前からギューギューと押し戻している……みたいな、そんな感じなんです。
たしかに風は吹いてるのですが、走れないような大風ではないし、実際ワタシの横を原チャリの女の子が普通に通り過ぎて行くのですよ。
さすがになんかイヤなものがフッと頭をかすめました。この先には行ってはいけないんじゃないか……行ったら事故に遭うのではないか……ってね。
それでUターンしてもと来た道を走り出したのですが、今度は普通に走れるんですよ、不思議ですよね。そのまま東京まで戻ってきたのでした。