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第31回「本当にあった怖いツーリング」の巻

 実際にワタシが体験した「怖い話」をいろいろ考えていたら、こんなことを思い出したので、今回はそれをご紹介したいと思います。

 もう15年以上前のことになると思うのですが、中古でHONDA GB400というバイクを買いまして、初めてのツーリングに鎌倉に行ったんです。

 江ノ島とか鶴岡八幡宮とか大仏さんとか、一通り鎌倉観光をしまして、時計を見たら3時半。「帰るにはまだ早いしな……」と思って、せっかくだから逗子の方まで行ってみることにしたんです。

 海岸線の国道134号。そんなに車も通っていないし、海からの風も心地いいし、快適に飛ばしていたんですよね。

 ところが……材木座のあたり、トンネルの手前のところで、なぜか急にスピードが落ちてきたのです。

 ここは緩やかな坂になってはいるのですが、いくらなんでも400ccだし、別にギアチェンジしなくてもチョー余裕で上がれるハズなんですよね。

「おかしいなぁ〜何でだろう!?」「もしかしたらロープみたいなヤツが絡まったのかも!?」と道の端にいったんバイクを止め、確認したのですが何もありません。そこでまた走り出したのですが、なんかスピードがどうしても上がってこないんですよ。

「え〜っ!? 何でぇ〜!? どおしたっていうのぉ〜!?」と思って、また一度止まってから再度アクセルを回してみたのですが、やっぱりダメ……なんか見えない壁みたいなものがあって、バイクを前からギューギューと押し戻している……みたいな、そんな感じなんです。

 たしかに風は吹いてるのですが、走れないような大風ではないし、実際ワタシの横を原チャリの女の子が普通に通り過ぎて行くのですよ。

 さすがになんかイヤなものがフッと頭をかすめました。この先には行ってはいけないんじゃないか……行ったら事故に遭うのではないか……ってね。

 それでUターンしてもと来た道を走り出したのですが、今度は普通に走れるんですよ、不思議ですよね。そのまま東京まで戻ってきたのでした。


 材木座から逗子の間にはトンネルが2つあります。ずっと後になって知ったのですが、噂によると、そのひとつは実は結構な心霊スポットだとか……。近くの旧道にはチョー有名な小坪トンネルってのもありますしね。

 今こうして当時のことを思い出してみると、やっぱりあのときは「何か」の力で止められたのではないかなって、本気でそう思っています。バカにする人もいるかもしれないけど、例えていうならご先祖様とか守護霊とか……なんかそんなカンジの。

 その後は何回も同じ道を通っていますが、別に普通に走れています。トンネルは今でもちょっぴり怖いけどサ。

 前方に何もないのに、バイクが押し戻されるような感覚……そんな経験は後にも先にもそのときだけなんです。今も忘れることができません。

 みなさんはそんな怖い体験したことってありませんか!? もしあったら編集部まで送ってくださいね。



昔の相棒「クラブマン」。今見るとホントに美しいバイクです。ワケあってすぐ手離しちゃったんだよなぁ〜。


人もまばらな材木座の海岸。さっきまで晴れていたのに、いきなり雨が降り出しました。
昔の相棒「クラブマン」。今見るとホントに美しいバイクです。ワケあってすぐ手離しちゃったんだよなぁ〜。 人もまばらな材木座の海岸。さっきまで晴れていたのに、いきなり雨が降り出しました。


5このあたりから急にスピードが落ちてきたのです。ゆるやかな坂にはなってるけど、何でだろう!?


そして、このあたりで、動かなくなりました。海からの風はあったけど、不思議です。
このあたりから急にスピードが落ちてきたのです。ゆるやかな坂にはなってるけど、何でだろう!? そして、このあたりで、動かなくなりました。海からの風はあったけど、不思議です。


目の前には古いトンネルが……。でも、この先にある長いトンネルの方が、ホントは怖いんだよな。

ちなみにこのトイレ、「出る!!」というウワサがありますよ。アクマでもウワサですよウワサ!!
目の前には古いトンネルが……。でも、この先にある長いトンネルの方が、ホントは怖いんだよな。 ちなみにこのトイレ、「出る!!」というウワサがありますよ。アクマでもウワサですよウワサ!!

ルリカミド
ルリカミドリ

九州、福岡出身のバイク大好き娘。

ヒマさえあれば相棒のシビちゃん(HONDA CB400SF)とともに旅をしている。

別のペンネームを使い、法律や料理にゴルフ、はては高校受験まで原作付きのハウツー漫画を中心に描いてきたマンガ家であるが、最近では開店休業中との噂も(泣く)……


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